大阪・花園町「一富久」はいろんな意味でやみつきになる店

大阪・花園町「一富久」はいろんな意味でやみつきになる店

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2024.02.01

文:「あまから手帖」編集部 / 撮影:百々武

この1年、何度も通った西成区。 ずっと居てたい、食べていたい、たこ焼きとイカ焼きの店に出合った。

目次

西成に通って一年。 この仕事していて良かった!と思える瞬間。 店舗情報

西成に通って一年。

2023年にスタートした、ミュージシャン豊田道倫さんが「街と店」のテーマで綴る「ダウン・バイ・ロー」。担当編集者として、1月号の「鍋や」に始まり、何度も西成区に足を運びました。

11月某日「ちょうど1年前かぁ」と少し懐かしい気持ちで、また西成の街を歩いていました。目指したのは花園町の「一富久」。2024年1月号の撮影のためです。

同じ西成でも、「鍋や」のある釜ヶ崎と花園町付近はまた街の空気感が違います。

花園町は、人の暮らしが感じられる下町の穏やかな雰囲気が漂うエリア。

「一富久」は、なんとも良い感じの風情が漂う花園本通商店街にありました。

「一富久」のある花園本通商店街 花園本通商店街のほのぼのした空気感が最高です。

この仕事していて良かった!と思える瞬間。

「一富久」はたこ焼きとイカ焼きのお店。地元客はもちろん、遠方からやって来る人もいる人気店です。平日の昼からひとりでビールとたこ焼き、なんてのもここでは珍しくない日常。

ちょっと他のたこ焼きの店で見られない光景といえば、一人あたりの注文量が多いこと。おかわりを求めるお客が多いんです。

とある男性は、席に着くと同時にたこ焼き10個とイカ焼きとビールを注文。あっという間にたこ焼きを食べ終えて、「おかわり頂戴」。

待っている間にイカ焼きを食べ進めて、追加のたこ焼きが来たら、「もう一つ生ビールと、ねぎのせ(たこ焼き)10個ね」。

主婦らしき女性2人も最初は「そんないらんわ」と言いつつ、たこ焼き10個といか玉をビールとともにペロっといったあと、「たこ焼き10個と(イカ焼きの)スペシャルも!」と自然に追加オーダー。

「めっちゃ食べるやん」とおもわず心のなかでツッコんでしまうんですが、本当に一皿「食べればわかる」。

大阪・西成の「一富久」のたこ焼きおすましセット(10個)700円。シンプルなたこ焼きはあっさりして食べ飽きない。そのままでも十分美味しいが、二杯酢をかけるのもお薦め。

お母さんと息子さんと娘さんと娘さんのお友達の4人で切り盛りする「一富久」。

お母さん曰く、「娘の友達も娘みたいなもん」だそうで、息子さんはイカ焼き担当、たこ焼きは娘さん達の担当。お母さんはサポートしたり、接客したり。

気心知れたチームワークで大量注文をテキパキさばいていく様子は圧巻です。

ピークタイムになってもピリッとした感じは一切なく、お母さんをはじめ、醸し出す雰囲気がほのぼの。

大阪・西成の「一富久」のカウンター席から。入口近くのカウンター席が一番の特等席かも。座れるとラッキー!

追加注文とともに永遠に居ついてしまいそうになるが、後に控える仕事のことを思い出し、、

心もお腹もすっかり満たされて店を出て、おもわず豊田さんにすぐメールしました。

「この店を教えてくれてありがとうございます」。

在ることに感謝したくなる店に出合えるのって、なかなかないことです。

■店名
『一富久』
■詳細
【住所】大阪府大阪市西成区花園南1-9-31
【電話番号】06-6657-0225
【営業時間】11:00~21:00(LO)
【定休日】月・火曜、不定休あり

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Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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