珍魚に酔えるビル奥酒場『造りと天ぷら うろこ屋』

「イラ」や「アオハタ」、「イワトコナマズ」など、品書きに並ぶのは、聞き慣れない魚ばかり。大阪・東心斎橋の雑居ビルに潜む『造りと天ぷら うろこ屋』では、最近話題の未利用魚を気軽においしく味わえます。

珍魚料理店の先駆け店

『造りと天ぷら うろこ屋』の開業は2013年。市場に出回ることのないため、未利用魚とも呼ばれるマイナーな魚の魅力にいち早く目を付けたことで知られる、超個性派の魚料理店です。

2018年に同じ東心斎橋エリア内、現在の雑居ビル最奥の1Fに移転。50名近くが入れる大箱から20席足らずの小箱に替わり、よりアットホームな雰囲気になりました。

仕入れは独自にルートを開拓した三重・尾鷲(おわせ)産を中心に、北海道からもスポットで時々。日替わりの品書きには、約12種類の珍魚が名を連ねます。

『うろこ屋』の外観
飲食ビル1Fの一番奥。赤い提灯が目印です。
『うろこ屋』の店内
珍魚について話を聞くなら、ぜひカウンターへ。テーブル席もあります。
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天ぷらは1個から注文可能!

「魚の持ち味をシンプルに味わっていただく、ベストな手法です」と、魚好きを公言する店長の三島宗彦さん。店名通り料理は造りと天ぷらが中心で、どちらも盛合せ5種なら1000円。少しずつ色々味を試したいという欲望を難なく叶えられます。

1個から注文できる天ぷらは、魚だけでも約20種。定番のナスや玉ネギのほか、パクチーや島らっきょう、芽キャベツなど、30種近く揃う野菜類の飽きないラインナップも魅力です。

『うろこ屋』の天ぷら盛合せ
天ぷら盛合せ5種1000円。この日はウツボ、トラギス、菜の花、アワビ茸、芽キャベツ。トラギスは中骨を揚げた骨煎餅付き。天だしか塩で。
『うろこ屋』の造り盛合せ
造り盛合せは5種1000円。この日は、もっちりした食感のイラ、八角、イワトコナマズ、タカノハ鯛、肝を使ってなめろうに仕立てたチゴダラ。造り醤油かヒマラヤ岩塩、土佐ぬた(葉ニンニクの酢味噌和え)で。
『うろこ屋』のまんぼう串焼き
腸を炭火で焼いた、まんぼう串焼き500円も人気。シンプルに塩とレモンで。ホルモンのミノに似た歯ごたえが印象的です。
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日本酒は常時約20種類

「入手困難な『新政』を常時置いているので、これ目当ての常連さんも多いですね」という日本酒は、華やかな純米吟醸からどっしりした飲み口の純米酒まで幅広く用意。

魚がかなりマニアックなので、日本酒は好みを選びやすいセレクトを心がけているそう。90㎖での注文が基本ですが、45㎖での注文も可能です。

『うろこ屋』の日本酒
「日本酒はできる範囲で蔵元に足を運んで選んでいます」と三島さん。
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締めは汁物でほっこり

さしみ茶漬けや鉄火丼なども良いけれど、締めの一品として密かに人気を集めているのが、「ごっこ汁」。ホテイウオという魚を使った北海道・道南地方の郷土料理です。

「鍋にするとあまりにおいしすぎて鍋が壊れるほどの奪い合いになるから、別名を“鍋壊し”というんですよ」と三島さん。ゼラチン質の皮のプルプル感が官能的。なんとも言えない濃厚な旨みが、じんわりと胃に染み渡ります。

『うろこ屋』のごっこ汁
ごろんと身が入ったごっこ汁は650円。呑んだ後に優しい味。独特の旨みにハマる人も多い逸品です。
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「短時間でサクっと呑んで帰られる方も多いですよ」と三島さん。ビルの奥に潜むユニーク酒場は、気取らないひとり呑みにもピッタリです。

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