純喫茶はマスターを写す鏡である
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丁寧に磨かれた窓ガラス越しに、「珈琲」と書かれた看板が見える。丁寧に折り畳まれた朝刊に目を通しつつ、丁寧に淹れられたコーヒーを飲む。
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「セブン」でいい気分
以前、松本隆さんが「神戸はコーヒーが美味しい街だね」と言っていたことを思い出す。東京には古い喫茶店なんて指折り数えるくらいしか残っていなくて、どんどん古い街が整理されてしまってつまんない、と。
確かに神戸には古い喫茶店が多い。最近はネオ喫茶なんて言葉も流行っていて、純喫茶らしい空間に、昭和レトロなメニューが揃えられた店も増えた。それはそれで清潔感があって好きなのだが、やはり歴史を重ねた老舗喫茶は魅力的だと感じる。
神戸三宮駅から徒歩10分ほど。交通量の多い山手幹線沿いにある喫茶「セブン」は、朝7時にオープンする。モーニングをやっているというのも、「古い喫茶店」であることのひとつの要素なのかもしれない。
薄緑の椅子、大理石のテーブル、シャンデリア…。数種類の朝刊は、丁寧に折り畳まれている。そこに、純喫茶特有の昭和ロマンを感じずにはいられない。朝刊のあり方から分かるように、きっとマスターは綺麗好きなのだろうと思う。椅子だってテーブルだって窓ガラスだってピカピカだ。創業から48年目の老舗だが、清潔感がある。
11時までは、好きな飲み物にプラス230円でモーニングセットにすることができる。種類はホットドッグセット、チーズトーストセット、フレンチトーストセット。甘さ控えめのフレンチトーストが、深煎りのキリッとしたコーヒーを誘う。
オープンに合わせて店名も「セブン」、だと思っていたが、どうやら違ったらしい。マスターの誕生日は7月7日。営業時間は全く関係ない。
お薦めのフレンチトーストセット230円。プラス70円でゆで玉子が付いてくる。
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo