生駒山の桃源郷、ラッキーでハッピーなガーデンの裏話
今月の…お蔵入り
生駒人(?)なら知っている、「森のレストラン ラッキーガーデン」。20年ほど前からスリランカカレーのレストランとして愛されてきたこの店の、〝生い立ち〟を知る人は少ないと思う。取材すると「マジ⁉」な裏話が多すぎたので、書ける範囲でお伝えします。
ラッキーガーデン?何かのテーマパークかな?
「ラッキーガーデンの取材に行ってくれ」。カレー特集で命じられたミッションに、「???」となった。生駒山の中腹に20年前からあるというその店を、私は知らない(関西人じゃないから)。はたして訪れたその地は、スリランカ人と動物たちが迎える平和な楽園のようだった。
春は園内を桜が埋め尽くす。秋は紅葉が美しい。
本誌でも書いているので割愛するが、ガーデン内は「桜エリア」「羊エリア」に分かれており、「桜エリア」は予約のコースのみ、「羊エリア」はカレープレートや単品料理が味わえる。ちなみに「羊エリア」には羊はいないが山羊がいる。なんで「山羊エリア」じゃないんだろう。
朝はご近所さんが巨大なワンちゃんを放牧(?)している。なんて可愛いんだ
オーナーの意志、全無視。自宅が店に…
ここのオーナーは実はオーストラリアに住んでいる。東大阪の出身だが、アメリカに渡ってドクター免許を取得。専門は細胞診断学で、世界を股にかけて活躍する医学者なのだ。なぜここにレストランを?聞くと「家に居候していたスリランカ人が料理上手だったから」。もともと生駒のこの地には自分の家があったが、知人の紹介でやってきたスリランカ人がカレーパーティーを開くようになり、近所の人々が「ここ店にしたらええやん」と強引に事を運び、自分は追い出されたのだそうだ。なんつー話だ。
オーナーが追い出され、今はレストランになった元自宅
「本当は店出せない場所なんやけど、お偉方に友達が多くて、ウンと言わせた」「電柱が景色を妨げるので8本移動してもらった」とどこまで書いていいか分からないが、とにかくアイデアとフットワークと頭のキレがすごい。20年前にスリランカ料理をよくぞこの地で…と感嘆すると「100人に1人は好きって人がいるかもしれない。その分母が100万人だったらすごい数になるでしょ」。クレバーな人は何においても先見能力があるのだ。
春のSAKURAプレート2400円。季節によって内容は変わり、1800円~。
スリランカにない、オリジナルの焼きカレー1800円は平日限定
2017年にはミシュランのビブグルマンに選ばれた。日本のスリランカ料理店では初だそうだ。料理のクオリティは言わずもがな、何よりホスピタリティが素晴らしい。「自分たちが心地よいと思う空間にしたかった」との言葉通り、建物の構造から風の流れから景色の見え方まで、全て計算のもと、あるいは自然に任せてつくられている。
平日限定パリじゃが 4個 750円。名前から想像できなかったビジュアル!
スタッフも働いていて幸せそうだ。取材時は「5月8~10日はお休み。スタッフみんなでUSJに行ってきます!」とデカデカと貼られていた。
パラータ 1枚 420円。バターたっぷりのパイみたいな風味。
7~11月の金曜ナイトはバイキング!
そう言えば誌面で書き切れなかったが、7月~11月の金曜17~20時にバイキングを実施するらしい。カレーだけでなくスリランカの多彩な料理が食べ放題で3600円とな。それ泊まりがけで行きたい(テント持って)。でも確か、宿泊施設も作る予定とか言ってたような。まだかなあ。
ラッキーカレーナン(チキン/ベジタブル)600円はずっしりとカレーが入っている。焼くの大変そう!
■店名
『森のレストラン ラッキーガーデン』
■詳細
【住所】奈良県生駒市鬼取町168
【電話番号】0743-77-7936
【公式サイト】http://www.luckygarden.jp/
あまから手帖/2023年6月号
Writer ライター
あまから手帖 編集部
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