
連載「芯を食らう」から幻の一品を
今月の…お蔵入り
2023年1月号から始まった連載「芯を食らう」。3回目となる今回は「河久」さんの手羽先。誌面には載らなかった、もうひとつの“美味しいもの”をご紹介します。
京都で“美味しいもん”に襲われる幸せ
地域ごとの連載。それぞれにテーマをもって、毎月お店や料理を紹介している。
京都のテーマは、「芯を食らう」。
どういう意味を込めてつけられたタイトルなのかは、ぜひ1月号を見ていただきたい。
連載が始まるにあたって、最初、ライターの中井シノブさんから、このタイトルでいきたいと聞いたときは、正直びびった。その時は、まだ中井さんにお会いしてなかったし、タイトルの字の並びが渋すぎて(笑)。
京都という街の深淵をのぞくような緊張があった。
そんなこんなで始まり、とにかく毎回美味しいものをいただいて、すでに3軒目(3号目)。
「河久」さんでは、2品の肉料理をご用意いただいた。河久手羽先とローストビーフだ。
撮影後にいただく料理はすでに冷めていることも多いが、河久手羽先は冷めても肉汁が溢れるジューシーさ。
店主の浅見さんのお気遣いで、後から出来立ても出してくださった。有難く、熱々にかぶりつく。
そこで中井さんが私にささやいた。
「これはビールでしょ? 」
…最高ですね!!!この日は仕事途中なので、ビールは我慢、我慢…。
河久手羽先(三本)990円。
そしてもう一品、誌面でご紹介できなかったローストビーフ。
きれいな桜色で、口に入れたら、とろける柔らかさ。最初はそのままで、次にワサビをのせて、更に醤油もつけて…と楽しんでいたが、あっという間に食べ終わってしまった。次は、一人で思い切り堪能したい。
ローストビーフ2970円。
実は、この連載には隠された法則が存在する。 というと大げさだが、中井さんが決めたルールはちょっとしたイタズラ心のようで、私は毎回、原稿が届いてそれを確認するのが楽しみなのだ。
「芯を食らう」というのを本当に理解するのは、やはり難しい。いろんな経験の後に体感するものかもしれない。
そういえば、「河久」さんは夏の間、床を出すとか。床を体験したことのない私。今年の夏は、中井さんをお誘いして経験値をあげてみようと思う。
■店名
『河久』
■詳細
【住所】京都府京都市中京区木屋町御池下ル上大阪町518
【電話番号】075-211-0888
【公式サイト】https://kawahisa.com/

あまから手帖2023年3月号『中華の町へ』
Writer ライター

あまから手帖 編集部
amakara techo