「とんかつ ますいや」か「とんかつのますいや」か。

「とんかつ ますいや」か「とんかつのますいや」か。

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2023.07.27

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:百々武

地元民に愛されつつ、遠方から足を運ぶ客も多い大阪・今福鶴見の町のとんかつ店が、来年40周年を迎える。夫婦で、食を追求し続ける名店だ。

目次

とんかつと共に歩む40年。 店舗情報

とんかつと共に歩む40年。

9月号とんかつ特集内の<昭和から続く専門店の吟持 ずっと、とんかつ。>は、大阪・京都・兵庫から1軒ずつ紹介する。
このコーナーで求めたのは、“ザ・とんかつ”なビジュアルであること。

大阪の店は、昭和59年創業。
ここのとんかつは、黒い四角皿に乗っていて、キャベツとは別皿に盛り付けられるスタイルだ。
昔ながらの店にしては珍しいが、これも衣のサクッと感を愉しんでもらうためだそう。ザクザクした衣は、全く油っぽくなく、後口がさっぱり。
そして、この店のもう一つの特徴が、お腹を冷やさないように発酵床で育てられた茶美豚のみを使うこと。
ザクっとした衣と、茶美豚の上品な脂の相性がぴったり合う。

「とんかつ ますいや」の茶美豚上質な赤身クセのない脂に惚れ込んだという鹿児島の茶美豚。

常連客の中には親子三代を超え、四代目も来るというほど、地元の方にも愛されるとんかつ店だが、店主の増井康克さんは「自分が納得できるとんかつになるまで30年かかった」という。
もともと西洋料理店(今でいう洋食)で修業したという増井さん。
様々なブランド豚を使ってみたり、修業時の技術を生かして、デミグラスソースをかけたり、創業時はサラダ油だったのをラードに変えたり。
ストイックに追求してきたとんかつは、いまや地元客だけでなく、遠方からもこの味を目指してわざわざ足を運ぶ人がいるほどの人気店に。

「とんかつ ますいや」の店主店主の増井康克さん。奥様の智子さんは食養学などを学び、美味しいだけでない、栄養面のことも考えた調味料などを担当する。

「とんかつ ますいや」のとんかつ特選ロースカツ1700円。サラダにかかる自家製ドレッシングも人気。

「とんかつ ますいや」か、「とんかつのますいや」か。
ネットでは「とんかつ ますいや」となっていることが多い。なんなら、店の公式HPがそうなっている。しかし、本誌では「とんかつのますいや」と紹介している。実はこちらが正解なのだ。
まぁ、それはたいした問題ではない。(と、店主も言っていた)「とんかつ ますいや」でもみんなが求めて訪れる味には変わりない。

■店名
『とんかつのますいや』
■詳細
【住所】大阪府大阪市城東区今福東3-3-23
【電話番号】06-6934-8425
【公式サイト】https://www.masuiya.com/

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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