六甲道のうちなーそばは優しかった

六甲道のうちなーそばは優しかった

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2023.11.30

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:山口謙吾

沖縄そばの麺は小麦粉と塩水、かん水を使用して作られているが、昭和30年頃までは、かん水の代わりに「木灰(もっかい)」が使われていた。

目次

昔ながらの「木灰そば」を知っているか。

昔ながらの「木灰そば」を知っているか。

木灰とは、ガジュマルなどの木を燃やして作られた灰を水に浸し、そこから出た上澄み液のこと。六甲道にある「木灰そば 太陽人」では、今もこの製法で麵が作られている。

本枯鰹節で出汁を取ったあっさり塩ベースのスープは、キラキラと澄んでいる。徹底的に塩分と油分をカットしており、完飲しても罪悪感のない優しい味わい。

別皿にて登場する軟骨ソーキは、コラーゲンたっぷりのふるふる食感。泡盛や醤油で甘辛く煮込まれた神豚が、スープと麺を進ませる。ソーキといえばそばの上にのって提供されるイメージだが、きっと最初のひとくちは、この澄んだスープをそのまま味わって欲しいという、自信と配慮の表れだろう。現地に行かずとも、“沖縄そばの正解”に神戸で出合えてしまうとは。

木灰そばは単品なら390円。胃にも財布にも優しい。優しさに飢えている人はぜひ。

「太陽人」の木灰そば「木灰そば お好きな肉」850円。軟骨ソーキもしくはレアチャーシューなど、日によって選べる肉は変わる。

■店舗情報
兵庫県神戸市灘区深田町4-1-39 メイン六甲126
☎内緒

『あまから手帖』12月号鮨こそすべて。

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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