京都・四条大宮の鮨酒場『鮨と酒 ことほぎ』で‟酔い気分“
大宮駅からすぐの隠れ家的鮨酒場
阪急大宮駅前から徒歩数分の黒門通沿い。大正時代の町屋を改装したという建物1階に『鮨と酒 ことほぎ』がオープンしたのは、2023年春。目印は建物前の看板のみで、暖簾がかかる店の入り口は、通路を少し奥に進まないと見えない。良店の香りが漂う密やかな構えに、隠された宝物を見つけたような気持ちになる。
店は7席のカウンター席のみ。期待を胸に扉を開けると出迎えてくれるのは、店主夫妻のお二人だ。穏やかなお人柄が素敵な店主の森口真(ただし)さんは、大阪・堺の出身で、東京・築地に本店を構える『築地寿司清』の京都店で約25年修業。長年地道に磨いた経験を生かし、本格的な江戸前鮨と粋なアテを提供している。
揚げたてのさつま揚げと、いわし巻きはマスト!
まずはつまみを頼んでゆるりと飲もうと品書きに目をやると、浅漬けサバのへしこ炙りやシシャモの一夜干しなど気になるものばかり。しかしここには、頼むべき看板酒肴がある。それが、自家製ふわふわさつま揚げといわし巻きの2つだ。
「注文されるタイミングは人それぞれですが、どちらもほぼ皆さん召しあがりますね」と想像以上の好反応を嬉しそうに話す真さん。食感にこだわって研究を重ねたさつま揚げは、白身魚のすり身にエビやイカのゲソ、椎茸などを加えた贅沢仕様。ふわトロっとした絶妙な柔らかさが堪らなくて、ビールにも日本酒にも合う。
美しい断面がそそるいわし巻きは、魚の新鮮さが伝わるキレイな味。トビコのプチプチ感、シャキシャキのキュウリなど異なる食感の組合せが楽しくて、これは熱燗も合うなと、つい日本酒が進む。
女将セレクトの日本酒が常時約20種類
カウンターの隅や冷蔵庫で出番を待つ日本酒は、クセの強すぎない純米酒を中心に常時20種ほど。国際唎酒師とSAKE DIPLOMA(酒ディプロマ)の資格を持つ和歌子さんのセレクトで、すっきり軽めの吟醸酒から飲みごたえある重め旨口までと幅広い。
「色んなお好みにお応えできるよう、偏らないラインアップを意識しています」と和歌子さん。ご主人の真さんと2人で酒蔵&居酒屋巡りの旅に出かけることもしばしば。石川「農口尚彦研究所」、鳥取「千代むすび」、福岡「旭菊」などのラインアップに、自他共に認める日本酒好きがうかがえる。
にぎりはおまかせに追加が良策!
小腹が満ちて酔いがまわったところで、さてにぎりにシフトするとしよう。「初めてでしたら、おまかせが断然お得ですよ」。真さんが自信を持ってすすめる特上のおまかせは、本当にお得だ。
宮城・塩釜産のとろけるトロのほか、ピカピカのコハダ、噛むほどに口中に旨みが広がる赤貝、磯味濃厚なウニ、仕上げに表面を炙った香ばしい穴子など充実の8貫。やや小ぶりなシャリは江戸前らしく赤酢のまろやかな酸味に塩を程よく利かせたキリっとした味わい。贅沢感ある大ぶりのネタとバランスよく口ほどけ、するりと胃に落ちていく。
「イカが好きでして」と照れ笑う真さんが常時3種は揃えるイカの中からスミイカと紋甲イカを1貫ずつ追加して食べ比べ、奈良漬けアテ巻きでもう1杯飲みつつ締め括り。
日本酒をひとり1合飲んでこれだけ食べても、会計はひとりあたり8000円ほどに収まるから、笑顔にならずにいられない。
「小さな寿(よろこ)びを感じていただければ本望です」と微笑む真さん。店名の‟ことほぎ“は、漢字で書くと‟小寿”なのだという。
いえいえ、大きな喜びをありがとうございます。そんな御礼を言いたくなる素敵な夜が、四条大宮に待っている。
data
- 店名
- 鮨と酒 ことほぎ
- 住所
- 京都府京都市中京区黒門通四条上ル藤岡町506
- 電話番号
- 070‐8417‐1987
- 営業時間
- 17:00~22:00LO(土・日曜、祝日は16:00~)
- 定休日
- 水・木曜、ほか不定休あり
- 交通
- 阪急大宮駅・京福電鉄四条大宮駅から徒歩3分
- 席数
- カウンター7席
- メニュー
- シシャモ一夜干し660円、イカの酒盗和え680円、上にぎり8貫3900円、にぎり1貫440円~。瓶ビール中820円、日本酒90㎖650円~。
writer
川島 美保
kawashima miho
両親曰く、「生まれた時から食いしん坊」。3歳の頃から庖丁を握り、8歳から菓子作りにハマる料理好き。趣味と実益を兼ねて食メインの編集兼ライターになり、気付けば20余年。酒は弱いが、味は好き。甘いものはいくらでも。食べたいものを好きなだけ食べられる健康的な身体造りを目指し、週2回の筋トレに励んでいる。
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