『京都米粉スイーツ専門店 BEIKA』おいしさで選びたい米粉シフォンケーキ

スイーツを心から愛する京都人、ライター・小林明子さんがときめいたおすすめの最旬スイーツをご紹介します。 今回は、“グルテンフリーだから”選ぶのではなく、“おいしいから”選びたい、そんなシフォンケーキを。

元公務員が作る、生産者目線の米粉スイーツ

京都府庁に約10年間勤め、主に産業支援を行っていた小泉 倫(りん)さん。食品メーカーや生産者と関わるうち、第一次産業の課題について考えるようになった。

「特に稲作は担い手も少なくなる一方で、一度休耕田にしてしまうと元に戻すことは難しい。消費者が何を求めているかも大事だけれども、生産者が米を作り続けることができるよう、何をどうやって消費者に届けるかを考えていかないと、との思いに至りました」。

そんななかで思いついたのが米粉を使うシフォンケーキなどのスイーツ。「アレルギーがあるから仕方なく」ではなく、「おいしいから食べたい」と思ってもらえる商品作りをコンセプトに掲げ、2024年9月に『京都米粉スイーツ専門店 BEIKA』をオープンさせた。

丹波の生みたて卵とロボットが育てた米の粉で

小さい頃の夢はパティシエだったため、公務員時代もお菓子作りを続けてきた小泉さん。看板商品であるシフォンケーキの味を決める大事な要素のひとつである卵を選び抜き、兵庫県で新鮮なエサを与えられた鶏が生んだ卵を取り寄せている。

米粉は宮崎県延岡市産。京都市のロボット開発会社『テムザック』が手がける、タネ播きから稲刈りまでにロボットを活用して育てた米の粉を使っている。これは、稲作の担い手が少なくなるからこそ、人手不足でも収量をあげられる手立てがあることを広めたいという思いもあるのだそう。

こうして米や卵の風味がしっかり感じられるふわふわのシフォンケーキが完成した。
「意識の高い人やアレルギーがある人はもちろん、一般の方にも米粉スイーツの魅力を知って、気軽に楽しんでほしい」という小泉さん。マフィンや焼きドーナツのレシピ開発にも取り組んでいる。

『BEIKA』のシフォンケーキ
シフォンケーキは全7種。一切れの価格はプレーン350円、チョコレート390円、抹茶370円。ほか、アールグレイやレモンヨーグルトなどが日替わりで登場する。
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writer

小林 明子

kobayashiakiko

京都在住フリーライター。缶入りクッキー、ワッフル、薯蕷饅頭、そば餅…、これらの名店に徒歩で行ける京都市の烏丸御池近くに生まれる。自動的に甘いもの好きが出来上がりました。