今月も芸が細かい!9月号「梅田にキタ」
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9月号は、「梅田にキタ」。酷暑の中を歩き回り、梅田・中津・中崎町・天満・北新地あたりを深掘りしてきました。仕上がってみたら、超庶民的な居酒屋からラグジュアリーなレストランまで、なかなかの振れ幅の大きさに編集部もビックリ(笑)。
大阪ゆかりの著名人の〝推し〟は、意外な店ばかり
メインの企画は、大阪にゆかりのある作家やイラストレーターといった文化人に聞く「極私的梅田にキタの12軒」。皆さん、どんなお店に行ってらっしゃるのかしらと思ったら、大衆酒場やラーメン店、カフェ、高級ローストビーフ店など、百人十色で…。
「ロウリーズ・ザ・プライムリブ大阪」(撮影:東谷幸一)
冒頭で登場する強烈なこの店は、実はあまから手帖編集部御用達の居酒屋「はなび」。店内をお経のように埋め尽くす品書きを見て、編集長が「耳なし芳一みたい」と表現したのがうまいなあと思いました。誌面ではメニューしか出ていないけど料理は安くて魚も新鮮ですよ。
営業日がわりとアバウトなので、通りかかった人が「今日やってる!」と喜んで仲間に電話する姿も。(撮影:岡本佳樹)
「はなび」のウインナー山盛り。何気ないけど、妙に旨い。(撮影:岡本佳樹)
担当Kが美食三昧で羨ましかったランチ企画
「ひとりで、お昼を食べるなら」は、ちょっと優雅なランチを紹介するコーナー。担当編集のKが毎日、鰻やら和牛ハンバーグやらフレンチのコースやらをロケハンしているのを見て内心「いーな!」と思っていました。
天満「じん田」の鰻重は、一尾がまるごとご飯を覆っています。(撮影:太田恭史)
中でも「トレーロ タケウチ」の黒毛和牛のハンバーグランチは、「肉汁とチーズが鉄板で爆ぜて、カリカリになったチーズをフォカッチャに付けて食べたらまた最高だった」というコメントを聞いてハラワタが煮えくり返りそうなほど羨ましかったです。1700円なのでそんなにハードル高くないですね。明日行くかな。
「トレーロ タケウチ」の黒毛和牛ハンバーグ。さぞかしワインに合うでしょうね!(撮影:太田恭史)
世界のA氏も通う、おでんの老舗
忘れてはいけない、巻頭企画の「キタにはかんさいだきがある」。創業から78年というおでんの名店「常夜燈」ですが、ここは「美味しんぼ」にも2回登場しているうえ、森繁久彌さんが暖簾の字を書き、さらには世界的巨匠のA氏も懇意にしているのだとか。それが誰かは、本誌を読んで「へええ」と驚いてください。
「常夜燈」のおでんと日本酒。かんさいだきと呼ばれています。(撮影:エレファント・タカ)
余談ですが「常夜燈」の渋いおでんと日本酒の写真を表紙にしたかったのですが、「なんか…冬だよね」となって見送りました。そして大阪を代表するたこ焼きの「うまい屋」が表紙を飾りました。
うまい屋のたこ焼きは、まずはソースなしが定石なのですが…。
「最近のあまからの表紙、芸が細かい」。その通り!
表紙と言えばあまから手帖では、リニューアル後からちょいちょい表紙の加工に力入れています。触って「ザラザラ」「ツルツル」の部分があるのに気づいていますか?
今月号の表紙も同様。もっと言うと表紙は、写真を変えて数パターン候補を作っており、その中から販売部と編集部が相談して最終決定します。
今回もたこ焼きの他に、「はなび」の品書きで埋め尽くされた壁の写真という候補もありました。未公開の表紙アナザーバージョンはコチラ↓。
お蔵入りした「はなび」バージョンの表紙です。
左の隅にいるタヌキ、なんと腹の部分だけツルツル加工が施されています。ほかはザラザラです。どんだけ芸細かいねん!
分かりますか!? タヌキの腹だけツルツルな質感!
編集部でも「このタヌキの腹、いつまでも触ってたいよねえ」とタヌキ推しの意見もあったのですが、たこ焼きはたこ焼きでソースだけツルツル加工されており、まるで3Dのような立体的な仕上がりに!
結局、いろいろな意見を鑑みてたこ焼きになったというわけです。
たこ焼きのソースだけツルツル加工。驚くほどの立体感が出ました。
皆様、ぜひお買い上げいただき、たこ焼きのソースのツルツルっぷりを指で確かめて下さい。
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo