生駒山の桃源郷、ラッキーでハッピーなガーデンの裏話

生駒山の桃源郷、ラッキーでハッピーなガーデンの裏話

今月の…お蔵入り

2023.05.26

文:「あまから手帖」編集部・松崎聖子 / 撮影:佐伯慎亮、松崎聖子(5~7枚目)

生駒人(?)なら知っている、「森のレストラン ラッキーガーデン」。20年ほど前からスリランカカレーのレストランとして愛されてきたこの店の、〝生い立ち〟を知る人は少ないと思う。取材すると「マジ⁉」な裏話が多すぎたので、書ける範囲でお伝えします。

目次

ラッキーガーデン?何かのテーマパークかな? オーナーの意志、全無視。自宅が店に… 7~11月の金曜ナイトはバイキング! 店舗情報

ラッキーガーデン?何かのテーマパークかな?

「ラッキーガーデンの取材に行ってくれ」。カレー特集で命じられたミッションに、「???」となった。生駒山の中腹に20年前からあるというその店を、私は知らない(関西人じゃないから)。はたして訪れたその地は、スリランカ人と動物たちが迎える平和な楽園のようだった。

「ラッキーガーデン」園内全景春は園内を桜が埋め尽くす。秋は紅葉が美しい。

本誌でも書いているので割愛するが、ガーデン内は「桜エリア」「羊エリア」に分かれており、「桜エリア」は予約のコースのみ、「羊エリア」はカレープレートや単品料理が味わえる。ちなみに「羊エリア」には羊はいないが山羊がいる。なんで「山羊エリア」じゃないんだろう。

「ラッキーガーデン」で散歩していた犬朝はご近所さんが巨大なワンちゃんを放牧(?)している。なんて可愛いんだ

オーナーの意志、全無視。自宅が店に…

ここのオーナーは実はオーストラリアに住んでいる。東大阪の出身だが、アメリカに渡ってドクター免許を取得。専門は細胞診断学で、世界を股にかけて活躍する医学者なのだ。なぜここにレストランを?聞くと「家に居候していたスリランカ人が料理上手だったから」。もともと生駒のこの地には自分の家があったが、知人の紹介でやってきたスリランカ人がカレーパーティーを開くようになり、近所の人々が「ここ店にしたらええやん」と強引に事を運び、自分は追い出されたのだそうだ。なんつー話だ。

「ラッキーガーデン」桜エリアの店内オーナーが追い出され、今はレストランになった元自宅

「本当は店出せない場所なんやけど、お偉方に友達が多くて、ウンと言わせた」「電柱が景色を妨げるので8本移動してもらった」とどこまで書いていいか分からないが、とにかくアイデアとフットワークと頭のキレがすごい。20年前にスリランカ料理をよくぞこの地で…と感嘆すると「100人に1人は好きって人がいるかもしれない。その分母が100万人だったらすごい数になるでしょ」。クレバーな人は何においても先見能力があるのだ。

「ラッキーガーデン」羊エリアのプレート春のSAKURAプレート2400円。季節によって内容は変わり、1800円~。

「ラッキーガーデン」羊エリアの焼きカレースリランカにない、オリジナルの焼きカレー1800円は平日限定

2017年にはミシュランのビブグルマンに選ばれた。日本のスリランカ料理店では初だそうだ。料理のクオリティは言わずもがな、何よりホスピタリティが素晴らしい。「自分たちが心地よいと思う空間にしたかった」との言葉通り、建物の構造から風の流れから景色の見え方まで、全て計算のもと、あるいは自然に任せてつくられている。

「ラッキーガーデン」羊エリアのパリじゃが平日限定パリじゃが 4個 750円。名前から想像できなかったビジュアル!

スタッフも働いていて幸せそうだ。取材時は「5月8~10日はお休み。スタッフみんなでUSJに行ってきます!」とデカデカと貼られていた。

「ラッキーガーデン」のパラータ パラータ 1枚 420円。バターたっぷりのパイみたいな風味。

7~11月の金曜ナイトはバイキング!

そう言えば誌面で書き切れなかったが、7月~11月の金曜17~20時にバイキングを実施するらしい。カレーだけでなくスリランカの多彩な料理が食べ放題で3600円とな。それ泊まりがけで行きたい(テント持って)。でも確か、宿泊施設も作る予定とか言ってたような。まだかなあ。

「ラッキーガーデン」のラッキーカレーナンラッキーカレーナン(チキン/ベジタブル)600円はずっしりとカレーが入っている。焼くの大変そう!

■店名
『森のレストラン ラッキーガーデン』
■詳細
【住所】奈良県生駒市鬼取町168
【電話番号】0743-77-7936
【公式サイト】http://www.luckygarden.jp/

■誘導先
あまから手帖/2023年6月号

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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