パリッと厚め。品良い甘さの京都・大徳寺『京漬物 大こう本店』

京都の名刹・大徳寺のすぐ近く。京町屋を改装した風情ある設えが印象的な専門店の漬物は、パリッとした歯ごたえと控えめな甘さが持ち味です。

京町屋を生かした風情ある設え

京都・北大路駅から大通りを西へ行くと、右手に見える白漆喰壁の建物。築100年近い京町屋を改装した店内の床は石畳。階段箪笥や水屋などの骨とう品を品よく飾った和の風情が、何とも落ち着きます。

「古そうに見えますが、こちらに店舗を構えての営業はまだ40年ほどなんですよ」と話す店主の大庭一樹さん。1970年頃から市場などで販売していのが始まりだそうです。

『大こう本店』外観
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『大こう本店』店主の大庭一樹さん
店主の大庭一樹さんは1981年生まれ。店の味を守るべく、漬物作りに携わって20年以上になります。
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歯切れがよく、甘さは控えめ

「ウチの漬物の特徴は、パリッと小気味よい食感。それから控えめな甘さですかね」と大庭さん。

常時40~50種類が揃う漬物は、食材の食感が生きるようどれも少し厚めに切って仕込んでいるのが特徴。重石をしっかり利かせて巧みに水分を抜くことで、歯ごたえ良く噛むほどに味わい深くなるそうです。

名物の大徳寺漬は、旨みが凝縮したキュウリのパリッとした食感にミョウガやショウガの香味を利かせたさっぱりした味わい。冬季限定の千枚漬けも、一般的な千枚漬けよりもわずかに厚切り。塩気はあるけれど甘みが優しいのは、野菜が持つ自然な甘みを引き立てるためだと話します。

『大こう本店』の千枚漬や大徳寺漬
手前の千枚漬864円は聖護院かぶの甘みと北海道産の利尻昆布の旨みが実に豊か。11~2月頃までの冬季限定品です。中央が名物の大徳寺漬594円。
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『大こう本店』のかつお大根宝漬、小茄子のからし漬など
定番以外も気になる味が色々。歯切れの良いかつお大根宝漬540円、和辛子の辛みとみりん粕の甘みがクセになる小茄子のからし漬691円、色鮮やかなワインらっきょ691円。
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贅沢すぎる無料の試食セット

豊富な品揃えに目移りしますが、こちらに来たらぜひとも試していただきたいのが、無料で振る舞っている試食セットです。名物の大徳寺漬や宝漬などの通年商品をはじめ、ワインらっきょや西瓜(スイカ)奈良漬、その時の季節商品などを、ひと口ずつ計13種類も味わえます。

しかも店内に配された酒樽製のイスに座って、寛ぎながらいただけるスタイル。「喉が渇きますし、漬物はお茶請けにも最適ですからね」という気遣いから、ほうじ茶まで付いています。

大徳寺の目の前にあるため、週末やお昼前後が特に客足が多くて混雑気味。ゆっくり選ぶなら、夕方以降がおすすめです。

『大こう本店』の試食イメージ
見た目から素敵な試食セットは無料とは思えない内容。写真は2名分ですが、もちろんおひとり様でもいただけます。
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『大こう本店』の店内イメージ
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