下町でクラシックな王道ビストロ料理を。大阪・桃谷『ポキナ369』。

JR桃谷駅から東に延びる賑やかな「桃谷商店街」沿いに、2019年にオープンしたビストロ『ポキナ369』。築100年の元八百屋を改装した空間で骨太なフランス料理を気軽に楽しめます。

築100年の商家をリノベ

2019年に桃谷商店街の一角にオープンした『ポキナ369』。扉を開けると重厚な梁が目に入る空間は、なんと築100年の元八百屋だったという物件。

1階にはテーブル席とカウンター席が、2階には3世帯利用や子連れファミリーに大人気の和風個室があります。

『ポキナ369』内観
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ランチを中心に、ディナーは週3日営業

桃谷が地元というオーナーシェフの田中修二さんは『ル・クロ』グループのアメリカ村店や心斎橋店などで経験を積み、ワインダイニングの立ち上げを経て再び「ル・クロ」グループでシェフを10年務めた人。現在、接客やデザート作りを担う妻の美穂さんも元キュイジニエ(料理人)。楽しい夫妻のトークや接客が、その場をパッと明るくするアットホームな雰囲気が魅力です。

開業した頃、「子どもがまだ小さかったことから、このスタイルに落ち着きました」と話す営業形態は、火曜から土曜までのランチを中心に、ディナーは木、金、土曜のみ。

2400円〜のランチコース、7700円〜のコースとア・ラ・カルトを用意するディナー、共にお値打ちの内容で、常に地元客で賑わっています。

日本人の琴線に触れるフランス料理

料理は昼夜共通のプリフィックスで、昼夜やコースの価格帯によって、選択肢が異なるスタイル。

「和牛の赤ワイン煮込み」や「ひな鶏とフォワグラのガランティーヌ」「仔羊ロースのロティ」など、フランス現地のような肉料理から、鶴橋の市場にて活けで仕入れる魚介を使う「たら白子のムニエル」「帆立貝のポワレ」「活オマール海老のブイヤベース(要予約)」といった料理も。

ブール・ブランソース(バターのソース)やマデラソース(マディラワインのソース)など、フランス料理を代表するソースを合わせてフランス料理たるおいしさを表現しながらも、「日本人に親しみのある味を意識しています」と、オーブンでローストした甘いタマネギやハチミツ、砂糖などを隠し味に使い、お年寄りやフランス料理を食べ慣れない人も楽しめる味わいに。

一方で、食べ慣れた人にとっては間違いのない火入れの技術や心地いい酸の効かせ方、野菜の甘味を随所に効かせたクラシックなおいしさに大満足。

夜のア・ラ・カルトでは、一人客にハーフポーションを用意してくれるなど嬉しいサービスも。

『ポキナ369』カルパッチョ
軽くグリルした和歌山県産さわらのカルパッチョ。砂糖と塩でマリネして脱水し、皮目を炙ったサワラは驚くほどの分厚さ。上にはラヴィゴットソース、下にはサラダやピクルスが。
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『ポキナ369』ソテー
NZ産牛ハラミのソテー。鉄製のフライパンで焼き上げたハラミに、ブイヨンや牛のジュ(だし)、バター、粒マスタードで作るソースをかけて。
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写真の料理は共に、ランチの「ランチBコース」3900円(約4品から選べる前菜、本日の魚料理、約4品から選べる肉、デザートまたはチーズ、カフェ)、ディナーの「ポキナコース」7700円(約4品から2品選べる前菜、本日の魚料理、約4品から選べるメイン、デザートまたはチーズ、カフェ)より。

友人と、家族と、一人で、シーンを選ばず、そして肩肘を張らずに通える一軒です。