京都・河原町丸太町『食堂ほかげ』でセンスフルな酒肴に酔う
あえて食堂を名乗る理由
「気軽に来ていただきたいなと。ごく単純な理由です」と店主の橋本賢介さん。今でこそ食堂を名乗る店が増えたけれど、店のオープンは今から10数年前の2012年。間違いなく、食堂のイメージを変えた先駆けの一軒だと思う。
古民家風のレトロ感漂う店内は、どこからでも厨房を見通せる10席のカウンターのみ。ピカピカに磨かれた鍋やフライパンが整然と並ぶ美しい厨房とアルミ板に筆書きされた洒落た日替わりメニューを見るだけで、普通の食堂ではない気配が、プンプンと漂っている。
丁寧な仕事が宿るセンスフルな酒肴
まずは定番からと頼んだイワシの梅煮は、身をふっくらと保ちながら味は芯までしっかり。エビと金柑の白和えは、金柑のまろやかな酸味がエビの甘みを引き立てる絶妙なコンビネーション。仕上げにたっぷり散らしたアーモンドスライスの香りがまた食欲をそそる。
カブ、ブロッコリー、カボチャ、金時人参など8種の旬菜を使用した季節野菜の葛引きは、年中人気が高いのが頷ける滋味深さ。「各々に最適な火入れを施して、香りや食感を生かしています」と橋本さん。
わかりやすい派手さはないけれど、どれも素材への敬意を感じる丁寧な味。しみじみおいしくて、お腹の中から幸せになる。
日本酒は徳利で1200円均一!
さて、ここまでの4品に造り盛合せも合わせて8000円ほど。どれも2人でシェアしてちょうど良いボリュームだから、1人あたり4000円の計算。割烹レベルの料理がこの価格でいただけるのは、本当にありがたい。
でも、酒が高いのでは?なんて思うなかれ。グラスなら880円、徳利なら1200円の均一明朗価格にて、セレクトの利いた全国の銘酒がスタンバイしている。
「たくさん飲まれる方でも、大体お二人で徳利3本ぐらいですね。ウチでひとりあたりのお支払いが1万円を超える方は、なかなかいらっしゃらないです」と橋本さん。日本酒は宮城「日高見 辛口純米酒」、滋賀「一博 純米 うすにごり生」など食中に合うスッキリとした純米酒を中心に常時6~7種類。迷いすぎないラインアップがちょうどいい。
土鍋炊きご飯で締め括り
ひと通り堪能したら、締めはぜひとも土鍋炊きご飯を。注文率ほぼ100%の名物は、注文ごとに炊き上げるスタイルだ。
白ご飯と手元にまだ残る浅漬けとで渋く締めるかと悩みつつもタコとショウガの炊き込みご飯を選択したら、これが笑顔になる大正解。プリプリのタコの旨みを抱き込んだ刻み揚げが、いい感じに食べ応えをアップしている。
お腹がポンポンに膨れて大満足。徳利2本を空にして、酔いもだいぶ回った。ご飯を食べ切ろうかどうか考えていると、「食べ切れない分はお包みしますよ!」と橋本さん。最後まで手厚いもてなしに心打たれ、再訪を願わずにはいられなくなる。
data
- 店名
- 食堂ほかげ
- 住所
- 京都府京都市上京区出水町273-1
- 電話番号
- 075-748-1539
- 営業時間
- 17:00~21:00LO
- 定休日
- 月曜、ほか不定休あり
- 交通
- 京阪神宮丸太町から徒歩7分
- 席数
- カウンター10席
- メニュー
- 長芋のわさび漬け500円、アジの燻製900円、お造り盛合せ2人前2800円。瓶ビール中900円、日本酒100㎖800円。
- https://www.instagram.com/hokage_kyoto/
writer
川島 美保
kawashima miho
両親曰く、「生まれた時から食いしん坊」。3歳の頃から庖丁を握り、8歳から菓子作りにハマる料理好き。趣味と実益を兼ねて食メインの編集兼ライターになり、気付けば20余年。酒は弱いが、味は好き。甘いものはいくらでも。食べたいものを好きなだけ食べられる健康的な身体造りを目指し、週2回の筋トレに励んでいる。
recommend






