世代を超えて愛される大阪・八尾『手打うどん白扇』のカレーうどん

創業は昭和48(1973)年。3代続く大阪・八尾のうどん処『手打うどん白扇(はくせん)』は、だしは毎朝引きたて。うどんは国産小麦を使った手打ちのみ。親子4人で営む温かな雰囲気も魅力です。

半世紀以上繋ぐ、麺とだし

「初代である父から教わった、麺とだしは変えていませんね」と、2代目の戸田克(かつみ)さん。旨みが清らかでホッと和むだしは、利尻昆布と枕崎産と焼津産の花ガツオに、圧削りのカツオ、煮干し、干し椎茸を使った朝引きたて。うどんは国産小麦粉と海塩、水だけの手打ちです。

2012年に長男の貴文さんが3代目を継ぐにあたり店は新築。2018年には三男の靖章さんも店に加わりましたが、「ウチの味を楽しみに通う常連さんを大切にしたい」と、味はそのまま。変わらぬ一杯を受け継いでいます。

『手打うどん白扇』の外観
欅の一枚板の看板が、『手打うどん白扇』の目印。
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名物は、だしの味光るカレーうどん

ざるうどんやきつねうどんなど、うどんは約20種も。なかでも半数以上が頼むのが、2代目の克さんが考案した、和牛肉のモモやラムイチなどをたっぷり使ったカレーうどんです。丁寧にとっただしの旨みを生かすために、カレールゥは香辛料控えめのまろやかな辛みの配合に。柔らかだけれど程よいコシのある手打ちうどんと、優しいハーモニーを奏でます。

『手打うどん白扇』のカレーうどん
『手打うどん白扇』のカレーうどん・和牛1100円。和牛のほか、天然エビや和牛すじ肉、つけ麺など5つのバリエーションから選べます。
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さりげないアテも充実

うどんのほか、卵焼きや無添加の白菜キムチ、コロッケなど、酒のつまみにもなる一品も10数品が揃います。なぜうどん屋に?と気になるローストビーフは、奈良でイタリアンカフェを営む妹さんから教わったもの。低温調理で仕上げた牛モモ肉は、しっとり滑らかな食感。うどん屋らしいたまり醤油ベースの和風ダレでいただきます。※ローストビーフは現在はブロックでの受注販売のみ。
コロナ禍を経て、テイクアウトや通販対応のメニューも充実させました。

『白扇』のローストビーフと桜エビのかき揚げ。
ローストビーフと桜エビのかき揚げ800円。※ローストビーフは現在はブロックでの受注販売のみ。
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店内中央に置かれた樹齢千年という欅(ケヤキ)の大テーブルを囲むのは、若いカップルに、家族連れ、祖母と孫、年配のご夫婦など、実に多彩な顔触れ。世代を超え、長年愛され続けているお店です。

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amakara.jp編集部

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