熟成が育てた旨み、パルミジャーノ・レッジャーノ
茹でたてのパスタの上から、パルミジャーノ·レッジャーノをたっぷり削る。複雑な香りと程よい塩味と深い旨みでパスタが感動的にグレードアップ。魔法のように料理を美味しくする最高の調味料として、もちろんそのままワインのお供に。このチーズは私たちの食卓でも身近な存在だ。その美味しさの秘密をちょっと覗いてみよう。
パルミジャーノ·レッジャーノは中世に、北イタリアの修道院が保存食として作ったのが始まり。その後、千年に亘って同じ場所、同じ3つの材料、本質的に同じ製法で作られている。EUが定める原産地名称保護=PDOに基づき、生産地、原材料、製法が厳格に規定されており、生産地は主に北イタリアのエミリア=ロマーニャ州と一部のロンバルディア州にまたがる指定地域(※)。材料は新鮮な生乳と塩、凝固酵素のみ。添加物や保存料は一切使わず、職人が熟練の技でチーズを作り、12カ月以上熟成させるという伝統の製法が守られている。
※パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、ポー川右岸のマントヴァ、レノ川左岸のボローニャの5つの指定地域で作られる。
12カ月もの熟成期間を終えると、検査員が1個ずつチーズを分析。厳しい検査基準を満たしたもののみが「パルミジャーノ・レッジャーノPDO」と称する権利を与えられる。外皮の焼き印が合格の証しだ。
消化の良さ、体内に吸収されやすい形で含まれる豊富なカルシウム、リンやミネラルの供給源であること、添加物・保存料不使用、そして五感に訴える心地よい風味—その数々の特性はすべて、製品本来の品質に由来している。
こうしてできたチーズは、タンパク質、ミネラル、カルシウムなど多くの栄養素を含んでいるが糖質はゼロ。その上、長い年月によって育まれた天然由来のアミノ酸が豊富ゆえに、たまらない旨みがある。さらに科学的研究により、40カ月熟成のパルミジャーノ・レッジャーノはセレンとクロムの供給源であることも明らかになっている。
では、王様のチーズを味わおう。まずはひと口サイズにかち割ってそのままで。ナイフでスライスせずに割るのが肝要。長い熟成が育んだアミノ酸の結晶·チロシンによるジャリジャリとした独特の舌触りをぜひ体感したい。そして冷蔵庫から出したばかりなら、常温に戻してお試しを。香りが開いて芳醇な味わいが楽しめる。
パルミジャーノ・レッジャーノの魅力を イタリア料理のシェフが和食の料理人に伝授する
「当たり前に日々使っていますが、この機会にちょっと勉強して改めてパルミジャーノ·レッジャーノの凄みを知りました」とは『日本酒とイタリアン リトミチタ』シェフの櫻木美早季さん。「うちは和食ですが、修業先も〝和洋〟を店名に謳っている店で、うちでもパスタをコースに入れたりします。チーズも大好き」という『阿波座 なが友』店主の長友俊介さん。フェアを前に、イタリアンのシェフから和食料理人へ、パルミジャーノ·レッジャーノを料理するヒントを伝授していただくことに。
長友(N):僕はこのチーズの香りと旨みが大好きなんです。
櫻木(S):熟成が長いからこその旨みの強さと独特の食感が魅力ですね。この風味を守るために厳しい規定を設けて、限られた土地で伝統の技法を大切に作られているんだそうです。職人の誇りがそのままチーズになったみたい。
N:すごい匠の技を守られているんですね。熟成はどれくらい?
S:平均24カ月でしっかり熟成。それ以上も可能だそうです。
N:熟成が進むとどう変わりますか?
S:ミルキーな感じよりナッツのような香ばしさが出ます。もろもろっとした独特の食感も強くなります。
N:保管(※)はどうされていますか?
S:どんどん消費するのであまり長く貯蔵してるわけではないのですが、ラップに包んで冷蔵庫へ。熱が苦手なので涼しい場所で保管します。
N:冷凍はできますか?
S:冷凍すると香りは飛ぶし、食感も悪くなるのでオススメしません。
N:『リトミチタ』さんではイタリアンに日本酒を合わせるんですね。僕はチーズにはやはりワインや最近ハマってるウイスキーで。
S:意外と燗酒が合いますよ。乳酸系の香りのする日本酒にはピッタリ寄り添ってくれます。
N:今度やってみます。僕は自宅では卵かけごはんに、昆布とカツオだしをブレンドした醤油を少し垂らして、このチーズをたっぷりかけて食べるのが大好物でして。
S:あー、めちゃ美味しそう。だしとパルミジャーノ·レッジャーノの相性は抜群なんですよ。旨みの相乗効果。この旨みは和食とも合わせやすい気がします。
N:外側の硬い皮は何かに活用されていますか?
S: スープを取るのに使います。すごくいい旨みが出るんです。味噌汁にも合いますよ。
N:味噌とチーズは発酵食品同士ですもんね。
S:日本人には親しみやすい味わいですよね。
N:これまではパスタとか洋の料理を作るときにしか使っていなかったけど、櫻木さんのお話を聞いて、自信を持ってだしと合わせたチーズ料理を作ってみようと思います。
S:私もぜひ、長友さんの和なチーズ料理、食べに行きたいです。
※食べる前に、少なくとも15-20分前に冷蔵庫から出すのがオススメ。
パルミジャーノ・レッジャーノのクレームブリュレ
コース(8800円~)の先付けとして。パルミジャーノ・レッジャーノを溶かし込んだクリームの旨みで食欲に火をつける、甘じょっぱいスターター。上部はしっかり焦げ目を付けたキャラメリゼを施して、ほろ苦さがアクセントに。合わせる酒は酸味も甘みもしっかりした貴醸酒などがオススメ。
[ 材料 ]
パルミジャーノ・レッジャーノ … 40g
牛乳 … 100g
生クリーム … 200g
全卵 … 1個
卵黄 … 2個
カソナード … 適量
[作り方]
① パルミジャーノ・レッジャーノはすりおろす。
② ❶と牛乳、生クリームを鍋に入れ、混ぜながらチーズを溶かす。鍋肌が少しふつふつしたら火を止める。
③ ボウルに全卵と卵黄を入れてホイッパーで混ぜながら❷を少しずつ加える。ザルで濾して、器に入れ、蒸し器で固まるまで火を入れる(15分程度)。
④ 冷やしたら、上部にカソナードをふりかけ、バーナーで炙る。
パルミジャーノ・レッジャーノの 焼きリゾット 海苔のズッパ
コースのスープとして。パルミジャーノ・レッジャーノを3層にして使用。まず鶏ガラスープと共にリゾットに入れる。ウナギと一緒におにぎりにしたリゾットを載せて香ばしく焼く。さらに上からチーズを削り、山椒をパラリで広がる旨みを引き締めて。焼海苔と貝のだしのスープに浸かった焼きおにぎり風に。
[ 材料 ]
生米 … 80g
蒸しウナギ(市販品でも可)… 1/3尾
パルミジャーノ・レッジャーノ … 20g
鶏ガラスープ … 適量
アサリだし … 280ml
バター … 10g
焼海苔 … 1/2枚
ニンニク … 適量
オリーブ油 … 適量
塩 … 適量
粉山椒 … 適量
[作り方]
① 鍋に生米を入れ、鶏ガラスープでリゾットを作る(少し柔らかめに)。
② ❶に塩とパルミジャーノ・レッジャーノ、バターを加えて溶かし混ぜ、冷やしておく。
③ ひと口サイズに切った蒸しウナギを型の底に入れ、上から❷を押し込んで固める。
④ 鍋にニンニクとオリーブ油を入れて火にかけ、アサリだしと焼海苔を入れて溶かし、オリーブ油を少し垂らす。
⑤ フライパンにパルミジャーノ・レッジャーノのすりおろしを敷き、その上に❸を置いて両面をカリカリに焼く。
⑥ ❹のスープを器に入れ、❺の焼きリゾットを浮かべて、パルミジャーノ・レッジャーノ(分量外)を削り、仕上げに粉山椒をふりかける。
【店名】リトミチタ
【住所】大阪市中央区安堂寺町2-1-14
【電話番号】06-4392-7771
【営業時間】12:00~20:00(前日までに要予約)
【定休日】不定休
【料金】月替わりコース8800円~、日本酒ペアリング込みコース15000円。
パスジ肉の東寺揚げ パルミジャーノ・レッジャーノと米のソースで
おまかせコース(13200円)の肉料理として。東寺揚げとは、湯葉の名産地とされる京都の古刹・東寺に由来した湯葉を使った揚げ物。スジ肉の土手煮を生の平湯葉で巻いて揚げ、お米とチーズを炊いて裏ごしした白いソースと、土手煮のだしの2色のソースでいただく、メインになる一品。
[ 材料 ]
スジ肉の土手煮(市販品でも可)… 30g
生の平湯葉 … 1枚(30g)
(ソース)
生米 … 10g
合わせだし … 120ml
パルミジャーノ・レッジャーノ … 20g
淡口醬油 … 適量
(衣)
パルミジャーノ・レッジャーノ … 10g
水 … 50ml
天ぷら粉 … 50g
海苔 … 適量
大葉 … 適量
[作り方]
① 生米と合わせだしで粥を作り、裏ごしする。その5分の1程度のパルミジャーノ・レッジャーノを加え、淡口醬油で味を調えてソースを作る。
② スジ肉の土手煮を生湯葉で巻き、水で溶いた天ぷら粉にパルミジャーノ・レッジャーノを加えた衣を付けて揚げる。
③ ❷を皿に盛り付け、❶のソースと、土手煮の煮汁を皿にかけ、大葉、針海苔を天盛りにする。
【店名】阿波座 なが友
【住所】大阪市西区阿波座1-10-18
【電話番号】06-4395-5674
【営業時間】17:00~23:30(LO)
【定休日】日曜休、不定休あり
【料金】一品770円~、おまかせコース13200円、日本酒1合1320円~。
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- 備考
- 欧州連合規則 第1144/2014号に基づくプログラム101194314 ENSO-EU ― 欧州連合の共同出資による。※EU規則1144/2014に基づくEU支援の農産物販促事業です。
●提供・問合せ/パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会「パルミジャーノ レッジャーノ道」 https://parmigianoreggianodou.eu/https://parmigianoreggianodou.eu/
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