50種以上の豆とスパイスが揃う、こだわりの専門店。京都・円町『楽天堂』。

京都・円町駅から歩いて約13分。豆の量り売りや、初心者でも気軽に豆・スパイス料理に挑戦できる料理キットを販売している『楽天堂』。昔ながらの町屋に一歩足を踏み入れると、豊かなスパイスの香りが出迎えてくれます。

豆・スパイスから日用雑貨まで

『楽天堂』は、国内外の豆とスパイスを扱うお店。豆は、40年間農薬や化学肥料を使わずに育てた『秋場農園』の北海道産大豆など20種以上、スパイスは、ネパール産ターメリックやシナモンなど、30種以上を取り揃えています。「特にスパイスは鮮度が命。中心的なスパイスは、フェアトレードの会社を介して3ヶ月ごとにネパールから直輸入しているので、『香りが全然違う』とよく驚かれるんです」とは、店主の高島千晶さん。

『楽天堂』内観
食料雑貨店としての顔も持ち、米や調味料、お惣菜、石鹸なども置いています。毎週、近所のお年寄りが食料品を買いに来たり、子育て中のママが育児相談に来ることも。
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お店にかける思い

高島さんはもともと洋服店や食料品店を営んでいましたが経営難に。そんな時期に「アメリカ同時多発テロ事件」が起こり、アメリカの友人とレシピ交換をするようになったそう。「私自身、2人目の子どもが生まれたタイミングで不安な時でした。そんな自分を支えてくれたのが、豆料理だったんです」。

また、洋服店のような「大量生産・大量消費」が生む、貧富の差についても考えるようになった高島さん。「先進国の人が肉食を減らし、代わりに豆を食べれば、畜産業に使われていたぶんの穀物が貧しい国の人たちにも行き渡るのではないか」。そんな思いから2002年、豆とレシピを会員の自宅に送る「豆料理クラブ」をスタート。翌年には京都で実店舗を構えました。

『楽天堂』店主・高島千晶さん
『楽天堂』の由来は、「希望を持って仕事をしつつ、“楽天的”に生きる姿を子どもに見せたいから」と話してくれました。
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簡単に作れる料理キットが一押し

こちらでは、どんな方でも気軽に挑戦できる、豆料理キットとスパイス料理キットがおすすめです。豆料理キットは、伝統的なインド料理「黒目豆のカレー」(799円)や「スプリットピーと山口・祝島ひじきのサラダ」(864円)など、全部で21種類。国内外のバラエティ豊かな料理は、アメリカの友人や豆料理クラブの会員が教えてくれたもの、高島さんが研究して考案したものなど、約20年かけて選りすぐられたレシピばかりです。

『楽天堂』豆料理キット
『楽天堂』「黒目豆のカレー」など
料理キットには、豆とレシピがセットになっています。ほかに準備が必要なのは、塩や油などの基本の調味料や野菜など。※商品によって、セット内容や自分で準備するものが異なります。
『楽天堂』豆の量り売り
豆は量り売りでも購入可能。調理法がわからなくても、高島さんが優しく教えてくれます。黒目豆200g・340円/500g・800円、ムング豆(皮なし)200g・290円/500g・680円。
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スパイス料理キットは、北海道産大豆でつくる「大豆のカレーピクルス」(604円)、トルコ風赤レンズ豆のスープ「エゾゲリンスープ」(561円)など、全部で15種類。例えば「かぼちゃのサブジ」(561円)は、油とスパイスを火にかけて馴染ませたら、かぼちゃを加えて蒸し煮をするだけ(かぼちゃは別途用意)。料理が苦手な方でも、本格的なスパイス料理を簡単に作ることができます。

『楽天堂』スパイス料理キット
『楽天堂』「ペルシャのレンズ豆カレー」
余らせてしまうことの多いスパイスが、必要分だけ小分けになって入っているのがうれしいポイント。写真は、「ペルシャのレンズ豆カレー」(604円)。
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豆とスパイスの魅力を聞くと、「何より健康に良いこと。豆は、植物性タンパク質や食物繊維、鉄分などのミネラルも豊富。スパイスもミネラルがたっぷり含まれていて、抗酸化作用もあります」と話す高島さん。目の前のお客さんの健康を守りながら、世界中の人の豊かな食生活を祈る、そんな気持ちで今日も豆とスパイスを提供しています。

『楽天堂』外観
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