世代とジャンルを越えて食の未来をつなぐ。 「辻󠄀学園コネクト」発足記念座談会をリポート
卒業生、在校生、教職員と業界を結ぶ、新たなネットワーク
大正6年(1917年)の創立以来、数多くの料理人を輩出してきた調理師専門学校『辻󠄀学園』。
来年で110周年を迎える節目を前に、卒業生・在校生・教職員、そして飲食業界を結ぶ新たな同窓ネットワーク組織「辻󠄀学園コネクト」が発足した。
去る10月20日、大阪中之島美術館にて開催された発足記念座談会では、卒業生でもあり、日本のガストロノミー界を牽引するトップシェフらが集結。次世代を担う調理師専門学生や卒業生、食を愛する来場者へ向け、熱い言葉が交わされた。
技術の先にあるプロの視点
会長を務める『リュミエール』の唐渡泰さんをファシリテーターに、ステージには錚々たる顔ぶれが並んだ。
その面々は、『Fujiya 1935』の藤原哲也さん、『エルポニエンテ』の小西由企夫さん、『リストランテ アクアパッツァ』の日髙良実さん、『空心 伽藍堂』の大澤広晃さん、『ヒルトン大阪』の百田利治さん、そして名誉会長として登壇したフランス料理界の重鎮・上柿元勝さんだ。
座談会では「学生時代の原点」「現場で求められる力」「食の未来」をテーマに、議論を展開。
藤原さんが「整理整頓や清掃といった基本の徹底が料理への信頼になる」と説けば、小西さんは「結果を焦らず、まずは持続力と体力を持ってコツコツ向き合うことが大切」と職人の基本姿勢を語った。
また、大澤さんは「料理を作るだけでなく、客の満足度と価格のバランスを常に意識すること」とプロとしての視点を提示し、百田さんは「人に喜んでもらう前に、まずは作っている自分自身が楽しめているかを大切にしてほしい」と若手の背中を押した。
料理人の使命と次世代への責任
ひときわ会場の空気を引き締めたのが、今年フランスの最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章を受章した上柿元さんの言葉だ。
1974年に単身フランスへ渡り、数々の苦難を乗り越えてきた経験を振り返りながら、料理人としての心構えを力強く語った。
「料理とは自然の恵みに感謝し、理論や技術を尽くして人を喜ばせること。“万事、困難は己の心中にあり”という言葉があります。世の中や周囲のせいにするのではなく、すべては自分自身。先輩方に敬意を表し、人に恩を返す。過去の実績を忘れ、今自分に何ができるか、人の役に立てるかを問い続けることが原点です」
さらに環境問題や食品ロスにも触れ、「私たちは地球をお借りして生きている。美しい地球を次世代へ引き継ぐため、料理人も自然環境に目を向けなければならない」と、次世代への責任を投げかけた。
また「かつて辻󠄀学園の紹介で、アラン・シャペル神戸で働き、上柿元ムッシュに引き上げていただいたご縁が今につながっています。料理は人と人を結びつける仕事」と、世代やジャンルを越えた縦と横のつながりこそが業界を支える力になると語ったのは日髙さん。
単なる親睦にとどまらず、現場のリアルな知恵や技術を継承し、若手を支える新たな架け橋として、今後さまざまな取り組みを行う「辻󠄀学園コネクト」。今後の展開に期待が寄せられる。
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- 備考
- 【辻󠄀学園コネクト内容・辻󠄀学園に関するお問い合わせ】
学校法人三幸学園 辻󠄀学園調理製菓専門学校 辻󠄀学園コネクト事務局
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満1丁目3-17
TEL:06-6367-1261
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