デセール専門店の「作り立て」タルト。京都・清水五条『Harmonika』

スイーツを心から愛する京都人ライター、小林明子さんがときめいた、おすすめの最旬スイーツをご紹介します。今回は、『Harmonika』の、花のように美しいフルーツタルトです。

オーダーごとに仕上げる季節のタルト

フレンチレストランで腕を磨いた松本泰さんが、2年近くの間借り営業を経て2024年2月に開いたデセール専門店。カウンター越しに松本さんと言葉を交わしつつ味の好みを伝えて、果物を選んだりハーブ類の増減などを相談するセミオーダー感覚も楽しめる。

デセールといえば、作り立てが食べられるのが大きな魅力だが、『Harmonika』ならそれがタルトでも叶うのだ。テイクアウトでも、イートインと同じようにフルーツをカットするところから始め、目の前で仕上げてくれる。

空焼きして水分を飛ばしたパートシュクレ(タルト生地)にクレームダマンド(アーモンドクリーム)を流し、再び焼成。タルト生地をサクサク食感に仕上げるため、2度焼きする伝統的なレシピをあえて採用している。薄く敷き詰めるカスタードクリームの上に、花のように飾り付けるイチジクはみずみずしく、生地のバター感を一層引き立てる。食用花のペンタス、イチジクと相性が良いタイムの新芽を散らした佇まいは、贈り物はもちろん、自分ご褒美にもしたくなるはず。

ハーモニカのイチジクタルト
イチジクは10月半ばごろまでの予定。価格は時々で変わるが撮影時は2400円(4号、12センチ)。5号以上、ハート・角型などは1週間前に要予約。
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writer

小林 明子

kobayashiakiko

京都在住フリーライター。缶入りクッキー、ワッフル、薯蕷饅頭、そば餅…、これらの名店に徒歩で行ける京都市の烏丸御池近くに生まれる。自動的に甘いもの好きが出来上がりました。