子どもとごはんvol.15:初スパイス体験に。大阪・中津『スパイスカレー まるせ』

子連れでの食事は、行き先を選ぶものですよね。連載「子どもとランチ、ときどきディナー」では、お子さまウェルカムなお店をご紹介。
今回訪れたのは、スパイスカレーの聖地。大阪・中津の一角にある古民家で提供するスパイスカレーが大人気の『スパイスカレー まるせ』。
インド北東部・ベンガル地方のカレーをベースに、欧風カレーの製法も取り入れたカレーは、マイルドな子ども用も用意。11月から店頭販売が始まった「こどもスパイスキット」というカレーキットも要注目。

旅の途中で出合ったベンガル料理に心惹かれて

『まるせ』店主の川﨑真吾さんは京都のお茶処、宇治に生まれ、高校時代は仏教や茶の勉強をしていたという。そうした興味からインドのダージリンへ紅茶を学びに行ったところ、途中で滞在したコルカタで出合ったのが、ベンガル料理。

「日本のおばあちゃんちの夕飯に出てきそうな、どこか懐かしい味」に惹かれたという。

帰国後は、2001年頃から中津周辺でカフェやカフェバー、居酒屋を営んでいた川崎さん。そんな時、作っていたカレーがおいしいと評判に。そこで2015年にスパイスカレー専門店として立ち上げたのが『スパイスカレー まるせ』だ。

店内
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カラダに優しい子どもカレー

「自分たちにも子どもがいたこともあり、お父さん、お母さんも来てほしくて開業当初から子ども用カレーを用意していました」と話す子ども用カレーは、舌に当たって食べにくいホールスパイスや唐辛子を使わないマイルドでしみじみとした旨みのある味わい。
チキンを小さくカットしてくれる配慮も嬉しい。

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開発の経緯においては「ムング豆を炒って水で煮ると、まるでチキンラーメンのようなおいしい出汁が出るんです。子どもが好きな味なのでは? と考え、その出汁をベースに作りました」と川﨑さん。

単に大人のカレーから辛いスパイスを抜いただけのものではなく、子どものために作られた身体にも優しくて安心なカレーを楽しみに、乳児から幼児、小学生まで幅広い子どもたちが訪れる。

子どもカレー
鶏とお豆の出汁カレー700円。ランチでの提供だが、夜もメニュー表にないけれどオーダー可能。
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こどもスパイスキットが登場

最近では、クリエイター集団『INSECTS』からの声がけをきっかけに、家庭で調理するスパイスキットを共同開発。

「こどもスパイスキット とり肉と豆のカレー」1450円。販売は店頭や『INSECTS』のWEBから。
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これは、ムング豆やスパイス、レシピがセットになったもので、自宅では鶏肉、玉ネギ、トマトと基本的な調味料を用意するだけ。子どもが初めてスパイスを使ってカレーを作る体験のきっかけに最適。

「料理をしたことのない5歳のうちの子も作れて、自分で作ったからいつもよりたっぷり食べてくれました(笑)。家庭で作るカレーは、市販のカレールウ以外の選択肢もあるのだと知るきっかけになってほしい」

そうした温かい哲学が、子ども用カレーやこどもスパイスキットに込められている。

川﨑真吾さん
スパイスやカレーにまつわるイベントにも積極的に参加し、カレーカルチャーを拡大してきた店主の川﨑真吾さん。朗らかな人柄にもファンが多い。
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子連れに嬉しいポイントまとめ

・子ども用の辛くないカレーがある
・子ども用カトラリーあり
・子ども用イスあり
・ベビーカー入店可能
・店の入り口にベビーカーを置く場所あり
・店頭で子ども用スパイスキット(カレー)販売

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writer

佐藤 良子

satoryoko

料理取材に徹して20年の食ライター。歴史が好きなため、料理史の観点から見るレストラン取材がライフワーク。日々賑やかな小学生2児の母。
instagram@ryocosugar