兵庫・芦屋『ダニエル』のうなぎの寝床。創業36年来の大ヒット第1号は、細なが〜いチョコレートケーキ。
ダニエルの名を広めた、最初のヒット作
関西屈指のスイーツ激戦区・御影にて1990年に創業し、その後芦屋へ移転した人気洋菓子店『ダニエル』。
かつてホテルレストランで経験を積み、デセール(皿盛りのデザート)を作っていたオーナーシェフの中村道彦さんが紡ぎ出すお菓子は、洋菓子店の枠にとらわれず、時にフランス料理の技術や考えをも応用。「持ち帰れるデセール」をコンセプトに、どこか遊び心に満ちた輝きを放つ。
定番の生菓子や焼き菓子、そして季節ごとに登場する限定品。それぞれにファンがいるロングセラー品が多いが、中でも「このお菓子が、当店の最初のヒット作です」と、シェフが語る思い入れの深いお菓子が「うなぎの寝床」だ。
京都の町並みを菓子に映した、遊び心
この銘品が誕生したきっかけについて中村シェフはこう語る。
「間口が狭く奥行きが長い“うなぎの寝床”と呼ばれる京都の町屋を見た時、うなぎの寝床のような家がパッケージで、その中に本当にウナギがいるようなお菓子を作ったら面白いのでは、と思ったのです」
そんな町の情景からインスピレーションを得た中村シェフは、ウナギを細長い型で焼き上げるチョコレートケーキ「ショコラ・クラシック」で表現。当初は本物のウナギに模して46cmものロングサイズで焼き上げ、“うなぎの寝床”をイメージした専用木箱(下記の写真)に収めて販売。噂を聞きつけた料理人や同業者の購入が多かったという。
しかし「実は、発売当初は長すぎてあまり売れなかったんですよ」と中村シェフ。そこでお客や催事先の要望から長さ15cmにしたところ大ヒット。
やがてホワイトチョコレートを使った「白いうなぎの寝床」も展開し、今では定番の手土産品として知られる。
イズムを感じる、味わいへのこだわり
泡立てたメレンゲを仕上げに加え混ぜる「ショコラ・クラシック」がベースのその味わいは、生地の中にイチジクやアプリコットといったドライフルーツやチョコレートチップを混ぜ込み、時折歯に当たるプチプチ食感やカリッとした食感、果実味のアクセントが魅力。ひとつの菓子にさりげなく多様な味わいや食感を重ね、飽きさせない工夫が『ダニエル』ならではだと思わせる。
また表面に一枚のヴェールをかけるように薄く塗ったミルクチョコレートは、口に含むと舌の上で儚くパリッと割れ、ケーク部分は、驚くほどしっとり軽やか。このコントラストもたまらない。
一般的に焼き菓子を冷蔵すると油脂分が冷え固まって生地が締まるが、「うなぎの寝床」はいつまでもみずみずしいしっとり感が持続。日を追うごとに深まる味わいに感激するのだ。
宝石箱のようなプチカヌレも。
また、プチサイズの愛らしい「カヌレ」も忘れてはいけない、『ダニエル』の定番だ。
中村シェフがかつて働いていたレストランのミニャルディーズ(食後の小菓子)として作っていたレシピを改良し、阪神・淡路大震災後に発売されたプチカヌレ。当初はプレーンやカカオといった3種ほどしかなかったが、2011年のルクア店オープンに合わせて、フレーバーを展開。今ではプレーン、カカオ、抹茶、いちぢくくるみの定番4品に、季節替わりの4品が登場する。
端正なオーバル型のボックスに美しく詰められた姿はまるで宝石箱のよう。蓋を開けた瞬間、誰もが胸を躍らせる。
「うなぎの寝床」「カヌレ」が買える場所
古都の情景を愛嬌たっぷりに映した「うなぎの寝床」と華やかで小さな幸せが凝縮する「カヌレ」。これらは本店やテラス店、オンラインショップのほか、梅田のルクア店でも購入可能。
ただし、カヌレ専門店であるルクア店では「うなぎの寝床」はほんのわずかしか並ばないため、確実に入手したいならぜひ芦屋へ。
穏やかな空気が流れる街を訪ね、ショコラが放つ芳しい香りの余韻ごと持ち運ぶ時間もまた、とっておきの手土産だ。
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- 店名
- ダニエル 本店(Daniel)
- 住所
- 兵庫県芦屋市三条南町5-1
- 電話番号
- 0797-35-4333
- 営業時間
- 10:00~18:30
- 定休日
- 月曜日・火曜日(祝日の場合は変更あり)
- 交通
- JR甲南山手駅から徒歩約6分
- メニュー
- カヌレ2個入300円〜、シューアラクレーム350円、ショーフロワ650円、コケット350円、 サブレコンフィチュール2000円など。
- https://www.instagram.com/caneledaniel/

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