半﨑美子さん【後編】大阪の大人の街を歩いて生まれた恋の歌

前編では代表曲「お弁当ばこの歌~あなたへのお手紙~」や、2024年11月23日(土)に大阪『森ノ宮ピロティホール』で行われるコンサートについてお伺いました。続く後編では、ソウルフルな恋の歌「大阪恋時雨」や、お気に入りの大阪フードのお話を。

大阪から生まれた恋の歌

amakara.jp:
半﨑さんは、大阪を舞台にした曲も作られていますよね。
半﨑さん(以下、半崎):
天童よしみさんが歌ってくださった「大阪恋時雨」ですね。
先日出たラジオでもたまたまその話題になり、パーソナリティーの方が関西弁に違和感がないって言ってくださってとても嬉しかったんですよ。

「大阪恋時雨」は、実際に街を歩きながら、耳に入ってくる会話などを元にイメージを膨らませて書いた曲なんです。イントネーションはメロディーにのせるので気にしなくていいんですが、そのままふわっと乗ってきた歌詞が関西弁になっていたという感じで。

私は北海道出身なのですが、関西弁がすごく好きなんです。柔らかい印象があって。よく「~さん」っていいますよね。おはようさん、ありがとさん、みたいな。ほとけさんとか、天神さんとか、「様」が「さん」になることで距離が縮まるような気がします。
amakara.jp:
ちなみに、大阪のどこを歩いていたんですか?
半﨑:
北新地です。
amakara.jp:
確かに! 大人の恋がありそうな街です(笑)
半﨑:
ご当地ソングを作るのは好きなんですが、歩く場所が違っていたら、また別の歌が出来ていたかもしれません(笑)。
半﨑美子さんインタビュー2

関西のショッピングモールで

amakara.jp:
デビュー前から全国を回っていた半﨑さんですが、大阪で印象的なエピソードはありますか。
半﨑:
先日、ファンクラブ向けのイベントがあったんですが、ステージ上の私にすっごく普通にしゃべりかけてくださったんです。私も楽しくて、そのまましばらくトークが続くっていう事がありました(笑)。
amakara.jp:
半﨑さんの親しみやすさを踏まえても、それはすごいですね(笑)
半﨑:
本当に皆さん、ひょいって垣根を越えて来てくださるんですよね。私もどちらかといえばそういうタイプなので、大阪は波長が合うというか、大好きな同士に会える場所と言う感じです。

デビュー前に関西のショッピングモールでライブをしていた時も、ひとりで孤独にCDやポスターの準備をしていたら、世代に関わらず声をかけてくださった。小学生の女の子が一緒にチラシを配ってくれたり、飴ちゃんくれる人もいましたよ。そういう人情というか、サラッと楽しんで手を貸してくださるのが嬉しかったですね。

お気に入りは『551』の人気メニュー

amakara.jp:
大阪公演の際によく行くお店があったら教えてください。
半﨑:
あんまり外に食べに行かないのですが、『551』でよくテイクアウトをしています。この前食べた海鮮揚げそばはおいしかったですね~。カリカリの香ばしい麺に、プリプリのエビとイカとホタテ。餡もたっぷりかかっていて感激しました!
amakara.jp:
わかります、おいしいですよね。あのメニューのファンは多いと思います。

半﨑美子さんインタビュー2
好きな食べものにカヌレを挙げた半﨑さん。最近、感動したというのが、芦屋に本店を構える『ダニエル』のカヌレ。「差し入れでいただきました。箱に並んだ可愛らしい見た目と、さまざまなフレーバーがどれも大変味わい深かったです!」

教科書掲載、次の夢は?

amakara.jp:
さて、先ほど下積み時代のお話がありましたが、今年は「地球へ」が教科書に掲載されることになり、ひとつ大きな夢が叶ったそうですね。
半﨑:
そうなんです。自分の歌が、自分がこの世からいなくなっても歌い継がれていってほしいという思いと、歌の中で自分が生き続けるというイメージがあって。そのなかで、教科書に載るというのは、毎年子どもたちに歌ってもらうことで、世代や時代を超えていくということ。だから、夢が叶って本当に嬉しかったんです。
amakara.jp:
次の夢はありますか?
半﨑:
教科書に掲載されたことで、6月から全国の小学校を回り、特別授業を行っているんです。子どもたちは既に「地球へ」を歌ってくれていて、私はメッセージを伝えたり、一緒に歌詞の意味を考えたりしています。「ここは遠くの山に届くようにしようかな」とか。そうすると歌に著しい変化があって、私は思わず感動で涙してしまうんですけれど。石を集めたり、虫を探したりする子どもたちは、自然そのものじゃないですか。そういう自然と生きる子どもたちに歌ってもらうことに、大きな意味を感じています。だから、時間がかかっても、ご依頼いただいた学校に行き、一緒に歌について考えたいと思っています。
半﨑美子さんインタビュー2
国連に友人が勤務しているという半﨑さん。いつか国連で歌うことも次の夢ということで、英語を習い始めたことを、照れながら話してくれました。

profile

半﨑美子さん

シンガーソングライター

半﨑美子さん

北海道出身。単身上京して全国のショッピングモールでライブを重ねる。「ショッピングモールの歌姫」としてメディア等でも注目されるようになり、17年の下積みを経て2017年にメジャーデビュー。同年、「NHKみんなのうた」に向けて書き下ろした「お弁当ばこのうた~あなたへのお手紙~」などを収録したミニアルバム「うたべん」がロングヒット。「地球へ」が、令和6年の小学校の音楽の教科書(教育芸術者)に掲載が決定し話題に。9月より、「読売新聞創刊150周年記念 半﨑美子 コンサートツアー~「人生案内」と私~」がスタート。大阪は11月23日(土)森ノ宮ピロティホールにて。

writer

amakara.jp編集部

amakara.jp

関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。