『福寿園CHA遊学パーク』後編/挽いて、点てていただく石臼体験

お茶にまつわる様々な体験プランが用意されている『福寿園』の「CHA遊学パーク」にて。宇治茶作りをタイケンした後、人気の石臼体験を“おかわり”。自分で挽いて、点てたお茶の味はいかに?

関西在住のアラフォー編集者・おばやしが体験型施設に潜入し、 全力レポする連載「タンケン!タイケン教室」。 京都・木津川よりお届けする第11回・後編、スタート!

石臼を挽いてお抹茶をつくる

「碾茶(てんちゃ)」を石臼で挽くと抹茶が出来上がる。ここまで来たなら、それもタイケンしてみたいではないか。

そもそも「碾茶」とは…ですよね?

「京都府が一大産地の、抹茶の原料となる茶葉です。日光を遮って栽培することで旨みと甘みを引き出すので、抽出するのではなく茶葉そのものをいただきます」。

たしかに抹茶ってそのままいただきますね。
YouTubeを見ていると、日本好きの海外の人たちがこぞって抹茶を点てて、早朝から抹茶ラテ飲んでる。アレちょっと憧れる。

茶葉を、オーブンのような機械で乾燥させ、薄く加工して細くカットしたものが碾茶。上臼と下臼で碾茶をすり潰す仕組みで茶葉を挽き、お抹茶にしていく。結構チカラのいる工程で、二の腕のたるみが取れそう?
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上部の穴に碾茶を入れて石臼を回すと、サイドの切り込みから粉となって出てくる仕組み。
竹の柄を持って、反時計回りに回す…想像よりだいぶ重い。かける体重は人並み以上はずなのに、エクササイズに近い(運動不足)。
「ミキサーなどで高速でひいてしまうと、熱が加わりすぎる一方で粗かったりします。石臼は、力の加減や熱の加わり方がちょうどいいんです。宇治茶の抹茶は、工場の機械でも石臼を使っているんですよ」。

で、出てきた!抹茶の登場である。

10分ほど(全力で)回させてもらい、刷毛で集めてみたが、一服をするお抹茶一杯分に満たなかった…。
機械でも1時間で30~40gしか取れないらしいから、それはそれは貴重なものだ。

ふだん何気なく飲んでいるお茶って…。宇治茶に教わることは多い。

作法を学びつつ優雅に一服

手塩にかけた貴重な抹茶をふるいにかけて、次はお抹茶を点てる。

茶碗に茶杓2杯の抹茶を入れたところに、お湯を60ml。
茶碗を押さえつつ、茶筅を数字の「1」を描くように高速で動かして泡立てていく。くぅ~これまた、なかなかの手首運動。大きな泡を潰すイメージで細かい泡にしていく。

続いて、お作法。
「右手で取って、左手にのせる。持ち替えていただいて、感謝をして、お茶碗を2回、正面を外すように回します…」と、講師の井上ゆかりさんが教えてくれる。 昔やったことあるけど、全然覚えてないな…あゝ情けなや。
がしかし、自分の点てたお抹茶と、お茶菓子はおいしい。
外に広がる緑を眺めつつ、しばし大人の嗜みタイム。

お抹茶を点てる際は「思っているより2倍の速さで」手首のスナップをきかせるのがポイントらしい。「茶道は日本人がいいと思ったものが詰まっています」と講師の井上さん。この日のお茶菓子は抹茶わらび餅と抹茶づくし。
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次回は茶摘みもやりたい!~予約方法~

清々しい気持ちになった帰りには、施設を囲むように広がる茶園を歩かせてもらった。
シーズンに行われる茶摘み体験が人気だが、茶を摘まずとも、歩いているだけでもなんだか気持ちがいい(とにかく暑いけど…)。

ここでは、煎茶用品種や玉露・碾茶用品種、紅茶用品種といった約100品種以上のお茶の木が栽培されており、研究や観光で用いられている。

様々な形や大きさの茶葉が美しい。茶畑にて、お茶の実発見!体験を行うスクール室にはショップも併設。
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今回紹介した2つの体験だけでなく、他にもお茶にまつわる様々なプランが用意されている。
秋ごろに再開する茶摘みなど、お茶を丸ごと知って、味わう貴重なタイケンをぜひ。

体験名:石臼体験
料金:1980円
定員:~30名(要予約)
予約はこちら

茶摘みスタイル
絶対着たい茶摘みスタイル。希望すれば帽子とカゴを貸し出してくれます。
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連載「タンケン!タイケン教室」

関西の人気の体験型施設に潜入し、全力レポする連載「タンケン!タイケン教室」

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writer

おばやし零余子

obayashi

兵庫県宝塚市在住の独身アラフォー編集者。酒と酒場好きで、年々大きくなる身体に危機感を覚え山登りに目覚めるが、一向に痩せる気配なし。最後の晩餐は雑煮。