子どもとごはんvol.18:子連れで幸せ焼肉『天壇 祇園本店』離乳食、授乳ケープまで!

子連れでの食事は、行き先を選ぶもの。連載「子どもとランチ、ときどきディナー」では、お子さまウェルカムなお店をご紹介。
今回訪れたのは、まだ「焼肉」という言葉すら一般的でなかった1965年に「大陸バーベキュー」の名で創業し、京都の焼肉文化を牽引してきた『天壇 祇園本店』。2025年にお子様メニューのリニューアルを行い、なんと離乳食まで登場!? 感動必至のお子様メニュー全貌をご紹介。

2025年、ファミリー向けサービス変革始動

『天壇』といえば、醤油ベースの甘辛い“もみだれ”で味付けした目利きの肉を焼いてから、牛骨スープと酢などを合わせた “洗いダレ”でさっぱりいただく食べ方のパイオニア。京都市内や東京を中心に13店舗展開し、京都っ子が大好きな老舗だ。

しかし「老舗の上質焼肉店」や「子連れで焼肉」と聞くと、小さな子どもがいる家族にとっては、子どもが騒ぐ心配や子どもに食べさせるメニューの有無など、ハードルが高いもの。そんな不安から、焼肉に足が遠のく時期があるのは想像に難くない。

ところが『天壇 祇園本店』では2025年から、パパやママが持つ不安を根底から覆すような大きな取り組みをスタート。それが、子ども連れの家族を心から温かく迎え入れるためのサービス改革だ。

カスタマイズできるキッズメニューが登場

その改革こそ、キッズメニューのリニューアル。
「それまではチキンライスや焼飯といった通常メニューのハーフサイズを用意しており、あくまでも大人の一品をお子様へ、という考えだったのですが、お子様が主役のメニューを揃え、年齢に合わせた選択肢を広げました」と話すのは広報の春日尚也さん。

例えば幼児向けの「キッズプレート」には、子どもが好きな焼飯やハンバーグ、ウィンナーやコーン入りのチヂミ、フルーツ、ジュースがワンプレートに。 食育の観点からハンバーグにはタマネギのみならず、細かく刻んだ複数の野菜を練り込み、好き嫌いのある子でも栄養が摂れるよう工夫。

天壇ジュニアプレート
天壇ジュニアプレート1500円。写真は1100円の通常の内容に、プラス400円で肉がロースとカルビ2種類になるカスタマイズをしたもの。冷麺またはそぼろ丼なしのセット880円もあり。
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牛肉を食べられる子どもに向けた「ジュニアプレート」には、大人と同じ和牛ロースを子どもが食べやすい薄さにスライスし、辛さのない特製の甘口もみダレで優しく味付け。
サイドメニューにはコーンチヂミやウィンナー、フルーツに加え、冷奴や3種の野菜のナムルが盛られ、野菜のナムルを食べられない子どもには「バターえだまめコーン」に変更できるありがたいサービスも。

その他、シメは香り高い自家製手打ち麺に牛骨スープを合わせた名物をミニマルにした「ジュニア冷麺」または「そぼろ丼」を選べたり、肉がもっと食べられる子どもにはプラス料金で肉を増やす選択肢もあったりと、痒いところに手が届く自在なカスタマイズに感激必至だ。

野菜ハンバーグ然り、ナムル然り、ナムルの代わりのバターえだまめコーン然り、「なんとか野菜も食べて欲しい」という親心に寄り添ってくれる内容がとてつもなく嬉しいのだ。

さらに「オムライス」や「チキンライス」「うどん」「クッパ」「スープ」など、単品のキッズサイズも多数。子どものあらゆる好みや偏食も「どんと来い」という気概が見える。

単品
単品も充実。子どもが大好きなバターやコーンが入り、栄養も摂れる「バターえだまめコーン」330円。器に触れても火傷しないよう、別の鍋で作ってから写真のようなココットに盛っている細やかな配慮が隠されている。
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店内
祇園本店は2階が国産牛を単品でいただく気軽なフロア、3階は銘柄牛を炭火ロースターで楽しめるラグジュアリーなフロア、4階は最大130名まで入る宴会フロアと、フロアごとに設えやサービスが異なる。
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完食が楽しくなるデザートチケット

食事が終わった後にも、子どもたちを笑顔にする仕掛けが。それが「デザートチケット」だ。

「プレートを全部残さず食べたら、チケットでデザートと交換できる」というルールが、子どもにとって食事を「頑張ってクリアする楽しいゲーム」に変え、好き嫌いがある子も一生懸命食べられるきっかけに。チケットではプリンなどと交換してくれるという。

月齢に合わせたベビーフードまで!

こうした感動は、キッズメニューだけではない。なんと月齢に合わせたベビーフードも各種用意。

パッケージが自立し、お皿に移さずそのまま食べさせられるのも衛生的で実用的。そのため、柄の長いオリジナルスプーンがセットに。
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取り揃えるのは安心・安全なベビーフードを作る滋賀県のメーカー『はたけのみかた』によるベビーフード「manma」。環境に配慮して作る滋賀県産の旬野菜を、アレルギー物質が混在することのない専用の自社工場で製造。

医師と管理栄養士がタッグを組んで開発したもので、子どもの成長に合わせたテクスチャーや野菜のカット、味つけのベビーフードを5、7、9ヶ月用のバリエーションが。

子ども用の荷物が少しでも減るのがありがたく、「手ぶらで来られる」と評判だという。

キッズルーム
キッズルームは本店の内装をリニューアルした2011年に設置。靴を脱いで遊べるスペースで、待ち時間や、泣き出した子どもをあやす時などに重宝。週末にはアニメが流れていることも。
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パパ・ママ社員のアイデアを結集

こうしたサービスのきっかけは、三世代や親子で、さらに次世代の方々にも通ってもらえるようにと約2年前から取り組んだ「キッズプロジェクト」。『天壇』の小さな子どもを持つパパやママスタッフが集結し、親目線のメニューやサービス改革が行われた。

うっかり離乳食を忘れてしまった時の焦りや人目を気にせず授乳できる場所を探す苦労、落ち着きのない幼児を飽きさせないための工夫など、「本当に嬉しいサービス」を形に。だからこそ、前代未聞の離乳食の提供や授乳ケープの貸し出しまで、行き届いた配慮に感動するのだ。

カトラリー
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リニューアルした当初『天壇』のメニュー表にはこう書いたという。

「お子様が散らかしたテーブルや床の食べこぼしはそのままでお帰りください。パパやママも、天壇にいらした時ぐらいゆっくり楽しんでください」と。

その想いが、そこここに表れている『天壇 祇園本店』。“子連れで焼肉”のハードルがぐっと下ったことは間違いない。

子連れに嬉しいポイントまとめ

・月齢別の離乳食がある
・子どもメニューが複数ある
・子ども用カトラリーあり
・バンボやローチェア、ハイチェアなど各種お子様椅子あり
・トイレにおむつ替えシートあり
・授乳ケープの貸し出し
・キッズルームあり
・駐車場が1階(雨の日でも傘をささずに、子どもと荷物を抱えて入店できる!)

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