松岡 充さん(前編)「行く度にパワーもらえる」20年来通う大阪の店

松岡 充さん(前編)「行く度にパワーもらえる」20年来通う大阪の店

関西ファン !

2024.02.29

文:あまから手帖編集部・伊藤志織

関西ラバーな著名人インタビュー連載「関西ファン!」今回のゲストは、ロックバンド「SOPHIA」のボーカル、松岡 充さん。2024年3月10日にフルオーケストラと創り上げる、一夜限り且つ大阪だけで行うという貴重なコラボレーションステージ「SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール」を開催します。大きなチャレンジに挑む想いと、「行く度にパワーがもらえる」という大阪の2軒をご紹介します。

目次

結成30年目の初挑戦 大阪の2軒「愛はトップクラス」

結成30年目の初挑戦

松岡さんは、大阪・門真市生まれ、青春時代は兵庫・高砂市で過ごしました。1994年に大阪で「SOPHIA」を結成し、95年にデビューすると、瞬く間にスターダムにのし上がりました。ところが2013年に「SOPHIA」は活動を休止。9年という長い充電期間を経て、22年に復活、同年からライブ活動も再開しました。そして結成30周年を迎える2024年の大阪で、新たなチャレンジへと向かいます。

――「SOPHIA」として2024年最初の大規模なライブとなる「SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール」ですが、これまでのライブとの違いを教えていただけますか。

今回はフルオーケストラとロックバンドが融合するという形態が通常のライブとは全く異なります。一般的にイメージするオーケストラのコラボとは全く別格のものになると思います。

マエストロ西山さん率いる「シンフォニック・オーケストラ」の皆さんと当日限りのライブになるのですが、マエストロが今「SOPHIA」の既存の楽曲を全解剖して、オーケストラアレンジを行っている段階です。僕らの楽曲の再発見でもあり、ロックだけではなくて音楽の可能性を広げるような、間違いなく唯一無二のライブになります。

オーケストラは、幾重にも重なったそれぞれの音が、人間の複雑な感情を表現しているような感覚があります。ロックの世界とは遠い気がしますが、クラシックの世界も素晴らしいと思いました。自分たちの手に負えないほど大きな“音楽”というものを使って、いつも僕らを支えてくれている人たちに、もうひとつ新しい世界を届けたいという想いです。

松岡充さん前編「数えきれないほどライブをしてきた僕たちにとっても初めての、大変チャレンジングな試みです」。

――松岡さんたちにとっても新しい試み、ということであれば、これまで「SOPHIA」ライブに行ったことのない方も入りやすいかもしれませんね。

すっごく入りやすいと思うので、ぜひ来ていただきたいですね。 ロックバンドのライブっていうと、激しいイメージがあって敬遠される方もいるかもしれませんが、今回はオーケストレーション。音楽面に特化したライブになります。アップテンポな曲もありますが、座って音楽の波に身体と心を委ねていただく感じになるんじゃないかと。

オーケストラとロックというのは頭で考えると正反対なはずですが、それが融合する素晴らしさは、体感していただかないとわからない。僕はマエストロから届いたデモデータを聞いて、本当に涙しました。聴き馴染んだはずの自分達の楽曲が、こんなにも可能性が広がるのかと。それは理屈じゃなくて、音のダイナミクスが心を震わせるというか、音楽の凄さなんです。

大阪の2軒「愛はトップクラス」

――こうした大きな舞台に挑むときに、気合いを入れるために食べるものはありますか?

決まってこれ、というものはありませんが、ご褒美で好きなもの食べたいなっていうのはありますね。東京だと自分で作ったりしますが、大阪なら食べに行きます。

――そうなんですね! では、大阪で好きなお店を教えてください。

必ず行くのは、空堀商店街にある『もなみ』っていう洋食屋さん。本当に全部美味しいし、めちゃくちゃパワーが出ます。 メインはハンバーグなんですけど、牛肉のたたき、ハヤシライスも美味しいし…。ハンバーグはとろけますね~。で、自分でも作りたいと思ってとろける秘密をマスターから聞き出そうとするんだけど、絶対に教えてくれないんですよ。20年以上通ってて、めちゃくちゃ仲良くしてくださってるのに(笑)。でも実はひとつだけ教えてくれたんですけど、やっぱりマスターは食材にもこだわって、熟練の技で作ってるから、それだけじゃ全然、真似できないんです。

マスターは、人を大切にする方。例えば食材もただ安いところから買うんじゃなくて、商店街のお店で仕入れているんです。料理を通して地域の人たちと繋がっている。そういう人柄や心意気が味に出てるんですよね。毎回、動けなくなるくらい食べて帰ります(笑)。店内にはいろんな芸能人の方々の写真が飾ってありますが、僕が一番行ってると思います。各年代の僕がいますよ(笑)。

――愛がありますね。他にもありますか?

愛はトップクラスですね~。実はあと1軒、20年以上通ってるお寿司屋さんがあるんですけど…ずっと言ってなかったんですけど…どうしようかな…。

もういっか、言おう(笑)。いろんな大先輩の芸能人やミュージシャンの方々も言わないから、僕もずーっと隠してたんですけど、もうそんな時代じゃないですしね。

(大阪の)福島にある『ひろすし』さん。これも大将が素晴らしい料理人なんです。 僕の勝手な考察ですが、来た時の表情を見て、その時の気分とかまとってるストレスとかを見抜いて、何を出せば元気になるのか感覚的にわかるんだと思うんですよね。 で、おまかせで、ポンッ、ポンッと出てくる。

コロナがあってから変わっちゃたんですが、以前は醤油ベースの特製タレが刷毛と一緒に用意されてて。「塩」「刷毛」「そのまま」って指示があって、そのままに、「はい」「はい」って食べる(笑)。これがもう…フル懐石を食べたような…「腹いっぱい旨い寿司を食ったー!」っていう感じになるんです。

いまは笑顔も垣間見れますが、昔は怖かったんですよ。初めて行ったときなんて、まぁまぁ「SOPHIA」全盛期だったんですけど、「誰?」って言われましたもん(笑)。でも、美味しいから忘れられないんですよ。で、通っちゃうんです。「また来たんか」とか「そんなに人気ないんやろ~」とか言われながら、食べる(笑)。でも僕のライブに来てくれてから、めちゃくちゃ優しくなりました(笑)。「いい歌うたうねぇ、よかったよかった」って。

――愛嬌のある、面白い大将さんなんですね。

松岡充さん前編

――お店への愛が、溢れるどころか、噴き出していた松岡さんでした!後半では、研究熱心な松岡さんが、「自信があります」という“たこ焼き”を語ります。


松岡 充さん

大阪府出身。1994年に大阪でロックバンド「SOPHIA」を結成、95年にメジャーデビュー。200曲以上の全楽曲を作詞し、「街」「黒いブーツ 〜oh my friend〜」、阪神・淡路大震災の際に故郷への想いを込めた「Like forever」など数々の代表曲を持つ。また、テレビドラマや舞台でも主演を務め、俳優としても活躍。仮面ライダーのゲストライダーとして話題となって以降、同シリーズの主題歌を史上最多で担うアーティストでもある。「SOPHIA」としての活動は2013年に休止したが、22年に再開。23年秋に、グループ復活の旗として「あなたが毎日直面している 世界の憂鬱」をリリース。2024年3月10日(日)に「SOPHIA Premium Symphonic Night in 大阪城ホール」を開催。詳細

【公式サイト】https://www.7zoo7.com/
【SOPHIA公式サイト】https://sophia-eternal.jp/
【instagram】https://www.instagram.com/matsuokamitsuru0812/


Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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