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【下山go酒場】三徳山・投入堂の修行登山後、倉吉のクラフトビールに酔う/前編

「登山の後の一杯は、登頂にも勝る至福の瞬間!むしろそれ目的に山に登る」と語る“酒飲みハイカー”ミツルさんとアラフォーの自称山ガール・おばやしが、初心者向けトレッキングと「下山後すぐに酒が飲める店」を訪ね歩く。
今回は少し足をのばして、鳥取県三朝町にある三徳山を目指す。三徳山と言えば絶壁に寄り添うように建つ国宝・投入堂が有名。そこへ繋がる登山道は、修験道の修行の地。前編では悟りを開く険しい修行登山を経て、麓の「三朝温泉」で汗を流す。後編では、隣町の倉吉で下山後の一杯を目論む。

【下山後酒場3箇条】
1.遅くとも16時から営業している。土日祝日のみの営業でも可(下山するのはだいたい夕方早めだからね)
2.下山(登山)口から徒歩圏内、あるいは公共交通機関一本で行ける(すぐ飲みたいからね)
3.立ち飲みではなく、椅子席がある(休みたいもんね)

日頃の生ぬるさを痛感する投入堂へのハードな道のり

ミツル
鳥取県の三徳山と言えば、山中の絶壁に建てられた投入堂が有名。その道のりは修験者が修行した霊場ですが、視点を変えれば、自然豊かで登りごたえのあるトレッキングコースとも言えます。今回、このコースをチョイスしたのは、普段ぬるま湯に浸かりきったおばやしさんが、次のステージを目指すための修行の意味も込めています。
mitijyun
スタートは三徳山三仏寺から。同院までは倉吉からバスが1時間に1本程度ある。参拝登山受付所からすぐに急登があり、文殊堂の鎖場など難所が連続する往復約1時間30分のコース。下山後は三朝温泉の公衆浴場・株湯に浸かり、その後倉吉市内『BREW LAB KURAYOSHI(ブリューラボ倉吉)』で喉を潤す予定。今回は、遠征編なので一杯にたどり着くまでは基本車での移動。
おばやし
修行って、またこっちが頼みもしない余計なことを考えますね。

でも投入堂は写真では見たことがある。楽しみだわ〜。しかも、山頂を目指すわけでなく、投入堂がゴールで、コースタイムはわずか往復1時間30分。意外と楽勝かも!?
ミツル
こらこら、コースタイムだけで判断するべきではあるまい。ここは修験道の開祖・役行者ゆかりの霊場。いわゆる山伏たちが修行した聖地なのだ。急登が連続し、しかも途中には切り立った岩場や鎖場などもある。まさに体力と精神力が鍛え上げられるコース。舐めるのではない。

さらに山全体が三徳山三佛寺の境内となっている。そのため登山前に同院の受付で入山料を納め、装備のチェックもある。場合によっては、門前払いもあり得るので、気を引き締めたまえ。

とはいえ、長年聖域として守られてきただけに、原始の自然がそのまま残っているのもこの山の魅力。厳しい道のりの中にも、自然をたっぷり感じてもらえるはず。
おばやし
なんか口調がいつになくキビシイですね…。実は私、行動食として、倉吉で有名な『米澤たいやき店』のたい焼きを買ってきました。どこか景色の良いところで食べましょうね〜!
ミツル
相変わらず食べることばかり考えてますな。さあ、行きますよ。

まずは参拝者受付案内所で400円を納め、御札をもらいます。その後境内を進み、参拝登山受付所で800円を納め、輪袈裟(わげさ)と呼ばれるタスキを受け取ります。入山するためには主に次のような条件があります。二人以上での登山、滑りにくい靴、手袋、歩きやすい服装を装備しているかなど・・・。修行に取り組むつもりで、準備はしっかりしておきましょう。

その上、コース上は危険な岩場が多く、荒天時には入山が制限されることもあります。三徳山三佛寺のホームページで入山の可否を発信しているので、事前にチェックしておきましょう。
三徳山三佛寺のHPはこちら
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三佛寺の境内には杉の巨木が立ち並び、厳粛な空気が漂う 参拝者受付案内所や参拝登山受付所では、滑り止めの縄がけ(200円)やわらぞうり(900円)も販売している。
おばやし
なんか厳かな感じが漂って、登山というよりまさに参拝ですね。ちょっと緊張してきました・・・。

ぎゃー、注意書きを見てください!「山内での食事はご遠慮ください」とな!たい焼き食べられへんやん!
ミツル
愚か者よ。投入堂への道は観光ではなく、あくまで参拝するためのものと心得るべし。山中でのたい焼きは諦めて、下山後にゆっくり味わうことにしましょう。これは修行じゃよ。
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輪袈裟に書かれた六根清浄とは、人間の6つの器官から生まれる欲望などを断ち、心を清らかにすること。いきなりの急登と格闘するおばやし。この先に続く急登のかずら坂にも苦戦を強いられる。
おばやし
ぐぐぐ〜。仕方ない。それでは入山届を書いて、輪袈裟をつけて出発!

注連縄がかかるスギの巨木を過ぎ、橋を渡れば・・・、いきなり急登が始まりました。岩に足をかけ、四つん這いで登らないといけません!か、体が重い!あゝ股関節が…!

ふぅ〜。最初の急登が終わったと思ったらまた急登。なになに?看板によるとこの坂は「かずら坂」だって!? 確かに木の根がかずらのように登山道に這いまわり、根っこをつかんで登らないといけません。しかもずっと続きます。はぁ〜しんどい。そんでもって、また「かずら坂」の看板が!どこまで続くんや!
ミツル
いいですね〜このキツさ。まさに修行です。息が上がっているようなので、その先にあるスギの巨木の下で一息つきますか。とはいえこの先も急登が続きます。ほらご覧なさい、小学生らしき子どもが楽しそうに登っていきます。平日ですが結構ハイカーもいますね〜。
おばやし
スギ林から広葉樹の気持ちの良い森になりましたね。けど急登のおわりが見えない。おわりが見えないからこそ楽しいのかも。
ミツル
お、少し悟りが開けてきたのかも。いい傾向です。その調子で文殊堂に続く鎖場も乗り越えていってください。
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文殊堂の下にある長い鎖場を果敢に登る。一人ずつ間を空けて登るようにしたい。文殊堂の濡れ縁(縁側)で大山の方角を眺める。手すりがないので注意が必要。
おばやし
うわ〜、この見上げるような岩場を、鎖を使って登れって言うのですか?くそ〜先を行く子どもには負けられない!どっこいしょっと。なんとか無事鎖場を攻略しました!

しかし、よくこんな岩場に文殊堂を建てましたね〜。昔の人はすごい!しかもここからの眺めは最高ですね!大山も見えます!
ミツル
休憩するにはちょうどいいスポットですよね。ここでコースの半分を過ぎた辺りです。この先、地蔵堂から鐘楼堂を経て、馬ノ背、牛の背と言われる切り立った尾根を慎重に歩き、しばらくすれば投入堂ですよ。

気の抜けない下山を経て倉吉名物でプチご褒美

おばやし
(鐘楼堂で鐘をつく)ゴ〜〜ン!

鐘の音とともに、煩悩が消え去った気がします。しかしながら次から次へとスリリングなスポットがあるかと思えば、いきなり重要文化財の堂宇が現れたり、ハードですけど飽きが来ない!あ、また建物が現れました。観音堂ですね。

なになに、観音様の胎内くぐり?この建物の裏に続く真っ暗な道を歩けと?修験道の開祖・役行者もアイデアマンですね。

思いの外、すぐ終わる胎内くぐりをクリアしたら・・・、うわ!いきなり現れました投入堂!す、すごーーーーーい。もう、スゴイとしか言いようがない大迫力です!
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鐘楼堂で鐘を撞く。まず合掌して、鐘を一度撞き、もう一度合掌するのが作法。観音堂の裏にのびる胎内くぐり。暗闇なので足元に注意して進みたい。
ミツル
標高約500mの地点にある投入堂は、役行者が法力で建物を小さくして、この岩窟に投げ入れて出来上がったと伝わる。実際には誰がどうやって建てたかは、謎のままなのだ。調査によると平安時代後期の建築ということだけは分かっている。
おばやし
また何かの説明文をそのまま棒読みしてる!

それにしても、覆いかぶさるような断崖絶壁に建つ姿は、どこか別世界のようで絵になりますね。ずっと眺めていられます。
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三佛寺の奥の院にあたる国宝・投入堂は危険なため入堂は原則的に禁止されている。少し離れた位置から眺められるこの場所が今回のゴール地点。
ミツル
では、来た道を戻って下山することにしましょうか。道は登りと下りが分かれている箇所もありますが、 すれ違いに難渋する場所もあるので、譲り合って進みましょう。
おばやし
ひゃ〜!文殊堂の鎖場の下りはめちゃくちゃ怖い!しっかりと鎖を握って、三点支持を意識しながら下りないと危ないです。初心者はできれば経験者とペアで入山することをおすすめしたいです。「二人以上で入山」という意味が分かりました。
ミツル
最初に苦戦したかずら坂も注意が必要ですよ。下山道は一部別ルートになりますが、急坂であることは変わりません。

参拝登山受付所に着いたら、下山時間を記入し輪袈裟を返却しましょう。これで見事ミッション完了です!どうでしたか?厳しい修業を経て、煩悩から解放されたのでは?
おばやし
う〜ん、お腹すいちゃった〜。境内のベンチで念願のたい焼き食べよっと!

もぐもぐ・・・。う〜ん白い薄皮にたっぷり詰まったあんこがおいしい。皮はサクッとして焦げがほろ苦いかと思えば、もちっとして品の良い味わいの部分があって、食感も楽しい。これが人気なのは分かるわ。もう一匹食べちゃお!
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米澤たいやき店のたい焼きは1尾140円。一尾ずつ焼く天然物で、ひとつひとつ表情が微妙に異なっている。
ミツル
だめだこりゃ。
おばやし
ふぅ、ごちそうさまでした〜。修行登山でたっぷり汗もかいたし、たい焼きで満たされて・・・。やっぱり次は温泉かな〜。
ミツル
そんな煩悩漬けのおばやしさんに最適な温泉が、麓の三朝温泉にある公衆浴場「株湯」です。ここから三朝温泉が始まったとされ「元湯」ともいわれる由緒正しき温泉なのです。
おばやし
(入浴後)ちょっとミツルさん!株湯は地獄のように熱かったですよ!受付の人に聞けば45℃もあるって!ヒリヒリするような熱さで飛び上がりました。これは熱湯風呂の修行です!
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温泉街からは少し離れた静かな場所にある株湯。隣接してある飲泉は24時間利用可能。
ミツル
普段から生ぬるい生活を過ごしているおばやしさんには、あの熱さはちょうどよかろう。
おばやし
キーッ!でもしっかりかけ湯して、徐々に慣らしていけば、不思議と熱さにも耐えられるようになりました。ほどよくぬめりもあって、また私、美しくなったみたい。

それに湯上がりは逆に涼しくて、すぅ〜と汗が引きました。なんかまたお腹すいちゃった〜。
ミツル
ではせっかくなら三朝温泉の温泉街へ行ってみましょう。温泉街に三徳川を眺めながら、ヨーグルトを味わえる専門店『三朝ヨーグルト』があるのです。

糖分、油分、アルコールにまみれた、おばやしさんの劣悪な腸内環境を良くして、体の中から美しくなってもらいましょうかねぇ。
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三朝ヨーグルトのカフェスペースから見える三徳川の河原には、無料の露天風呂がある。手前が湯上がりヨーグルトアイス、奥はヨーグルトシェイク(いずれも500円)。どちらも湯上がりのクールダウンにぴったりだ。
おばやし
いちいち一言多いですね・・・。

あら〜、素敵なお店。カフェスペースの窓からは美しい三徳川が見えて、実にゆったりとした時間が流れてますわ〜。

熱湯風呂上がりの私にとってぴったりな、湯上がりヨーグルトアイス(500円)は、さっぱりしているけどコクがあって美味しい!アタタタ、急いで食べちゃって頭がキンキンします。それでもやめられない!
ミツル
ここのヨーグルトは大山山麓の牧場で育まれた乳牛から採った牛乳「白バラ牛乳」を使用して、一つ一つ手作りしているのだ。白バラ牛乳と言えば鳥取が誇る牛乳のトップブランドじゃよ。

この牛乳瓶に詰められたヨーグルトの味わいなんて、まさに牛乳そのもの!


おばやし

味が牛乳って、もっとマシな表現できないのですか・・・。

さてと、三朝温泉には下山後酒場の条件に合うお店がないみたいですので、早く隣町の倉吉に移動して下山後の一杯をやりましょうよ!

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藤川 満

神戸在住のフリーライター。全国各地の低山と酒場をフィールドに飛び回る。日本酒をこよなく愛し「日本酒では全く酔わない」が口癖。編書に「にっぽん百低山 吉田類の愛する低山30」(NHK出版)がある。 instagram@fujikawamitsuru

obayashi

おばやし零余子

兵庫県宝塚市在住の独身アラフォー編集者。酒と酒場好きで、年々大きくなる身体に危機感を覚え山登りに目覚めるが、一向に痩せる気配なし。最後の晩餐は雑煮。

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