大阪の人に食べてほしいたこ焼き

大阪の人に食べてほしいたこ焼き

覆面調査の現場より

2023.08.31

文:「あまから手帖」編集部・米川夏美
撮影:竹田俊吾

中崎町商店街にあるたこ焼き「うまい屋」。創業は今年で70周年。大阪に住んでいながらこのたこ焼きを食べたことない人は絶対に食べてみてほしい、お薦めする理由がある。

目次

世界中に広がるたこ焼き文化 ソースなしでも美味しい、「うまい屋」のたこ焼き 火事の跡が残る看板 店舗情報

世界中に広がるたこ焼き文化

9月号のキタ特集で、日本コナモン協会の会長である熊谷真菜さんに「うまい屋」をご紹介いただいた。

熊谷さんは、動画配信サービス「Netflix」の「ストリート・グルメを求めて: アジア」に出演されており、その中でこの「うまい屋」が出て来る。全世界で配信されていることもあり、「うまい屋」には海外客もたくさん押し寄せる。

私が行った日にも、海外客を見かけた。メインメニューはたこ焼きしかないから、外国人にとっても注文は簡単だなとふと思った(夏季限定でかき氷のメニューはある)。

「うまい屋」たこ焼きを作るところ右が四代目の喜多泰造さん。左はお母様。

ソースなしでも美味しい、「うまい屋」のたこ焼き

あくまで大阪生まれ、大阪育ちの私の感覚だが、大阪人のほうが店でたこ焼きを食べる機会が少ないと思う。実際私もこの仕事に就くまで、自宅や友人の家でしかほとんどたこ焼きを食べる機会がなかった。

だから「うまい屋」のたこ焼きを食べたときは衝撃だった。

まずはソースをつけずに。ソースなしでも十分美味しい、味がしっかりしている。外側のカリッとした食感のあとに、中のもちもちトロトロが。ペロッと一皿8個入りを食べ切って、「たこ焼きってこんなに美味しかったんだ」と思った。

たこ焼きを身近に感じてきた大阪人にこそ、ここのたこ焼きを食べてみてほしい。持ち帰らずに、店で食べるほうがより美味しさを実感できるのでお薦め。

出来あがるのを待っている間、フチのない銅鍋や、それを巧みに操りながら丸いたこ焼きを仕上げていく、四代目の喜多泰造さんの手さばきを眺めているのも圧巻だ。

「うまい屋」たこ焼きを作る手元たこ焼き8個480円。

火事の跡が残る看板

「うまい屋」の店の上にある看板には、隣の火事の火が燃え移った痕跡が残る。一時休業したこともあったが、そんな困難も乗り越え、現在も地域に愛され続けている。

「うまい屋」店前中崎町商店街の、天満側の入口からすぐ。

今や世界に広がる日本食だが、正しいたこ焼き文化を世界に知ってもらうためには、まずは私たちが“本物”を知るべきだと感じた。

■店名
「うまい屋」
■詳細
【住所】大阪府大阪市北区浪花町4-21
【電話番号】06-6373-2929
【公式サイト】https://kckj800.gorp.jp/

意外とコワくない北新地の鮨店、一見でも居心地の良いお初天神の酒場、ご飯が見えない天満の鰻重など、梅田にキタくなる良店満載。

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