大阪・中之島のイタリアのような日本のバール

大阪・中之島のイタリアのような日本のバール

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2023.01.27

文:「あまから手帖」編集部・奥田眞子 / 撮影:エレファント・タカ

日本ではまだあまり馴染みのないバールは、イタリアでは毎日通う場所。そんな風に日本人に親しまれているバールが大阪・中之島の「プント エ リーネア」。その魅力に迫った1日密着取材を改めて振り返ってみました。

目次

いつの間にか、〝ためらい〟が〝ただいま〟に。 店舗情報

いつの間にか、〝ためらい〟が〝ただいま〟に。

バールの一日の流れを見てみたい、愉しみ方を知りたいと、一日密着して取材・撮影をさせていただいた「プント エ リーネア」。
午前10時、開店と同時に訪問。
30分もしない内に、ひとり、ふたりと続々と入ってくるも、なぜかこの日は見事に男性客ばかり。(いつも男女比は半々くらいだそうですが)

平日だったこの日、やはり常連さんが多いようで、慣れた様子でエスプレッソを注文していました。
大学生のとき、1年ほどフランスにいたことがありますが、その頃は日常的にエスプレッソを飲んでたなぁなんて思い出しながら、本場イタリアのようなシーンを大阪で見て不思議な感覚に。
常連さんたちは、それぞれのスタイルを持っていて、自分の好みで自由に愉しむ様子がかっこいいんですよね。

常連客エスプレッソを飲みほした後に残った砂糖をスプーンでこそいで食べる常連さん。本場ではよく見られるシーン。エスプレッソ250円で。(立ち飲みの場合は200円。さらにひと口チョコ付き!)

夕方、お酒の注文も増えてきたくらいから、女性の姿がちらほら―――良かった!(男塾もいいけれど、女性の笑顔はまた別ですからね)
男女比半々、賑わってきた店内。朝エスプレッソを飲んでいた方が、夜、お酒を飲みに来ていたので、そのころには、店の一員になった気分で、おもわず「おかえりなさい」なんて。
当たり前のように、「ただいま~」と返ってくる温かさにほっこりしました。

お客さんが、鎌田さんのお人柄やこの店がどれだけいいところなのか、熱心に語ってくれるのも印象的でした。それでも伝えきれない!ともどかしそうにしながら。

鎌田さん聞いたらなんでも答えてくれる鎌田さん。この時は、エスプレッソカップの形や種類について解説中。テンポの良い話し方が心地良くて、おもしろいんです。

初めて訪れたのも10時頃。
マスターの鎌田さんが「ぼく、エンジンかかるのが10時20分くらいからなんですよ。使えるようになるまで時間がかかります。こいつと一緒です。すみません。」と注文したエスプレッソをものすごい速さで淹れながら、話してくれました。
その飾らない言葉をにこやかに話すもので、そこで、一気に鎌田さんの魅力に引き込まれたような気がします。
その後、10時半ごろ入ってきた女性の常連さんとの軽快な会話を少し聞いて、なるほど。常連さんはわかってるなぁ。 

看板青い看板のみが目印。中の様子がわからず、正直入りにくさ満点ですが、鎌田さんが温かく迎えてくれるはず!

そんな溢れる魅力が少しでも伝わるようにと、記事制作中。写真選びも迷いに迷い、(なんせ一日いたから点数が多い!)デザイナーさんにいろんなパターンのレイアウトを出してもらって、検討。せっかくなので、ここでは本誌で掲載できなかった別のカットを。

ビルの奥まった場所にある「プント エ リーネア」。
“ためらいの廊下”と名付けられた通路は、初めてではなかなかハードルが高いかもしれませんが、負けずに奥まで進んでほしいです。
改めまして、鎌田さん、お客の皆様、1日がかりでご対応ありがとうございました! 

■店名
Punto e Linea
■詳細
【住所】大阪府大阪市西区京町堀2-2-11
【電話番号】06-6448-3456
【Instagram】https://www.instagram.com/pane_la_scarpetta/

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Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

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1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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