店内は浜田省吾尽くし。でも年配から子供まで集う「喫茶Sirara」の魅力
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一見、ほっこり系の古民家カフェなのだが。BGMはオール浜田省吾、店内も浜田省吾だらけ、なのに近所のご老人や主婦が普通にランチやモーニングに訪れる不思議な喫茶店を発見した。
表向きはハマショーを微塵も感じさせない
寝っ転がりたくなるほど落ち着く和空間
何も知らずに入ると「…ん?」となる。築90年ほどの古民家、ちゃぶ台のある座敷や縁側でくつろげる、一見ロハスな京都らしいカフェ。でも流れる曲が全部ハマショー。
ハマショー以外に、カフェ本各誌も置いてあるのでのんびりできますよ
店内には祭壇のような「ハマショーコーナー」もある。やけにリアルな肖像画や、「もっと自由でいいんだ もっと自分でいいんだ」とアツい歌詞が書かれたポスター。壁には「浜省10年ぶり新曲」の見出しが躍る新聞記事も貼られている。
言わなくても分かるが、店主の髙田充哲さんはハマショーファンだ。
知人が描いてくれたというハマショー肖像画
ハマショーの中に、ちょいちょいメルヘン
髙田さんが2011年に店をオープンした時は、ハマショー色を抑えめにしていたらしい。でもBGMなどからバレて、次第にハマショーファンが集うように。さらに彼らは自作したハマショーグッズを献上したり、「家に置いといてもカミさんが嫌がるから」などと持ち込んだりするようになり、今の状態に。
地元のイラストレーターが描いたというユニコーンのファンタジックなイラスト
「ハマショー居酒屋」はたまにあるようだが、「ハマショー喫茶」はだいぶレアだ。しかもこの店、ハマショーの中にちょいちょい「知り合いのイラストレーターが描いた」というメルヘンチックなパステル絵画が混じっている。
ハマショーとメルヘンのギャップたるや!
驚くことに「お客さんのほとんどがハマショーにあんまり興味ない人」だという。昼は近所のママ友がオムライスランチで長居し、朝にはご高齢の常連が毎日コーヒーで一服しに来る。休日は父子がケーキを食べに来る。こんなにハマショーに囲まれているのに、誰もが何の疑問もなくくつろいでいる。
小川珈琲出身の店主、さすがの身のこなし
さて店主の髙田さん、実はもともと「京都小川珈琲」直営店で長年メニュー開発などを担当しており、キッチン経験も豊富。だからコーヒーを淹れるのはもちろん、料理を作るのも手練れの技だ。
帽子に輝くハマショーのバッヂも誇らしげに見える
調理風景を見ると驚く。野菜のカッティングスキル、ウインナーの包丁入れ、オムレツの焼き加減、どれもが安定感があり所作が美しい。大人数分の料理を毎日、均一にこなしてきたからこそできる芸当だろう。
オムレツ&ウインナーモーニング800円。トースト&サラダのモーニングは580円。通常500円のコーヒーが付くから朝はかなりお得だ
もちろん店はちゃんとハマショーの聖地になっており、京都でライブが行われる際には、ファンが巡礼に訪れるという。「ある時は店内が25人ほどのハマショーファンで埋まった」というから、その日は相当な熱気に満ちていたことだろう。
オムライスはしっかりめに焼かれた卵にデミグラスソース。ハンバーグなどの一品、コーヒーまで付いて1000円
ハマショーファンは1人で来ていても同じ趣味を持つ人同士ですぐ仲良くなれるため、みんな相席を厭わず、この店で出会って友達になるケースも多いという。
そうだ、ハマショーが好きかどうかなんて問題じゃない。この店に来る理由は自由でいいのだ
そんな話を聞いていたら、なんかハマショーが好きになってきた。
■店名
喫茶Sirara
■詳細
京都市中京区壬生東大竹町21-4
075-406-1803
https://www.facebook.com/p/Sirara-100057319635169/
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo