朝からバインミー、が桜ノ宮のスタンダード!?

朝からバインミー、が桜ノ宮のスタンダード!?

今月の…お蔵入り

2023.01.30

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:赤鹿 摩耶

大阪・桜ノ宮に突如現れるベトナム! モーニングのバインミーはドリンク付きで400円という現地価格。誌面では紹介しきれなかった「とくべつ」とは…。

目次

まさかの家族経営だった 「オープン記念のまま値上げしづらくて…」 ランチには「とくべつ」がおすすめ これがベトナムスイーツか! 店舗情報

まさかの家族経営だった

1月号からスタートした連載「モーニングは三文の徳」。2月号では早くもアウトサイドに走りバインミーモーニングを紹介。JR桜ノ宮駅前に、どう見ても周囲になじまない異国情緒満開の店「バインミー・ウィン」はある。最近流行りのバインミー屋かと侮ってはいけない。ここは、ベトナム人が作る本気で本物のバインミー専門店なのだ。

外観黄色い看板の目立つこと…!

オーナーはベトナム人で、日本語ボランティアで出会った妻に「バインミー屋をやりたい」という願いを実現して店を始めたとか。しかし料理が不得手なのでベトナムから調理人経験のある弟を呼び寄せて、今は3人で切り盛りしている。なんとも複雑だ。しかし弟は現地のパン屋に住み込みで修業したり、ダナンで本場のバインミーを研究したりと、美味しさへの追求は並ではない。

バインミーモーニングセットモーニングの「たまごやき」。ドリンクセットで400円。

「オープン記念のまま値上げしづらくて…」

で、肝心のバインミー。連載の誌面では文字数が少なく、伝えたいことが全然書き切れなかった。とりあえずモーニングは4種で、「目玉焼き」は400円。ベトナムコーヒーなどのドリンクが付いてこの値段。「モーニングのパンは通常より小さめ」と言うが、ほぼ大きさは一緒。朝からこれ1本食べるの!? と及び腰になるも、自家製パンはサックサクで軽やかなので、ペロッとイケる。カリッと焼き上げた目玉焼きに、甘酸っぱい大根&人参なます、鶏レバーのパテ、パクチーなど、現地仕様の具がたっぷり。レバーと言っても臭みがないので苦手な人でも気付かないぐらいのレベルだろう。黒ゴマ入り自家製ソースとチリソース、マーガリンが具材に絡んで甘辛ウマい。

スタッフ弟のウィンさん(手前)の名から、「バインミー・ウィン」。

一番高いモーニングセットの「ウインナーとたまご」でも500円とは、なぜゆえこの破格…と聞くと「オープン記念で安く出していたら、そのまま値上げしづらくなって」とのこと。控えめすぎる。

バインミーのとくべつ一番人気の「とくべつ」650円。

ランチには「とくべつ」がおすすめ

そうそう、バインミー店にはどこでも、メニューの中で一番豪華な「スペシャルバインミー」がある。言うならばラーメンの「全乗せ」的な。ここではそれが「とくべつ」という名前だ。なます、ベトナムハム、甘辛く炒めた牛肉&豚肉、パクチーがモリモリに挟まっている。具が多すぎてパンが閉じない。

さすが「とくべつ」なだけあり、ベトナムの全ての味が詰め込まれているような食べ応えだ。バナナの葉に包んで蒸されたベトナムハムのエキゾチックな味が効いている。パリッ&ザクッと小気味良い食感のフランスパンも、永遠にかじっていたくなる。

チェーとアボカドミルクチェー500円(左)、自家製アボカドミルク450円。

これがベトナムスイーツか!

さらに誌面では載せられなかった「チェー」「自家製アボカドミルク」もご紹介。チェーはベトナムのぜんざいとも称されるが、似て非なるもの。ココナッツミルクにココナッツゼリー、アボカド、ロンナン(ライチのような果物)、ジャックフルーツ、パンダリン(ミカンの一種)、アボカド、バナナなどが浮かび、口の中が一気にトロピカルに。バナナとアボカド、ココナッツミルクで作った自家製アボカドミルクもどっしりとお腹にたまる。

と、朝の取材にもかかわらず暴飲暴食してしまったカメラマンと私。「でもヘルシーだからノンカロリーっしょ」と、このあともう一軒のモーニング取材に行ったのだが。

「桜ノ宮駅って用事がなければ降りないわ~」と言っているそこのアナタ、「バインミー・ウィン」は天満橋のOMMあたりに不定期でキッチンカー出店しているそうですよ。「本当に不定期すぎるのでインスタグラムで確認してください」とのこと。あと、10本以上から配達もしてくれるので、オフィスでバインミーランチってのもおシャレかと。

■店名
バインミー・ウィン
■詳細
【住所】大阪府大阪市都島区中野町4-17-12
【電話番号】080-9475-7668
【Instagram】https://www.instagram.com/bainmiuin/

掲載号
あまから手帖2023年2月号「コーヒー/珈琲/coffee/コーヒ」
サードウェーブが落ち着いた今、大人がじっくり味わいたいコーヒーとは何か!? ツウが気になるあの人も登場!

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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