日本料理のスイーツにひと言!
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日本料理で供されるデザート。和のスイーツや旬のフルーツを味わうのも奥ゆかしいけれど、デザート好きの店主が作る一品は、ハマると予想外のことにも……。
見た目“ドルチェ”に瞬殺!日本料理店のデザート。
日本料理のコースで最後に供されるデザート(用語としては果物や水菓子などと称されるが、ここではわかりやすくデザートと)。どこそこのメロンとか、柿とか、フルーツをシンプルに供されれば、それはそれで季節感と共に風情を感じるけれど、店主が独自のこだわりで出すデザートもまた一興。「高槻 天野」は後者の一軒だ。
それはあまから手帖3月号北摂特集の取材でのこと。
「懐石料理 桝田」出身の店主・天野恵明さんだけに、修業先ゆずりの見事な八寸をはじめ、大阪らしく真昆布のだしが利いた椀物など、趣ある料理を続々と。こちらも負けじと撮影続々と。
そして、デザート好きを自認する天野さん最後の一品が登場すると、目が釘付けになる。
細工が施されたグラス上部は赤いイチゴの層、真ん中の白い部分はゴマ、最下層の緑が抹茶。
グラスを倒すように横から見れば、ほかならぬイタリア国旗の配色。
まさにデザートならぬ、イタリアだけにドルチェか!
「食べたい」
ミラーレスカメラでシャッター音すら響かない静寂の撮影の中、
思わず心の声が漏れてしまった。
「えっ!?」
自分を除く皆が一斉に、我が耳を疑うとばかりに同じ声。
通常、取り分けられる品に関しては、撮影後スタッフ一同で有難く分け合っていただくが、取り分けにくいものは、書き手であるライターが食すというのが暗黙のルール。
「食べたい」
NOとはわかりつつ、もはや本能には抗えず、もう一声目は割とはっきりと。
結局、大爆笑の中、ライターをはじめ大人なスタッフ一同が独り占めを許してくれたが、
最近甘いものを見ると見境がなくなる。戒めなければならない……。
ともあれ、嬉しさと恥ずかしさがないまぜの複雑な気持ちで、スプーンでイタリアンカラーの三層をひと口に。甘いイチゴの果実味、ゴマの風味、香り高い抹茶の味わいが見事過ぎるハーモニーを奏で至極の味わいだ。
見た目はドルチェだが、イチゴにしろ、ゴマにしろ、抹茶にしろ、構成要素がしっかり和を感じさせてくれる。これぞデザートにおける日本料理の粋。
メニューは随時切り替わるため、毎回この“ドルチェ”が供されるわけではないが、もちろんこれから、“ドルチェ”を凌ぐデザートにも十分期待できそうだ。
■店名
高槻 天野
■詳細
大阪府高槻市芥川町1-15-4 ミドリ芥川第二ビル1階
☏050-1807-5606
https://takatsuki-amano.com/
Writer ライター
あまから手帖 編集部
amakara techo