大阪・本格洋菓子店で、ブランドイチゴ「古都華」をたっぷり味わうスペシャルイベント

1969年、大阪・帝塚山に誕生した本格洋菓子店「ポアール」。モンブラン、プチシューなど創業時からの看板商品を大切にしつつ、新作も続々生み出し、北新地や『あべのハルカス近鉄本店』などに店舗を展開。大阪を代表するパティスリーの一軒だ。
そんな『ポアール 帝塚山本店』で開催された「KOTOKA Special Event」をルポルタージュ。

奈良の高級ブランドイチゴ「古都華」

「古都華」は、2011年に品種登録された奈良県生まれのイチゴ。古都・奈良を代表するブランドイチゴとして、人気急上昇中だ。
濃いルビー色で艶やかに輝き、見た目も華やか。糖度と酸味のバランスも良く、果肉がしっかりしていて、そのまま食べるのはもちろん、スイーツにももってこい。
そんな「古都華」の中でも、「これはとびきり香りも良くて、何より味が濃い!」と、「ポアール」グランシェフ・辻󠄀井良樹さんがほれ込んだのが、三郷町『CAP35』が作る「古都華」

『CAP35』の「古都華」は一味違う

奈良県北西部の三郷町は自然豊かなのどかな町。『CAP35』は、「農業で町を活性化しよう」と2019年に立ち上げられたNPO法人。季節の野菜を学校給食に卸す活動のほか、2020年に「古都華」の栽培をスタート。
「あるクッキングイベントで『CAP35』の「古都華」を試食して、ビックリ。すごく味が濃くて」と辻󠄀井さん。なぜこんなに違いが?「私たちは昔ながらの土耕栽培で作っています」とは、『CAP35』の中心的存在・松尾崇次さん。

グランシェフ辻󠄀井さん、『CAP35』の松尾さん
『ポアール 帝塚山本店』で開催されたイベント「KOTOKA Special Event」にて。グランシェフ辻󠄀井さん(右)と、三郷町から「古都華」を携えて駆け付けた『CAP35』の松尾さん(左)。
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デリケートな「古都華」は地面に触れると変色してしまう。生産者にとってもしゃがんだり中腰で作業するのは辛い。そこで奈良県内でたくさん作られている「古都華」は、ほとんど高設栽培(人が作業しやすい位置に株を設置し、養液栽培する方法)なのだそう。「けれど私たちはおいしさ優先で、土作りからがんばってます」と松尾さん。その違いを辻󠄀井さんは敏感にキャッチしたわけだ。以来、毎年イチゴ狩りに通い、とうとう『ポアール 帝塚山本店』で、スペシャルイベントを開催することに。

春満開のプレートに歓声

「奈良県 三郷町の古都華プレート」調理中
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早春の昼下がり。『ポアール 帝塚山本店』2階には、イチゴ好きが集結。早速、辻󠄀井さんが生産者の松尾さんを紹介します。「今日は、朝4時に朝摘みした「古都華」をたくさん持ってきてくださいました」。松尾さんも辻󠄀井シェフに認められてうれしそう。

「奈良県 三郷町の古都華プレート」配膳中
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そして「古都華プレート」が運ばれてきた。皆さんから歓声が。
キラキラと輝く「古都華」がたんまり。サンドウィッチにクレームブリュレ、ブランマンジェ、フィナンシェ、マカロンと、まさに春色満開のプレート。

107個も食べちゃった?!イチゴ好き辻󠄀井シェフ

まずはそのままで味わう。うん、確かにめちゃくちゃ濃厚だ。
「でしょ!僕は先日、畑に行って100個食べました」と辻󠄀井さん。すると松尾さんが「107個ですよ」と。「フルーツの中でもイチゴが一番好きなんですよー。三郷町のは特に、やめられません」

「奈良県 三郷町の古都華プレート」
心を込めて育てたいちごストーリーを聞きながら食べる「奈良県 三郷町の古都華プレート」3850円。最高のひととき。
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惚れこんだからこそ、スイーツには「古都華」のおいしさを最大限に生かす工夫が随所に。
甘さを極力抑えてイチゴの味を引き立たせるブランマンジェ。そのソースは、朝採れの小さ目の「古都華」をフォークで潰して作ったのだそう。「香りが抜けてしまうのはなぜか、冷凍したり、ペーストにしたり、色々試して検証した結果、やっぱりお出しする直前に、朝採れを使うのが一番だと分かりました」と辻󠄀井さん。ネパール原産のティムットペッパーをパラリで、さわやかな大人味に。
クレームブリュレは、程良く⽢く、「古都華」をたっぷり使ったソルベを載せて。
マカロンは『CAP35』の名前入り。

並ばずに買える「古都華」の穴場販売所

「口コミで三郷町の「古都華」のおいしさは少しずつ広まっているけど、そのぶん、⾏列に並ばないと買えないことも。三郷町の直売所ではより新鮮なものを待たずにすぐ買えますよ」との松尾さんの言葉に場がザワザワ。なんと耳寄りな情報。自動販売機もあるとのこと。いちご狩りの予約も受け付け中。5月末頃まで。これは行かねば!

「タルト・オ・フレーズ・古都華」、「古都華フロマージュ」
『ポアール 帝塚山本店』でも、4月末までの季節限定スペシャリテで「古都華」を味わえる。左から「タルト・オ・フレーズ・古都華」1404円、「古都華フロマージュ」1080円。
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「KOTOKA Special Event」の次回の⽇程は未定だが、また開催したいと考えているそう。すでに開催した2回とも、予約開始後すぐに満席になったため、逃さないようコマメにインスタ要チェック。

『ポアール 帝塚山本店』外観
帝塚山マダム御用達の本格洋菓子店『ポアール 帝塚山本店』。1階にはテイクアウトのショーケース。2階にイートインスペースが。
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writer

団田 芳子

danda yoshiko

食・旅・大阪を愛するフリーのフードライター。その地の歴史や物語を感じる食べ物・気質・酒が好物。料理人さんに“姐さん”と呼ばれると、己の年齢を感じつつもちょっとウレシイ。著書に『私がホレた旨し店 大阪』(西日本出版社)、 『ポケット版大阪名物』(新潮文庫・共著)ほか。