季節で変化するガトーバスク。京都・御所南『アンソンドゥ パティスリー』

スイーツを心から愛する京都人、ライター・小林明子さんがときめいたおすすめの最旬スイーツをご紹介します。今回は、表面の模様や、季節の味にシェフの思いを感じるガトーバスク。

フランス伝統菓子と自家製チョコレートの専門店

高槻市出身の清水孝志さんは、地元のパティスリーを皮切りに、フランス菓子の第一人者である河田勝彦さんが1981年に開いた『オーボンビュータン』で腕を磨き、その後、フランスのサヴォア地方へ。

「河田シェフから、現地の空気感を学んで来ると良いよとのアドバイスをいただき、あちこちに出かけ、お菓子もたくさん食べました」。帰国後、東京のビーン・トゥ・バーでチョコレート作りも習得。2024年6月に『アンソンドゥ パティスリー』をオープンさせた。

フランス各地の名物菓子が並ぶ

朝8時の開店直後はクロワッサンやブリオッシュなどのヴィエノワズリーも並ぶが、メインに据えるのはフランス伝統の焼き菓子。おなじみのマドレーヌやカヌレから、アルザス名物のタルトフランベやサヴォア名産のアンコリまで、焼き菓子でフランス各地が巡れる趣向になっている。

なかでも目を引くのがバスク地方の銘菓・ガトーバスクだ。現地ではダークチェリーのコンフィチュールを入れるのが一般的だが、清水さんは「焼き菓子にも彩りを」という独自の発想で創作。夏は青梅のコンフィチュール、秋はイチジクの赤ワイン煮、晩秋は栗、冬は自家焙煎チョコレートなど、季節でフィリングを変えていく。表面の模様はバスク地方で見た海のうねりや波の反射を表現したオリジナルである。

アンソンドゥ パティスリー ガトーバスク
ガトーバスク470円。直径は8cmほど。現在のフィリングはマロン。
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【贅沢ガトーショコラ】濃厚チョコにうっとり。京都・西院『CAKE TAGU』

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writer

小林 明子

kobayashiakiko

京都在住フリーライター。缶入りクッキー、ワッフル、薯蕷饅頭、そば餅…、これらの名店に徒歩で行ける京都市の烏丸御池近くに生まれる。自動的に甘いもの好きが出来上がりました。