1932年創業。親子三代で守る、神戸・岡本のパン屋『フロイン堂』

神戸の開港以来発展しているパン文化。多数あるパン屋のなかでも屈指の老舗が『フロイン堂』です。店には「いつもの味」を求めて、長年通う地元の常連が多く訪れます。

三代で守るパン屋

神戸市東灘区、阪急岡本駅近くにある『フロイン堂』。ご主人の竹内善之さんは御年92歳で今も現役。三代目は隆さん。そして「代々買い求めてくれるお客様のためにも変わらない味を作り続けたい」と、2023年からは四代目の陸人さんが加わりました。
日本のドイツパンの草分け的存在であるハインリッヒ・フロインドリーブ氏が、善之さんの父で初代に伝授したというドイツ流のパンを長年作り続けています。

『フロイン堂』ご家族
左から三代目の隆さん、二代目の善之さん、四代目の陸人さん、陸さんの奥さまの篤子さん。
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煉瓦窯で焼く手ごねの食パン

店の地下にある厨房には、作業台と舟と呼ばれる大きなこね桶や昔ながらの発酵室、そして創業以来心臓部として連目フル稼働している煉瓦窯が。早朝、その窯に火を入れて、生地を手ごねするところから『フロイン堂』の1日は始まります。
要となる食パンの手ごね作業は陸人さんの担当。30キロの小麦粉、塩、イースト、湯をまずは桶へ。体全体を使って混ぜること約1時間。小麦粉はやがて大きな塊となっていきます――。

『フロイン堂』食パン
食パンには、小麦粉と水、塩、砂糖、イーストのみ使用。
『フロイン堂』煉瓦窯
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ハード系も人気

看板商品である食パンはもちろん、実はファンが多いのがハード系のパン。隆さんが20数年前から作り始めました。レーズン種、サワー種などを使った天然酵母バンや、ライ麦100%のライ麦パン、ラム酒漬けレーズンとくるみ入りのフロッケンセザムは、これだけを買いに訪れるお客さんもいます。

『フロイン堂』田舎パン
田舎パン(大780円、小380円)。
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今日も、昭和レトロな建物のショーケースには食パンをはじめ、バターケーキなどがきれいに陳列され、訪れるお客さんを迎えています。

『フロイン堂』内観
食パン1本930円。
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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。