大阪・花園町「一富久」はいろんな意味でやみつきになる店
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この1年、何度も通った西成区。 ずっと居てたい、食べていたい、たこ焼きとイカ焼きの店に出合った。
西成に通って一年。
2023年にスタートした、ミュージシャン豊田道倫さんが「街と店」のテーマで綴る「ダウン・バイ・ロー」。担当編集者として、1月号の「鍋や」に始まり、何度も西成区に足を運びました。
11月某日「ちょうど1年前かぁ」と少し懐かしい気持ちで、また西成の街を歩いていました。目指したのは花園町の「一富久」。2024年1月号の撮影のためです。
同じ西成でも、「鍋や」のある釜ヶ崎と花園町付近はまた街の空気感が違います。
花園町は、人の暮らしが感じられる下町の穏やかな雰囲気が漂うエリア。
「一富久」は、なんとも良い感じの風情が漂う花園本通商店街にありました。
花園本通商店街のほのぼのした空気感が最高です。
この仕事していて良かった!と思える瞬間。
「一富久」はたこ焼きとイカ焼きのお店。地元客はもちろん、遠方からやって来る人もいる人気店です。平日の昼からひとりでビールとたこ焼き、なんてのもここでは珍しくない日常。
ちょっと他のたこ焼きの店で見られない光景といえば、一人あたりの注文量が多いこと。おかわりを求めるお客が多いんです。
とある男性は、席に着くと同時にたこ焼き10個とイカ焼きとビールを注文。あっという間にたこ焼きを食べ終えて、「おかわり頂戴」。
待っている間にイカ焼きを食べ進めて、追加のたこ焼きが来たら、「もう一つ生ビールと、ねぎのせ(たこ焼き)10個ね」。
主婦らしき女性2人も最初は「そんないらんわ」と言いつつ、たこ焼き10個といか玉をビールとともにペロっといったあと、「たこ焼き10個と(イカ焼きの)スペシャルも!」と自然に追加オーダー。
「めっちゃ食べるやん」とおもわず心のなかでツッコんでしまうんですが、本当に一皿「食べればわかる」。
おすましセット(10個)700円。シンプルなたこ焼きはあっさりして食べ飽きない。そのままでも十分美味しいが、二杯酢をかけるのもお薦め。
お母さんと息子さんと娘さんと娘さんのお友達の4人で切り盛りする「一富久」。
お母さん曰く、「娘の友達も娘みたいなもん」だそうで、息子さんはイカ焼き担当、たこ焼きは娘さん達の担当。お母さんはサポートしたり、接客したり。
気心知れたチームワークで大量注文をテキパキさばいていく様子は圧巻です。
ピークタイムになってもピリッとした感じは一切なく、お母さんをはじめ、醸し出す雰囲気がほのぼの。
入口近くのカウンター席が一番の特等席かも。座れるとラッキー!
追加注文とともに永遠に居ついてしまいそうになるが、後に控える仕事のことを思い出し、、
心もお腹もすっかり満たされて店を出て、おもわず豊田さんにすぐメールしました。
「この店を教えてくれてありがとうございます」。
在ることに感謝したくなる店に出合えるのって、なかなかないことです。
■店名
『一富久』
■詳細
【住所】大阪府大阪市西成区花園南1-9-31
【電話番号】06-6657-0225
【営業時間】11:00~21:00(LO)
【定休日】月・火曜、不定休あり
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo