那智勝浦の旅②ザ・昭和!な温泉テーマパーク『ホテル浦島』は今こそ行くべき

関西人なら誰もが知っている和歌山・那智勝浦の『ホテル浦島』。70年の歴史を有し、華やかな高度成長期リゾートの面影を残す、今や貴重な温泉テーマパークです。実は2026年8月中旬(予定)にかけて、大幅なリニューアル工事を実施中。改装は一部ずつ進められますが、昭和感満点のムードを味わえるのは今のうち。ザ・昭和な『ホテル浦島』への旅をご紹介します。

島全体が温泉テーマパーク

創業は1956年というから、2026年で70年周年を迎えることになります。令和になりデジタル化を進めるホテルも増える中、『ホテル浦島』は“昭和”を貫き続ける貴重な温泉ホテル。訪れる側としては魅力的ですが、老朽化もあるため、2025年から段階的にリニューアル工事を進めています。ガラリとは変わりませんが、客室フロアやレストランなどが現代的にイメチェンするそうです。

『ホテル浦島』は、その名の通り「島」のような場所にあります(正確には岬ですが島と呼びます)。この島全体がホテルであると表現しても過言ではなく、東京ドーム約4.5個分の敷地に345室を備えたホテル棟がそびえ、山頂遊園や展望台なども備えた一種のリゾートアイランドです。

対岸の勝浦港から連絡船「浦島丸」がピストン運航しており、ここからもうエンタメ感たっぷり。島に近づくとその威容に「鬼ヶ島……!」と圧倒されてしまいますが、鬼はおらず愉快な温泉リゾートなのでご期待を。ホテルは「本館」「山上館」「日昇館」「なぎさ館」の4館から成り、山頂にある客室からは朝日や夕日が見え、絶景の宿としても知られています。

『ホテル浦島』船からと連絡舟
島まるごとホテルの敷地!狼煙山の頂上にも客室棟がある。右は、勝浦港とホテルを10分程度で行き来する可愛い船。
10
『ホテル浦島』の夜景
10

エスカレーターがもはやアトラクション

一番高い海抜80mの場所にある「山上館」へと向かうエスカレーターが凄い。全長154m、高低差77m。一直線ではなく3本を乗り継ぎますが、下から上まで5分45秒もかかります。大阪で一番長いとされる住之江公園駅(四つ橋線)のエスカレーターでも40m程度なので、いかに長いかが分かりますね。

『ホテル浦島』のエスカレーター
正式名称は「スペースウォーカー」。下を見るとけっこう怖い。
10

絶景の夕日スポットでもあります

エスカレーターの頂上手前で「狼煙山遊園」に出ることができます。ちょっとミステリアスな階段を登ると、異世界に続くような鳥居があり、その先を進むと大海原を眼下に望む展望スポットが。ここから勝浦の町並みと、朝日や夕日をパノラマで眺めることができます。

『ホテル浦島』の「狼煙山遊園」
山上館から狼煙山遊園に行けます。
『ホテル浦島』の夕景
岬になっており内海と外海を眺められるので、朝日と夕日の両方が楽しめます!
10

本物の洞窟でいい湯だな♨

ホテル浦島の名物といえば、「洞窟温泉」です。くれぐれも間違えないでください、“洞窟風”ではなくて本物の洞窟なんです。海に迫り出した岬の岩層が荒い風波に浸食され、間口25m奥行50m、高さ15mの天然洞窟となり、地底からの熱い湯が湧出して溜まったのが始まり。

「忘帰洞」(本館)と「玄武洞」(日昇館)がありますが、どちらも実際に入浴してみると予想以上に洞窟そのもので、打ち寄せる荒波や大自然そのままの岩肌に「うわあ」と思わず声が上がります。

『ホテル浦島』の洞窟風呂
洞窟温泉「忘帰洞」。大正時代に紀州藩・徳川頼倫により『帰るのを忘れさせるほど心地よい』との意から名付けられたとか。
10
『ホテル浦島』の洞窟風呂
男湯と女湯は時間で入れ替え。
10
『ホテル浦島』の洞窟風呂
「玄武洞」の女湯
10
『ホテル浦島』の洞窟風呂
洞窟内は複雑に入り組んでいます。
10

窓の外は地底⁉館内もスリリング

建物自体も迷路のようでスリリング。ホテルそのものが山を切り崩して作られているので、建物同士をつなぐ廊下は山中を掘ったトンネル。窓からすぐそばに見える岩から水が滲み出す光景も見え、「ここは地底なんだ……」と実感させられます。

ホテル浦島のレトロスポットとして人気なのが、本館からなぎさ館に向かう廊下にある「ゲームコーナー」。今時あまり見ないメダルゲーム機やモグラたたき系マシーンなども置かれ、子供のように熱中してしまいます。

『ホテル浦島』の廊下
長い廊下は山の中を掘ったトンネルなので、窓のはすぐ岩!
10
『ホテル浦島』のゲームコーナー
温泉に欠かせないゲームコーナー。ジオラマも「昔あったな~」と懐かしくなりますね。
10
『ホテル浦島』のカラオケ
初期のカラオケボックスってこんなでした。
10

生マグロの町ならではのバイキング

もちろん、食の楽しみも存分に。料理は「熊野cuisine」をコンセプトに2024年7月にリニューアルし、プランによって「バイキング」「バイキング+メイン」「会席料理」から選べます。

バイキングは、毎日開催するマグロ解体ショーを目玉に、メバチマグロやキハダマグロをあの手この手で提供。寿司や刺身はもちろん、「まぐろメンチミニバーガー」、マグロの角煮をひつまぶし風に味わう「うらしま飯」、マグロカレーなど多彩なメニューが登場します。

マグロ以外にも、隣町・串本町の伝統漁法「ケンケン漁」で獲れるカツオ、ウナギ、ブリヒラ、熊野七宝キクラゲなど、熊野地方や熊野灘など地元の食材を中心に使用。海鮮、肉類、色川地区の無農薬野菜、調味料も地元のメーカーにこだわっています。

『ホテル浦島』のバイキング
バイキングの一例。和洋中60種ほどのメニューが並びます。
10
『ホテル浦島』のマグロ解体ショーとうらしま飯
マグロ解体ショーは「なぎさ館」「日昇館」の夕食バイキングレストランで開催。生マグロのモチモチ感には驚かされます! 右は、ひつまぶしのように味わう「うらしま飯」。
10

レトロなムードを味わえるのは今のうち

「ホテル浦島、懐かしい」と昔を思い出す人も多いと思いますが、2026年8月にはリニューアルを終えるため、ザ・昭和なリゾート感を味わえるのも今のうちかも⁉ ちなみに、グループホテルの「万清楼」は食に特化した料理旅館としてすでにリニューアルしているので、こちらも併せて訪ねることをお薦めします。

writer

amakara.jp編集部

amakara.jp

関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。