兵庫・芦屋『京料理 たか木』高木一雄さんが作る「だし香る鶏とトマトのスープ」

兵庫・芦屋『京料理 たか木』高木一雄さんが作る「だし香る鶏とトマトのスープ」

お家でキャンプ飯

2022.09.26

文:「あまから手帖」編集部・森 千尋 / 撮影:コーダマサヒロ
料理制作:高木一雄

本誌にて連載中の「Yes, solo camp!!」も第10回。今回は、世界で活躍する日本料理人『京料理 たか木』の高木一雄さんにご協力いただきました。炭・麴・だしといった“和食の知恵”をいかしたキャンプ飯の数々から、「だし香る鶏とトマトのスープ」を抜粋。おいしさの秘訣は仕込みにありました!

目次

キャンプ飯の開発にも取り組むシェフ 「麹」を利用した仕込みが大切 「だし香る鶏とトマトのスープ」、どう作る? “できることは事前に”スタイル

キャンプ飯の開発にも取り組むシェフ

大学在学中に『北乃大和屋』で修業を開始した高木さん。2005年、芦屋に自店を開きました。2019年には「マンダリン・オリエンタル・バンコク」にある日本料理店『Kinu by Takagi』を監修。また、「ザ・ペニンシュラ東京」ほか国内のホテルでの食の監修も行っています。2022年秋には、「F1シンガポールGP」に2度目のゲストシェフとして参加するなど、イギリス留学で培った語学力を活かし国際的に活躍中。また、連載撮影時のロケ地・後川新田に、食品の製造工場とBBQサイトを今後オープン予定です。

「旅行するのは好きですが、食べたいのは自分の作る料理(笑)。となると、キャンプという選択は必然的でした。“もし和の料理人が本気でキャンプ飯を作ったら”という視点で、2年ほど前から『BBQグルメセット』の開発にも取り組んでいます。今までは夏季だけの限定販売でしたが、製造工場が完成すれば、通年販売も可能になるはずです」。

キャンプ中の『京料理 たか木』高木一雄さん

「麹」を利用した仕込みが大切

“コロナ禍でも行きやすいキャンプは、料理人にとっての新たなステージになるのではないか”。そこから炭・麹・だしといった和の要素を組み込んだ、キャンプ飯の開発を進めてきた高木さん。本誌連載でもその想いを語ってくださいました。

例えば、食材を柔らかくするために、家庭ではビールやハチミツなどを使用することがあります。そんな中、今注目されているのは日本の麹。麴には肉の繊維を切断し、柔らかくする酵素が含まれています。牛・豚・鶏・魚介…食材問わず、高木さんのキャンプ飯には麴が登場します。

今回ご紹介する「だし香る鶏とトマトのスープ」も同様です。麴の効果で、ジューシーながらも柔らかく、プリプリした食感を楽しませてくれる鶏肉! トマトの酸味が食欲を増進させ、キャンプだけでなく、食卓のメインを張れる「スープ」です。

「だし香る鶏とトマトのスープ」、どう作る?

兵庫・芦屋『京料理 たか木』だし香る鶏とトマトのスープのレシピ

【材料】2人分

・鶏モモ肉…1枚(250g)
・塩麴…大さじ2
・トマト(缶詰)…1缶(120g)
・蒸し大豆…120g
・シメジ…60g
・マッシュルーム…80g
・サヤエンドウ…25g
・合わせだし…500g
・砂糖…少々
・塩…少々
・濃口醬油…大さじ1
・水溶き片栗粉…適量
・サラダ油…適量

【作り方】

鶏モモ肉は一口大のそぎ切りにし、塩麴を加えて揉み込み、冷凍庫で4~5時間なじませる。
シメジは石づきを取り、マッシュルームとともに適当な大きさに切る。
フライパンにサラダ油を熱し、②と蒸し大豆を中火でさっと炒める。
トマト(缶詰)をミキサーにかける。
鍋に③と④、合わせだしを入れて火にかけ、砂糖・塩・濃口醬油で味を調える。水溶き片栗粉でとろみをつける。
サラダ油を引いたフライパンを熱し、解凍した①を入れて弱火で両面焼く。焼き色がついたら⑤に投入する。
⑥にサヤエンドウを適宜切って加え、ひと煮立ちさせたら完成。

兵庫・芦屋『京料理 たか木』だし香る鶏とトマトのスープの仕込み

“できることは事前に”スタイル

料理は趣味でもあるという高木さん。なかでも下ごしらえ(仕込み)が一番好きなのだそう。「テントの設営に時間を取られるキャンプですが、仕込みをしておくことで時短にもなります。前日の夜に仕込んでおけば、現地ではしっかり麹やだしが染み込んだ、おいしい柔らかなお肉が食べられますよ」。

「だし香る鶏とトマトのスープ」以外にも、「イカとエビのクミン麹」や「桃のクランブル ココナッツアイス添え」など、炭・麴・だしを生かしたメニューを提案くださった高木さん。キャンプ飯の通年販売を目指した試作の様子は、2022年10月号の巻末連載にて。

■店名
『京料理 たか木』
■詳細
【住所】芦屋市大原町12-8
【電話番号】0797-34-8128
【営業時間】12:00~15:00、18:00~22:00
【定休日】不定休
【お料理】昼 / コース8000円、夜 / コース18150円。日本酒1合1500円~、Bワイン15000円~。

あまから手帖/2022年10月号

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