一日の余韻をゆったり楽しむ、癒しのティータイム。『tea room mahisa 三宮店』
多彩な紅茶を秘密めいた空間で
市内に3店舗ある中で、40年近く親しまれる1号店が三宮店。
「元来、お酒も好きで、当初から“バーのような紅茶屋”をイメージしていました」という店主の松浦将年さん。バックパッカーとしてアジアを放浪した経験から、地元神戸でも日常の飲み物として紅茶の魅力を広めたいとの思いが原点にある。ビル地下に広がる空間はアンティークを配した、どこか秘密めいた雰囲気。開店当時は、界隈に紅茶専門店などなかった頃、夜もくつろげる貴重なティールームとしてファンを広げてきた。
可能な限り産地直送で仕入れる紅茶は、飲んだ時に味わいの個性がはっきりと異なる銘柄をセレクト。国産を含む常時13~14種類ほどを揃える。時季ごとに新しい茶葉を入荷するため、旬の産地の茶葉や希少な銘柄が登場するのも楽しみの一つだ。
カップではなく茶碗で味わう一杯は、専門店とはいえ堅苦しさはなし。もちろん紅茶はポットサービスで、たっぷりのミルクと差し湯と共に、自分好みの味で楽しめる。「正解はないので、ルールや型にとらわれず、紅茶の魅力を感じてほしい」と、多彩な茶葉や飲み方の提案で、紅茶の新しい楽しみ方を広げている。
看板のミルクティーは濃厚にして芳醇
「おいしいミルクティーを広めたい」と、看板メニューとして推してきたのがミルクティー。通常の2倍以上のリーフを贅沢に使用。深く、濃く淹れた紅茶とたっぷりのミルクと溶け合う、お酒にも負けない芳醇な味わいが魅力だ。
多彩な茶葉のなかでも、店の代名詞ともいえるのが、アッサムのミルクティー。独特の燻した様な香りと共に、ミルクと合わせた時の分厚い旨みは他の茶葉とは別格。まろやかな甘さがじんわりと染み入るよう。また、発酵の深いルフナ・ストロングなら茶葉のコクや渋みが凝縮した、どっしりとした飲みごたえに目を見張る。片や、ケニヤは、あっさりとした飲み口で、青みがかった華やかな香りが印象的だ。
「和食のダシと同じで、茶葉によって淹れ方や合わせるものを変えて、それぞれ個性を楽しんでもらえれば」と松浦さん。
さらに、メニューにはストレート向きの茶葉もあり、思わず目移りしそうだが、迷ったときは、自分の好みの味を伝えておすすめに委ねるのもいい。
幅広いアレンジの効いたチャイ
「実は、最初は“異国茶屋”として始まって、今よりアジアンテイストが濃かった」という。その頃から定番として供する、マヒシャの原点のチャイも、幅広いアレンジで人気。ジンジャーやハニーといったお馴染みのものから、どっさり山盛りになったシナモンに目を見張るシナモンチャイ、チョコを合わせたチャイショコラ、さらにラムやウイスキー入りまで個性派揃い。ミルクティーともひと味違う、取合せの妙が評判だ。
「紅茶と言えばアフタヌーンのイメージだけど、最近は飲み方も広がってきて、夕食後にポットティーを楽しまれる方、食後に酔いを冷ましてから帰ろうというお客さんも増えました」と松浦さん。女性が中心だった客層も、最近では男性のファンも増えているとか。
駅前の喧騒を忘れさせる隠れ家的な空間は、心なごむ穏やかなひと時を約束してくれる。ひとりカフェを楽しむのにぴったりの場所で、アフタヌーンならぬイブニングティーとしゃれ込むのも一興。秋の夜長、たっぷりの紅茶と共に、ゆっくりと更けゆく夜に浸ってみては。
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- 店名
- tea room mahisa 三宮店
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区下山手通2-1−12 エイコービルB1
- 電話番号
- 078-333-7451
- 営業時間
- 13:00〜22:00、土曜12:00~、日曜12:00~21:00
- 定休日
- 無休
- 交通
- 各線三宮駅から徒歩5分
- 席数
- テーブル30席
- メニュー
- ポットティー800円、チャイ、シナモンチャイ750円、チャイロワイヤル850円、スコン(クロテッドクリーム付き)850円、ヴィクトリアサンドイッチケーキ730円。
- 外国語メニュー
- 英語
- 公式サイト
- https://www.tete.co.jp/
- https://www.instagram.com/kobe.mahisa/

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