
大分『界 別府』で、めくるめく湯の街あそび
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心ときめく温泉ワンダーランド
「あ~、失敗した!もう一回!」。作務衣姿のご夫妻が、何年ぶりであろう輪投げに一喜一憂。腰掛に座って屋台で手に入れた熱々辛旨な地獄ラーメンを啜るお姉様方や、売り歩きの葛アイスに興味津々のお兄さん。まるで昭和の温泉街にタイムスリップして夜歩きしているようなワクワク感に、誰もがはしゃいでいます。
日中は海面煌めく別府湾を眺めながら足湯に浸かれるしっとりムード、毎晩21時15分からは湯治ジャグバンドなる観客参加型のショータイムに、会場が一体となって大盛り上がり。
‟ドラマティック温泉街“という宿のコンセプトの下、温泉旅館『界 別府』の「湯の広場」は、季節や時の移ろいと共にクルクルと様相を変えていきます。
「別府温泉は日本一の源泉数と湧出量を誇る歴史ある湯治場。当館では宿に居ながらにして、その趣を多彩にお楽しみいただけます」と、逗留の醍醐味を語るのは総支配人の松嶋 勇さん。
内装には竹や杉の自然素材のほか、別府石や臼杵(うすき)焼き、豊後絞りといったご当地素材をふんだんに使用。石畳を敷いた廊下は路地歩きの演出で、一度屋外に出てから向かう湯小屋風の大浴場は、外湯気分を誘う仕掛けだそうです。
豊後の海と文化の香り漂う夕食
別府湾が目の前という立地を最大限に生かした魚介中心の夕食「豊後鍋とりゅうきゅうの会席」は、地元文化を織り込んだ構成です。
豊後水道でよく獲れる昆布科の海藻・クロメとフグ皮のポン酢和えは、飛び鉋(カンナ)模様が美しい大分の伝統工芸品・小鹿田(おんた)焼きで。サワラや鯛など旬魚のお造りは湯桶に盛り合わせるユニークなスタイルで登場。地元の甘醤油やカボスをギュッと搾っていただくと、ああ大分に来たなという味になります。
伊勢エビやハマグリが入った贅沢な豊後鍋は、カツオ昆布だしと鶏だしを合わせた鍋だしが厚みある旨みの秘訣だそう。締めくくりは、旬魚を甘辛いタレに絡めた大分の漁師飯「りゅうきゅう」を白ご飯にのせていただくご当地飯。味変に鍋だしをかけて海鮮茶漬け風にいただけば、思わず吐息が漏れるほどの旨みが舌に押し寄せます。
海を感じるご当地部屋‟柿渋の間“
ご当地部屋と呼ばれる客室は、景観をできる限り生かし、地元文化を随所に取り入れているのが大きな特徴。別府湾が一望できる大判ガラス「ピクチャーウインドウ」を採用した客室‟柿渋の間“は、窓外の紺碧が映えるようにとあえて柿渋色にした壁色が印象的。別府の名所、血の池地獄の赤からも着想を得たそうです。
潮騒に耳を傾けながら客室の露天風呂を堪能した後は、「本格焼酎ディスカバリー」なる体験イベントで手に入る、麦焼酎シロップしみしみのサバランや臼杵せんべいをつまみに、大分産の麦焼酎「時の旅人」をロックでゆるゆると過ごすのがおすすめ。甘いマリアージュが、焼酎の新たな扉を開いてくれます。
明朝は、豊後絞りを使った別府温泉しぼり体験のほか、ぜひとも温泉街にもお出かけを。愉快で素敵な温泉天国は、とことんアグレッシブに過ごすのが、正解です。
data
- 店名
- 界 別府
- 住所
- 大分県別府市北浜2-14-29
- 電話番号
- 050-3134-8092(界 予約センター)
- 営業時間
- in15:00~、out~12:00
- 料金
- 1泊2食付32000円~
- 交通
- JR別府駅から徒歩10分、または大分空港から車で約60分。
- 備考
- ※このページに掲載の内容は2025年8月時の情報です。
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