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住宅街のワインバー。締めはまさかの、本気のラーメン!京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』

酒どころである京都・伏見に、イタリアワインが主役の小さなバーがあります。物価高騰のご時世において、グラスワインは800円均一。さらにワインバーながら、専門店顔負けの本気のラーメンをはじめ、飲ませる料理も豊富なんです。

住宅街の路地に佇むバー

最寄り駅の京阪伏見桃山駅からは、歩いて5分ほど。細い路地にあるので、見逃さないように注意が必要です。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』内観
店内はカウンター席のみ。座り心地にこだわったというイスは、背中まですっぽりと覆ってくれて落ち着きます。
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「ワインはなんだか難しいとか、高級なイメージがありますよね。それを払拭したくて、うちでは20種類以上のグラスワインが800円均一。スパークリング(年代付きのシャンパーニュ方式)はこだわりの1種類を1300円で提供しています」と、店主の兒玉庄太郎さん。

わかりやすい価格設定だけでなく、ワインリストをあえて用意せず、会話しながら好みのものをセレクトしてくれるスタイルも気軽。ワイン初心者からワイン好きまで、誰もが肩肘張らずに楽しめるのが嬉しいですね。

ワイン嫌いがイタリアワインの道へ

「実は、ワインが嫌いだったんですよ(笑)」。お店をオープンした経緯を伺ってみると、そんな驚きの一言から始まりました。

2003年、料理人を目指して修業のためにイタリアへ渡ったという兒玉さん。言語の壁に直面して、一旦帰国してからの再スタートを考えていたそう。そんな折、現地のルームメイトが「一緒に飲まない?」と勧めてくれたワイン。「一口だけなら」としぶしぶ飲んでみたそうです。

「近所のスーパーで売っていたイタリアワインだったんですが、めちゃくちゃおいしくて!こんなにおいしいものを、今までなんで飲んでこなかったんだろう?と思いました。これをきっかけに、料理の道を捨ててワインの道へ進むことに決めたんです」

とにかく衝撃的だったというイタリアのワイン。その後、イタリアソムリエ協会が認定するソムリエの資格を取得。そこまでのめり込んだイタリアワインの魅力は?と尋ねてみると、「やはり食中酒として、ごはんのおいしさを引き立ててくれるところですね」。

元々は料理人。豊富な食事と、それに寄り添うイタリアワインを展開する現在のスタイルに行き着いたのも納得です。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』のスパークリングワイン
取材時にいただいたのはなめらかな喉越しの、高品質なスパークリングワイン「ミレジマート」の2016年。「自宅でもワインは飲めますが、お店で誰かと一緒に楽しむ時間は人生を豊かにしてくれますよ」。
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京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』にある証明書
イタリアのヴェネト州を代表する白ワイン「ソアーヴェ」。イタリアワイン大使館貿易促進部協賛による同ワインを日本に普及させるためのキャンペーンにて2022年にはソアーヴェ大使に任命、2023年と2024年には全国で第2位に選ばれるほどこの店で飲まれたそう。
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大充実の料理には伏見らしい一品も

ワインバーでありながら、「ここはレストラン?」と思ってしまうほどに食事にも力を入れているところも魅力。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』の「粕ぼなーら」
「粕ぼなーら」2500円。「酒粕は重めにしますか?ほんのり香る程度にしますか?」と事前に聞いてくれます(撮影:amakara.jp編集部)。
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酒どころという場所柄もあり、「蒼空」で有名な『藤岡酒造』の酒粕を使った「粕ぼなーら」なんて一品も。酒粕の優しい香りとまろやかな味わいが口いっぱいに広がります。

ほかにも常連に人気の燻製卵、季節のフルーツを使ったカプレーゼや兒玉さんの地元・宮崎名物のチキン南蛮など、軽めからしっかりお腹を満たすものまでバラエティ豊かなメニューの数々。なかでも締めにぴったりなのが、まさかのラーメン!

締めには人気の「鰐骨醤油ラーメン」

「ラーメン好きが高じて」とコロナ禍から本格的にスタートしたラーメンは、専門店にも引けを取らないほどのクオリティ。

一番人気は「トリュフ香る鴨ラーメン」。クロコダイルの尻尾の骨を圧力鍋で煮込んだ珍しい「鰐骨醤油ラーメン」、「エノテカ的冷やし中華」など、取材時は6種のラインアップでした。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』の「鰐骨醤油ラーメン」
「鰐骨醤油ラーメン」1800円。鶏よりも少し濃厚な奥深い味わいのスープは、軽めの赤ワインかしっかりめの白ワインが合うそう。「スープと一緒に味わうことでおいしくなるように」と、和山椒などが香る爽やかなハムも美味。
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釣りが趣味という兒玉さん。和歌山でカツオが釣れたときには、鰹節を使わずに頭と骨からスープを作ることもあるそうですよ。

2024年4月からはランチもスタート。ラーメンのほか、日替わりランチも人気です(要予約)。この日は、骨付き鶏もも肉のトマト煮込みをメインに、冷製クラムチャウダーやガスパチョ冷奴などが登場。ごはんはおかわり自由です。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』の「日替わりランチ」
「日替わりランチ」1000円(要予約)。ランチタイムのアイスコーヒーは+200円、ビールとワインは+500円と、夜より少しお得にいただけます。
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レストラン並みに料理が充実した、伏見の隠れ家的なワインバー。ワイン一杯でサクッと楽しむもよし、しっかりごはんと締めまで楽しむもよし。ここだけですべてが完結する、心強い一軒です。

京都・伏見桃山『イタリアワインEnoteca C.d.G』の外観
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