大阪・豊中駅近くに潜む『Natural Wine Shop&Bar Histoi』

ガラス張りのセラーに眠る約300種のワインを、ただ飲むだけでなく、買って帰ることも可能。ワインショップを兼ねた個性派バーは、フードもクセになるラインナップです。

豊中駅から徒歩3分!

阪急豊中駅の北側を東西に走る国道176号線から、ほんの少し北に上がるだけ。賑やかな駅近とはうってかわった静けさのある住宅街の一角に、『Natural Wine Shop&Bar Histoi(ナチュラルワインショップ&バー イストワ)』はあります。

「便利だけれど、落ち着いて静かに飲める場所を探しました」と店主の清水良晃(よしてる)さん。岡町での間借り営業を経て、2019年に豊中へと移転。理想の立地でのリスタートを叶えました。

『イストワ』外観
『イストワ』店内
ブビンガの一枚板を使ったカウンターの上に灯るのは、作家物のガラス照明。木と黒のスチール、グレーのセメントをセンス良く合わせた空間は、居心地よい柔らかな雰囲気。
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ワインを買うだけでもOK

「飲んで好みを確かめてから買えたら嬉しいなと、僕自身が欲しかったお店ですね」とワインショップとバーを兼ねた独自のスタイルを選んだ理由を語る清水さん。

ワインを学びたい気持ちを抑えきれず、大学を休学して渡仏。現地のレストランやビストロで働きながらソムリエ資格を習得したという、情熱的なワインラバーです。

『イストワ』店主
店主の清水さんは、大阪・枚方出身。フランス修業時代はワイナリーでも働いて、知識を磨いたそう。
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世界各国から取り揃えるワインは、クリーンな味わいの自然派を中心に、クラシックな銘柄から少しクセのあるタイプまでと幅広く。グラスワインでの提供は、なんと常時20種類!「飲まずに買って帰るだけでも大歓迎。相談にも乗りますよ!」と微笑みます。

『イストワ』のワインセラー
魅惑のワインセラーは出入り自由。販売価格に応じた抜栓料(1650~3850円)をプラスすれば、店内ワインセラーからの持ち込みは自由。飲みきれない場合は持ち帰れます。
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ときめく国境なきバーフード

「ワインありきで考えたおつまみです」という気合が入ったフードは、季節替わりで常時30品前後。

「発酵もの同士は相性が良いので」と赤ワインを使ったぬか漬けや塩麹風味のアヒージョのほか、燻製したパプリカをソースにした寒ブリやミントが香るチーズオムレツ、旬菜のパスタなど、かなりの充実度。創作性の高い自由なラインナップにときめきます。

前述したぬか漬けなら、少し香りにクセのあるオレンジワイン。シナモンが香るよだれ鶏なら、南アフリカ産のスパイシーなニュアンスが漂うロゼを。ワインのセレクトは清水さんに委ねるのが、何より楽しい近道です。

『イストワ』のぬか漬けなど
手前は霜降り寒ブリ スモークパプリカのソース770円。奥はワインバーのぬか漬け 赤ワイン仕込み330円。この日はハヤトウリ(瓜の一種)、紅芯大根、キュウリの3種。
『イストワ』のよだれ鶏
シナモン香るピリ辛よだれ鶏770円。ジンやショウガで風味付けした蒸し鶏を、自家製ラー油と八角やシナモンをかなり利かせた特製ダレでいただく仕立て。旨み豊かなシラー100%のロゼワインが抜群のマリアージュを奏でます。
『イストワ』のペペロンチーノ
アンチョビとブロッコリーのペペロンチーノ1320円は、生パスタ100ℊを使う大ボリューム。ブロッコリーをクタクタに煮込んでソースにする仕立ては、イタリア・プーリア州の伝統技法から。
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締めは酔えるデザートで

2種類ほどしかありませんが、ワインバーならではの〝アテになる″デザートもおすすめです。

定番はブルーチーズとラム酒をたっぷり使ったバスクチーズケーキですが、取材時に惹かれたのは、春先に登場するイタリア・ナポリの郷土菓子〝ババ″をアレンジした一品。

ふかふかの発酵生地にラム酒のシロップを含ませるところまでは一般的なレシピ通りですが、ここからひと工夫。ラム・ブランデー・バーボンの中から好きなお酒をひとつ、重ねがけできるんです。「ワインを合わせるなら、ハチミツのニュアンスがある濃厚な白がいいですよ」。なんとも洒落た嗜み方に、ますます酔いが進みます。

『イストワ』のババ・オ・ラム
ババ・オ・ラム880円は、リモンチェッロ(レモンのお酒)を利かせた自家製アイスと金柑のコンポート添え。写真のオレンジブランデーをかけると、リッチな味わいに。バーボンを選べば、スモーキーで大人な味を愉しめます。
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「家飲みのサポートに」と、自家製のパテ・ド・カンパーニュのほか、チーズやデザートなどフードの一部はテイクアウトも可能。ワインのある食卓を難なくグレードアップできる、素敵な提案に満ちています。