鮨屋のガリに一家言。だったはずが…
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鮨の箸休めとなるガリ。まさに縁の下の力持ち、脇役中の脇役だが、実際、鮨が旨い店はガリも旨い。引いては、ガリが旨い店こそが名店である。と、個人的には思いたい。
鮨屋のガリに一家言。だったはずが…
鮨店の善し悪しを判断する基準は人それぞれあると思うが、いつの頃からか、信じて疑わなくなったのがガリの味による判別。小山のようにこんもり盛ってくれるガリを食べ尽くしてなお、お替わりとなる店は大抵旨い。逆にお替わりとならない店に二度目はない。
すべては好みであり、自分ルール。
しかし、大阪・肥後橋に今秋誕生したばかりの「鮨・肴 愛宕」では少々イレギュラーな事態に。いつものようにガリのお替わりをもらったのだが、それがあまりの美味しさだったため、店主の愛宕 彰さんに聞いてみたくなった。
単刀直入に、「ガリってどうしているんですか?」と。
こちらは当然、どこそこのショウガを使って、こんな塩梅の酢を使ってじっくり漬けてみたいな話を期待していたのだが、
なんと、
「買ってます!」
と、堂々と言い放つ店主。
「えぇ~~~~~~~~~~~~っ」と思わず大きな声が出る。
買っている? そんな回答がかつてあっただろうか。いやない。これほど旨い鮨をにぎる店主のこと。当然、ガリにも一家言あるものと思っていたのに……。
「既成品で3つくらい買って、味見した結果、これだ!と思いました。誰が食べても、ほぼほぼ全員が全員、旨いというやつです」
それにしても、既製のガリでこんなに旨いやつがあるとは。
そして思う。そもそも既製品を使ってなにが悪いのかと。
感度のよいセレクト眼も裏を返せば、味覚センスのよさにほかならない。
「聞かれればなんでも正直に答えます」と笑う店主。
垣間見える自信に、嫌味がないのもまたいい。
あまから手帖12月号でも紹介しているが、
とろけるような食感のイカのにぎりがまた食べたい。
もちろん、例のガリをはさみつつ。
■店名
鮨・肴 愛宕
■詳細
【住所】
大阪府大阪市西区土佐堀1-1-14 R10土佐堀
【電話番号】
☏06-6616-8550
17:00~23:00(LO)
月曜休(祝日の場合は営業、翌日休)
肥後橋駅から2分
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo