台風直撃の日に取材できた奇跡。「楽洛亭」店主の男気に感謝!

台風直撃の日に取材できた奇跡。「楽洛亭」店主の男気に感謝!

今月の…お蔵入り

2023.09.25

文・あまから手帖編集部・松崎聖子:撮影・山口謙吾

覚えているだろうか、8月15日の台風直撃の日のことを。交通機関はほぼストップ、百貨店も休業。「楽洛亭 日本橋店」の取材もこりゃ延期だろうと思ったが、店主のおっちゃん(81歳)が凄まじい男気を見せた。

目次

懺悔します。店主の携帯を聞かなかった私が悪い取材1時間前につながった電話。「やりますよ」! 取材1時間前につながった電話。「やりますよ」! 店舗情報

懺悔します。店主の携帯を聞かなかった私が悪い

そもそも私が悪いのだ。通常、お店の取材をする場合は事前にロケハンし、店主と顔を合わせておくのが鉄則。しかし今回は異例中の異例で、ライターのうらともえさん(肉食家)が食事ついでにアポを取ってくれており、私は取材までに伺うことができなかった(挨拶に行こうと思った日に熱中症でダウンしてました)。

「楽洛亭 日本橋店」の外観日本橋で半世紀以上。昔は朝9時まで営業していたそうだ

なので店主の緊急連絡先を知らない。前日に「明日やめときましょうか」という連絡ができない。店に電話し続けても一向に出ない。で、15日の当日を迎えた。

「楽洛亭 日本橋店」の店内テッチャン600円、赤身盛合せ3人前2700円と破格

そもそも地下鉄もバスも動いていないので、カメラマンもライターも足がない。ただ、市内を走る地下鉄だけは通常運行していた。私は幸い、店のある難波まで行けそうだ。取材は14時から。カメラマンに「今日は店主が店に来れないので多分中止だと思うけど、私だけ現場に行ってみます」と伝えた。店主がいなくても置き手紙だけしておこうと考えたのだ。

だがカメラマンは「撮影できなくても構わないから、念のため僕も行きますよ!こちらも地下鉄動いてるし」とのこと。ありがとう山口さん…。

取材1時間前につながった電話。「やりますよ」!

そうして13時頃、ダメ元で店に電話をかけてみた。すると、出た。「今日、大丈夫ですか…⁉」の問いに、おっちゃん「やりますよ!」。

「楽洛亭 日本橋店」のガーリックステーキ焼くシーンガーリックステーキが名物。しこたまニンニクが摺り込まれている

ちなみにおっちゃんは店に住んでいるわけではないので、どこかから来てくれたのだ。しかもこの日は定休日なので、取材のためだけに。しかしどうやって来たんだろう。

小躍りしながらうらさんにも連絡し、タクシーで駆けつけてもらった。約束通りの14時から、何事もなかったように取材スタート。現場で思った、「この人たち全員プロ根性すごいなー!」と。

「楽洛亭 日本橋店」のタン切るところタンは手切りでこの美しさ!スライサー超えのカッティングスキル

おっちゃん淡々と肉を切る。うらさん焼きまくって喰いまくる。一部始終をレンズで追うカメラマン。外で雷がガラガラ鳴っているのを誰も何とも思わない。香ばしい煙に私の腹がぐうっと鳴っているぐらいだった。

「楽洛亭 日本橋店」でうらともえさんが食う「うらさん、いつも一心不乱に食べてるよ」とおっちゃんが言っていた

ああ、良い店だ。50年も続く歴史と、兄弟全員が焼肉屋をやっていること、「肉は生き物だからね」なんて話を聞きながら痛感する。

「今日よく来てくださいましたね」と改めてお礼を言ったら、「えっ、だって約束してたから」とさらっと返された。シビレるなあー!

「楽洛亭 日本橋店」でうらともえさんが食うおっちゃんはシャイなので決して写真には出ない

ちなみに3人前以上出していただいた焼肉、うらさんがペロリと全部平らげてしまった。あ、私この店の味をまだ知らない。今度食べにくるしかない。次は晴れてると嬉しいなあ。

■店名
楽洛亭 日本橋店
■詳細
大阪府大阪市中央区日本橋1-20-11
06-6633-2981
16:00~23:00(LO)
月・火曜休
日本橋駅から5分

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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