「リゾナーレトマム」、産直過ぎるミルクのジェラートと秋のディナー
コンセプトは “美しい組み合わせ”
「OTTO SETTE TOMAMU」は、鈴木將平料理長が、イタリアのピエモンテ州やリグーリア州などの郷土料理を北海道の食材で表現する端正なレストランだ。
コンセプトは、“美しい組み合わせ”を意味する「Bella Combinazione(ベッラ コンビナツィオーネ)」。旬の食材同士やイタリア郷土料理との掛け合わせ、地元の生産者との協力など、多彩な組み合わせによって、新しいおいしさや、ここだけの味を創り出している。
「ファーム星野」のミルクとコラボ
地元の食材が生み出す華やかな料理が次々と提供されるなかに、ヨーグルトのかかったヴェルッタータ(スープ)、パンと共にマスカルポーネ、ホエイと合わせたモクテルなど、ミルクを使ったメニューが鮮やかに織り込まれている。その真打が、シグネチャーでもあるミルクジェラートだ。口に含むと、ミルクのコクと優しい甘さが余韻を舌に残しながら、ゆっくりと溶けていった。濃厚というよりも軽やかで、お代わりOKというサービスに甘えて、何個も食べたくなるおいしさ。実はこの味、この季節だけのものだという。 その理由は、使われている「トマム牛乳」にある。
牧場に潜入。“ブレも個性”なミルクジェラート
実はリゾナーレトマムと同じ敷地内には、約100haの広大な牧場があり、この「トマム牛乳」はそこで放牧されている牛たちからの恵み。こだわりの牛乳が作られるファームを訪ねた。
案内してくれたのは、乳牛を育て、堆肥でまた牧場を豊かにするという循環型農業を目指したプロジェクト「ファーム星野」のリーダー・宮武宏臣さん。牛の管理から、牛乳・乳製品の生産・加工・出荷にまで携わるパワフルな人だ。
この牧場では、ホルスタイン、ジャージー、ブラウン・スイスという3種の乳牛を全50頭放牧しており、それぞれ異なる味の牛乳をブレンドして「トマム牛乳」を生み出している。牧場の近くに搾乳用の牛舎があり、お隣が牛乳工場、さらにその隣がチーズ工房と、とにかくすべてが近い。だからこそ、搾乳の翌日という抜群の鮮度で、星野リゾート トマム内の各施設へ届けることができる。
「牛乳は子牛のもので、人間のためのものではありません。だから、夏は喉が渇かないようにさっぱりとした味に、冬は冷えないように脂肪が多くなる。それが放牧だと顕著に出るんです」と宮武さん。それに対し鈴木シェフは、「一般的には均一な味を求められることもありますが、僕たちはそのブレを個性として捉えています。だからジェラートのレシピはずっと同じ。牛乳の味が変わっても砂糖で調整したりはしないです」。
そう、あのジェラートは、訪れる季節によって味が違う特別な一皿なのだ。
秋のコース、主役は「ELEZO」の鹿肉
「素材を生かす料理を」というシェフの哲学は、秋のメイン「鹿肉と葡萄のアロースト」にも表れている。「秋の鹿は、冬に向けて栄養を溜め込むので、旨みも強い。旬のブドウと合わせたら間違いないと思いました」とシェフ。
扱う鹿肉は、信頼する豊頃町の食肉料理人集団「ELEZO」から、旨みと柔らかさのバランスの良い2才のメスの熟成肉を仕入れている。塩・コショウを振ったら表面をフライパンで焼き、休めてオーブンと予熱でふっくらと火入れ。ブドウはセミドライにして味を凝縮。それらのまとめ役にと、ミルクで炊いただけの根セロリのピュレを敷いた。仕上げはスパイスとスーゴ・ディ・チェルボ(鹿のだしのソース)で。その工程は、本当にシンプルだ。だからこそ、噛むほどに力強い旨みが溢れる鹿肉、フレッシュさを残したブドウ、爽やかな根セロリと、素材そのものの味が一体となり身体に伝わってきた。
北海道や「ファーム星野」の味をほかでも
ビュッフェやワインハウス、秋限定のアフタヌーンティーなど、リゾナーレトマムで北海道や「ファーム星野」の味に触れる機会はほかにも。ぜひ連泊して、滞在スケジュールに組み込んで。
data
- 店名
- リゾナーレトマム
- 住所
- 北海道勇払郡占冠村中トマム
- 電話番号
- 0167-58-1111(代)
- 営業時間
- in15:00~、out11:00
- 料金
- 1泊2食付26100円~
- 交通
- 新千歳空港から車で約100分、JR新千歳空港駅から約90分 ※JRトマム駅から無料送迎バスあり。
- 備考
- ※このページに掲載の内容は2026年8月時の情報です。
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