賞味期限10分!?京都『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』で不動の人気No.1モンブラン

2016年の登場から注文数トップの人気は未だ衰えず。京都の老舗商店街に栗好きを呼び寄せ続けている名物モンブランの‟賞味期限10分“の秘密を改めて聞いてみた。さらに、密かに人気の季節限定モンブランもご紹介!

賞味期限が、たった10分?

「京都三条会商店街」と言えば、東西800mのアーケード下に約180軒もの店が並ぶ、西日本最大級の老舗商店街。その一角に、『Sweets Cafe KYOTO KEIZO(ケイゾー)』が誕生したのは、2016年の春のこと。そんな新顔を瞬く間に有名店へと押し上げたのが、登録商標も取得している看板スイーツ‟賞味期限10分モンブラン“だ。

『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』外観
店が建つのは、堀川通から少し西に入った黒門通のほど近く。軒下には “10分モンブラン”と書かれた大きな垂れ幕がかかっている。
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「カフェでしか提供できない、スペシャルなスイーツをお出ししたかったんですよ」。出来たてプラスアルファの魅力をと、洋菓子職人歴40年を超えるグランパティシエの西田敬三さんが思い付いたのが、自身が得意とする焼きメレンゲを使ったモンブランだった。

上下の温度をごくわずかに変えて3時間じっくり焼き上げたメレンゲは、サクッとクリスピーながら、口の中でシュワッと溶けるエアリーな口どけが持ち味。これをモンブランクリームの土台にすることで、夢のような味わいを叶えた。

『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』10分モンブランの土台
こちらが10分モンブランの土台となる焼きメレンゲ。メレンゲの下には栗と相性の良いヘーゼルナッツ風味のスポンジを敷き、味に奥行きを生んでいる。
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ただし、軽さゆえの弱点があった。サクサクのメレンゲはモンブランクリームの水分を吸いやすく、独特の食感は10分ほどで失われてしまうのだ。そして、ここからのアプローチがこの店の巧いところ。その弱点を逆手に取って「賞味期限10分モンブランと」命名。儚すぎるおいしさを強烈な武器へと転換させたのだ。

かくしてその提案は大成功。ガラス越しに仕上げの工程を見られる楽しみも相まって、一気に話題沸騰。登場から9年経った今も、不動のNO.1メニューとして君臨し続けている。

『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』の賞味期限10分モンブラン
賞味期限10分モンブラン1300円。和栗の味とメレンゲの食感を最大限に生かすために、生クリームはデコレーションの土台にごく少量使うのみ。ラム酒で香り付けしたチョコレートソースで味を変えながらいただく。
『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』の菓子工房
菓子工房があるのは、ヨーロッパテイストの中庭奥。遠めではあるけれど、店内からも作業風景を眺めることができる。
『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』の10分モンブラン仕上げ工程
和栗ペーストを最低限の生クリームとシロップでのばしたモンブランクリームは、圧倒的な栗の存在感。
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季節限定モンブランもおすすめ

「栗を使わない、季節限定モンブランもおすすめですよ」。そう話すのは、オーナーの山口剛史さん。春は桜、夏は抹茶、秋はほうじ茶と、季節に合わせて展開しているモンブランクリームは、実は和栗ペーストではなく、白餡をベースにしている。

自慢の焼きメレンゲを土台に使いつつ、あえて栗を使わない仕様にしているのは、せっかくの和栗ペーストに他の風味を足すのは勿体ない、純粋な栗の味を生かすのが一番おいしいという譲れない考えがあるからだ。

『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』の賞味期限10分モンブラン ほうじ茶
9~11月中旬に登場する賞味期限10分モンブラン ほうじ茶は1380円。白餡にほうじ茶、生クリーム、牛乳、ホワイトチョコレートなどを複雑に配合した特製クリームは、白餡のほっくり感が栗に似たニュアンス。
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今年はこの季節限定モンブランに、12月過ぎからチョコレートが新登場する予定。現在スタッフ総出でレシピを練り上げているそう。さて、今度はどんなこだわりが込められるのだろうか。

『Sweets Cafe KYOTO KEIZO』店内
京町家の床や梁を生かしつつリノベーションした店内は、スタイリッシュだけれど温かみあるムード。ガパオライスやキッシュプレートなどの軽食も楽しめる。
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