
長塚健斗さん【前編】エンゲル係数高め!?な名店巡りもライブの楽しみ
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“純度100%”のアルバムと共にツアーへ
ソウルフルな歌声とパフォーマンスで魅せてくれる長塚さん。2年半ぶりとなるWONKの新作は「WONKが編纂した東京起点のビートミュージック・クロニクル(年代記)」というコンセプトが込められているそうです。
――ニューアルバム「Shades of」はどんな作品ですか。
- 長塚さん(以下、長塚):
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これまでで一番、WONKらしい楽曲が揃ったという感触ですね。ありのままの「これ良いよね」という思いを純度100%で作った楽曲ばかりです。
僕らは器用なバンドなので、いろんなタイプの楽曲が作れると自負していて。これまでコンセプトを事前に決めたり、「この方がフックがあって売れそう」とか、そういったスタンスで制作することも多かったんです。もちろん商業的な要素も絶対必要ですけど、我々のバンドで本当にやりたいことって?と、結成してからいろんな制作を通してずっと考えてきました。「Shades of」は「これをやろう」っていうシンプルなことをもっと大事にしていこうっていう、結成当初の初心に立ち返った素直な作品だなと思います。
――多彩なゲストとのコラボレーションも印象的です。
- 長塚:
-
久保田利伸さんや、韓国のラッパー・BewhYといった国内外のゲスト7組に参加してもらいました。
久保田さんはボーカリストとしてめちゃくちゃ好きだったんですが、僕らのライブを突然観に来てくださって。そこからご縁が繋がって、久保田さんのための曲を作りました。もともとWONKが目指していたのは「ザ・ルーツ」(※精力的なコラボレーションで知られるアメリカのヒップホップバンド)。僕らをハブにアングラもメジャーも一緒にやることで、聴いてくれた人に国境を超えて認知が広まっていく、そんなバンドになりたかった。
今回、久保田さんをはじめ憧れていた人たちとコラボレーションできたのも、結成以来11年の積み重ねがあったからだろうなと手応えを感じます。
――ライブへの意気込みを教えてください。
- 長塚:
- 楽曲は、ライブを重ねていくうちに自分たちの中で消化されて身になっていくんです。リハーサルじゃなく、お客さんの前で演奏してこそ生まれてくる感覚がある。ツアーを通して得られていく、その感覚が楽しみです。ゲストアーティストにも来てもらえたらいいですね…まだ未知数なところもありますけど。
全国各地に行きたい店、好きな店
――ツアーではリフレッシュも大切だと思いますが、訪れた先で食事に出かけたりしますか?
- 長塚:
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(即答で)行きます。いつもメンバー全員で行きますよ、みんな食べることが大好きだし。何年か前のツアーではエンゲル係数が高すぎて、収支としては利益1万円だったことがありました(笑)。
札幌公演だったらフレンチの『レストラン モリエール』に予約取って行こうとか。大阪だったら『HAJIME』に行ってみたいんですよね! シェフの米田さん、料理にすごくストイックでカッコいいと聞いています。
あと、名前は内緒ですが、新潟に良すぎる居酒屋があって。こんな分厚い(両手でサイズを示して)銀鱈が2個のって完璧な火入れで、しかも安い。全国の地酒も全部おいしいんですよ。
――食に対して、並々ならぬ熱量を感じさせる長塚さん。実は、ご自身がプロの料理人でもあるんです。後編では、さらにおいしいエピソードが飛び出します。
profile

ミュージシャン
長塚健斗
2013年に結成したエクスペリメンタル・ソウルバンド、WONKのボーカリスト。2016年に1stアルバム「Sphere」を発表しデビュー。以降、ジャンルの垣根を超えたアーティストとのコラボや、音楽フェス出演、ドラマ主題歌の担当などを通して、多彩な音楽性を発揮している。個人ではビストロで料理長を務めた経験を活かし、食にまつわる活動も積極的に行っている。2024年11月13日にニューアルバム「Shades of」をリリース。12月22日大阪「Yogibo META VALLEY」を皮切りに全国7カ所を巡るWONK “Shades of” Tour開催。
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