関西の冬の風物詩をご自宅で。『中村軒』の白味噌ぞうにセット

明治16年創業の老舗菓舗、京都・桂の『中村軒』が販売する白味噌ぞうにセットを、五代目・中村亮太さんの作り方の解説とともにご紹介します。これがあれば、関西の冬の風物詩をご自宅で楽しむことができます。

冬になると『中村軒』ではメニューに白味噌ぞうにが登場。極めてシンプルながらファンが多い逸品です。詳細な配合や製法を明かすことは決してありませんが、なんと材料一式を揃えた調理セットの販売を開始(公式サイトからも注文可能)。簡易なレトルト様式も検討はしたものの「やはり風味が落ちるし、だしを引く楽しさとおいしさも知っていただきたくて」と、考案者で五代目の中村亮太さん。
その作り方のコツを徹底解説していただきました!

材料

  • 白味噌ぞうにセット

作り方

1
だしを引く。さっと水洗いした利尻昆布を水500㎖と共に小鍋に入れ、とろ火にかけて沸騰する直前で引き上げる。
白味噌ぞうにセットの作り方、セットの内容1
バランスを考えて選び抜いたこだわりの素材は、店と同様のものを使用。滋賀県産の小佐治(こさじ)米を杵で搗いた自慢の白餅2個のほか、旨み深い北海道産利尻昆布、付き合いの長い宮川町『山利商店』の上品な白味噌に、仕上げの削り節は堺町御池『福島鰹』から。
作り方の解説も付いた白味噌ぞうにセットは1箱(約2人前)780円(送料別)。要冷蔵で消費期限は4日。販売期間は11月~2月の冬季限定です。
※取材当時(2023.01.26)の価格です。
※販売期間は材料の調達状況により前後する場合がございます。
白味噌ぞうにセットの作り方、セットの内容2
白味噌ぞうにセットの作り方、だしを引く
「水道水でもだしを引きやすいよう、あえて昆布は多めの配合に変えています」。15分前後かけてゆっくり旨みを抽出するのが、澄んだ昆布だしを取るコツ。
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2
餅を下茹でする。小鍋に湯を沸かし、白餅を柔らかくなるまで下茹でする。
白味噌ぞうにセットの作り方、下茹でする
味を含みやすくすることが目的。だしで直煮すると風味が飛び、味も煮詰まってしまう。箸や金串が芯までスッと入るくらいが目安。
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3
だしに白味噌を溶く。白味噌を2/3量ほど溶き、1分ほど沸騰させる。
白味噌ぞうにセットの作り方、白味噌を溶く
「漉しながら溶くと口あたりが滑らかに。白味噌は沸かすことで、コクととろみが出ます」。白味噌を一度に溶かないのは、仕上げ直前に味見して、塩梅を微調整する必要があるため。
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4
餅を白味噌だしで煮る。③に水気を切った②を加え、1~2分煮立たせる。ここで味見をして薄ければ、残りの白味噌を溶く。
白味噌ぞうにセットの作り方、白味噌だしで煮る
柔らかくなった餅は崩れやすいので、そっと入れる。「ご家庭ならゴムベラを使うと餅がくっつきにくいですよ」。
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6
盛り付ける。餅をお椀の中央に盛り、静かに④の白味噌だしを注ぐ。仕上げの削り節はお好みで。
白味噌ぞうにセットの作り方、盛り付ける
「加えれば深みが増しますし、加えなければ精進料理としてお楽しみいただけます」。餅が1人1個で少ないようであれば別売の白小餅を買い足すのがお薦め。
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amakara.jp編集部

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関西の食雑誌「あまから手帖」(1984年創刊)から生まれたwebメディア「amakara.jp」を運営。カジュアル系からハレの日仕様まで、素敵なお店ならジャンルを問わず。お腹がすくエンタメも大好物。次の食事が楽しみになるようなワクワクするネタを日々発信中。