大阪・江坂の、個性と創意が光る上等居酒屋

大阪・江坂の、個性と創意が光る上等居酒屋

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2024.02.28

文:あまから手帖編集部 / 撮影:下村亮人

ちょい呑みに向く気軽な酒場からハイソなレストランまで、飲食店が多く集まる江坂駅界隈。今回は、2023年2月移転リニューアルした、個性と創意が光る居酒屋に注目!

目次

日本酒と、割烹レベルの肴を。 取合せの妙と地元愛。 店舗情報

日本酒と、割烹レベルの肴を。

江坂駅近くの、古いグルメビル。その2階、カウンター8席のみ、3坪ほどの店舗で2021年にスタートしたのが「旨い肴と酒 ふるさと」だ。約1年半の営業を経て、2023年2月、全26席のゆったりとした店舗に生まれ変わった。

店主の米田勇太さんは「炭も使えるようになりました」とうれしそうな笑顔。料理もパワーアップした。

ここでは日本酒を中心としたお酒と、アラカルトでもコースでも割烹レベルの肴が楽しめる。その肴、「インスタ映え」するなんて声もある通り、見た目も美しいのだけど、なんといっても食材の取合せ方がユニークなのだ。

ふるさと、店主、店内、奈良店主の米田さん。以前の倍以上になった店舗は、奥さまに明るいスタッフ数名を加え、切り盛りする。

取合せの妙と地元愛。

例えば、春の訪れを告げるホタルイカは炭オイルで和えたアボカド、いぶりがっこ、すじ海苔、醤油の泡ソースと共に。ホタルイカにアボカドなんて不思議な取合せだけど、イカの甘いワタの風味とアボカドのコクを炭オイルやいぶりがっこの燻製香が橋渡しをして、これが合う。夏には鱧にずんだや、イカにブドウなんて一品も。

訊けば、食材の組合せはダジャレ(例えばブリといぶりがっことか…)や、王道の取合せを同色の食材での置き換えで発想することがあるそう。米田さんは学生時代にアルバイトで入ったJR奈良駅近くの居酒屋で10数年腕を磨いた。日本料理や調理師学校の道を通らなかったからこその自由さが料理から感じ取れる。しかし、五味(甘・塩・酸・苦・旨)のうち2~3種を一品の中に組み込むことにしているそうで、美味しさの礎にはやはり自由さだけでない、プロの視点が利いている。

日本酒は季節の料理に合わせて顔触れが変わるが、出身地の奈良の日本酒は必ず置く。自店のオープン時は大阪へ出たかったという米田さんだが、「ふるさと」の店名には地元への思いも含まれている。

王禄、ホタルイカ、肴、ふるさとホタルイカとアボカド。ホタルイカは氷見湾内で揚がったプリプリ。

和田山真央、レアカツ、和田山ブルー、鰆米田さんは器好きで現代作家ものも多く使う。鰆のレアカツは和田山真央さんの器で。

酒肴盛り、ふるさと、昼飲み、コースコースの八寸的な位置づけ、酒肴の盛合せ。この日は左から、イカの山椒漬け、干し柿の柚子皮巻、だし巻、ホタルイカふきのとう味噌、鴨のたたきと菜の花のからし和え、スナップエンドウとホタテの黄身酢和え、イチゴとクリームチーズの白和え、真鯛芽ネギ巻にマグロのこのわた醤油、トマトと桜エビ。

■店名
『旨い肴と酒 ふるさと』
■詳細
【住所】大阪府吹田市江坂町1-22-10 第1梓ビル1階
【Instagram】https://www.instagram.com/furusato_esaka

テーマは「地元密着」。外から北摂へ戻ったお店のストーリーから、新店情報が満載の「ほくほく北摂ニュース」、ご近所バー、ほろ酔いおでん酒場、毎日通いたいパン屋などなど。地元人へのアンケートや常連さんが映った写真も掲載しているので、あなたの知り合いが載っているかも!?

Writer ライター

あまから手帖 編集部

あまから手帖 編集部

amakara techo

1984年の創刊以来、関西グルメの豊かさをお届けしてきた月刊誌「あまから手帖」編集部。 旨いものを求めて東奔西走、食べ歩いた店は数知れず。パン一つ、漬物一つ掲載するにも、関西の人気店を回って商品を買い集め、食べ比べる真面目なチーム・食いしん坊。

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