雨の日を心地よく過ごすための処方箋/黒沢祐子【食べる角には福来たる】

仕事に全力を注いだり、家族を支えたり。私たちは、常に“誰か”のために忙しい。 だからこそ、本当は一番大切にしたいはずの自分の心を置き去りにしがちです。自然体で丁寧な生き方にファンの多い、ウエディング・ライフスタイルプロデューサーの黒沢祐子さんに、「食」を軸に自分を喜ばせるためのヒントを教えていただく連載「食べる角には福来たる」。
いよいよ梅雨シーズンが到来。第4回は、鬱々としがちなこの季節のマインドや暮らし方を前向きに整えてくれる、優しい処方箋のようなお話です。

雨の日は対策が第一

これから雨が続きますね。洋服や足元もどうしたらいいんだろう? と考えますし、髪もボサボサになっちゃうし、なんだか心が乱されますよね。でも、考え方によってはお肌が潤うし、雨が降った後の植物はイキイキとしたエネルギーに満ちていて美しい。もちろんネガティブなこともあるけれど、雨=嫌なものと頭で思い込まないようにしています。

特にこの季節は、私は天気予報をめっちゃ見るんですよ。 なぜかというと、事前に対策ができるから。移動が多い日であればちょっと早めに行動したり、テンションの上がる明るいカラーのお洋服を着てみたり。室内で過ごすならアロマキャンドルを焚いてゆったりモードに切り替えてみることも。

天気に振り回されないための対策をするようにしています。

自分の“トリセツ”は、大人の嗜み

対策ができるのって、やっぱり経験値があるからだと思うんです。若い頃って自分や過去を振り返らないし、ブルドーザーのごとく勢いで乗り切っちゃうから(笑)。

ウエディングのお仕事では、現場で一日中働くことも昔はへっちゃらでした。でも、その当時よりも体が少し疲れやすくなっているのがわかっている今は、事前に心と体をメンテナンスするようになりました。先に予測して、ドーンと落ちてしまわないようにケアをする。これは、大人になってから学んだことですね。

とはいえ、女性は身体のバイオリズムによって不安定になることもあると思うんです。
もちろん私にもそんな日があって、パートナーに当たってしまうことも。普段よりもイライラの沸点が低くなっちゃうというか(笑)。仕事の疲れやメンタルの部分で自分が弱っているときには、「何でそんなにイライラしてるの!?」と衝突してしまう前に、相手に自分の状態を開示することも大事なことだなと感じています。

年齢を重ねていくと、自分が揺れやすい時期やちょっとした違和感、落ち込んでもリカバリーできる方法もわかってくるはず。そういった自分のトリセツをしっかり理解しておくと、波があっても凪のように穏やかにやり過ごせると思います。

スパイスでエネルギーチャージ

ジメジメした日やお疲れの日に元気が欲しいときは、スパイスのパワーに頼ります。汗をかいて、エネルギーが湧いてくるんですよね。 カレーやちょっと辛い味付けの焼き肉を意識的に食べたり、おうちでは火鍋を年中作ったり。暑い日でも意外と体の中は冷えているので、積極的に食べるようにしています。

スパイスを一番気軽に取り入れやすいのは飲み物かな。スパイスティーは気分をスッキリさせてくれるし、その日の気分でスパイスを自分で調合してチャイを作ることも。あとは、我が家ではジンジャーやシナモン、クローブなどのスパイスとレモンでジンジャーエールのベースをたっぷり作って常備しています。夏は炭酸で割ったり、冬はお湯に溶かしたりできて、おすすめですよ。

結局は自分の心と体が欲しているものに正直になることが元気でいられる秘訣かも。私は食べたいものを我慢しないタイプなので、大好きな甘いものは毎日欠かせません。もちろん限度はありますが、チョコレートも食べるし、週2ぐらいで大好物の葛切りやわらび餅は自分で作って食べるほどです。

梅のジンジャーレモンシロップ
梅のジンジャーレモンシロップ
10

ポジティブもネガティブも表裏一体

梅雨って鬱陶しいんだけど、四季があるのは本当に素晴らしいこと。「紫陽花がキレイなお寺に行ってみよう」とか、梅仕事をしてみるとか、今の時期にしか味わえないこともたくさんあるんですよね。
特に都会に住んでいて自然が遠い暮らしだと、ついつい雨のネガティブな方に目がいってしまいがち。でも、雨が降るからこそ、農作物が育ち、私たちの生活が豊かになる。

雨の日に楽しみを見出し、恵みだと感じられるぐらいの人でありたいなと思っています。

梅干し
梅仕事もこの季節だけの楽しみ。
10

【連載】食べる門には福来たる

ウエディング・ライフスタイルプロデューサーの黒沢祐子さんに、「食」を軸に自分を喜ばせるためのヒントを教えていただきます。自分も、大切な人もハッピーになれるヒントが満載。

詳しくはこちら

writer

黒沢祐子

yuko KUROSAWA

ウェディング・ライフスタイルプロデューサー。
東京、神戸で7年以上ウェディングの現場を経験し、「より密にお客様と対峙したい」という思いから、2008年よりフリーランスへ。会場探しから共に行うスタイルが好評で、2016年にYUKOWEDDINGを設立。現在までに1000組以上のカップルを担当する。
一方で、2020年の鎌倉移住をきっかけにライフスタイル事業をスタート。現在は東京を拠点に、美容、ファッションなど総合的にプロデュース。2022年より、プライベートサロン「Y’s room」を主宰。
instagram@yukowedding