味な京都名物が買える、『祇園藤村屋』
contents
創業は天保年間
「始まりは乾物屋だったと伝え聞いています。私で8代目になりますね」と、店主の一浦(いちうら)靖博さん。
京都・四条通から縄手通を少し北に上がった西側に建つ『祇園藤村屋』の創業は、江戸時代の天保年間。現存する店として、祇園で一番古い食料品店だと言われています。
地ソースから湯葉や惣菜まで
所狭しと店内に並ぶ商品は1500品以上。その半数以上が、メイドイン京都です。「丹精込めて作られている、日常使いしやすい品を中心に集めています」と、靖博さん。
京都生まれの地ソース・ツバメソースは、定番のウスターソースからどろりとしたオリソースまで7種類を常備。そのほか、大正9年創業の湯葉専門店『三田久(みたひさ)』の濃厚な甘みと厚みがある「甘ゆば」、黒七味で有名な『原了郭(はらりょうかく)』の「黒七味カレー」など、セレクト感のある商品が並びます。
マストバイはちりめん山椒
魅力的なラインナップに悩みますが、一押しは何といっても「ちりめん山椒」です。
実はこちら、店主・靖博さんの母・美智子さんの手作り。5月に丹波や和歌山で採れる山椒の実を湯がいて急速冷凍して保存。販売する分をその都度炊き上げているそうです。
酒、みりん、醤油で品よく炊いたあっさりめの味わい。身が大きく酒のつまみに最適な「粗目(L)」と「細かめ」の2種類を作り分ける細やかな提案が素敵です。
自家製のお惣菜も充実
自家製商品は、まだあります。美智子さんがその時々の食材で手作りする日替わり惣菜は10品前後。あっさり炊いた京ゆばやご飯が進む甘辛い山椒昆布など京都らしい味から、ポテトサラダ、鶏肝煮まで多彩に揃っています。
「地元の昔馴染みにとっては、便利なスーパーのような存在。そこも変わらず大切にしたいんです。ふらりと冷やしあめを買われるだけの方も、大歓迎ですよ」と目を細める靖博さん。
京名物に交えて、大手メーカーの醤油や砂糖などの調味料やパスタ、カレールゥなどを置き続けるのも、そんな温かい想いが、理由です。
data
- 店名
- 祇園藤村屋
- 住所
- 京都府京都市東山区大和大路通四条上ル廿一軒町231
- 電話番号
- 075-561-0617
- 営業時間
- 10:00~18:30
- 定休日
- 日曜
- 交通
- 京阪祇園四条駅から徒歩2分
- メニュー
- 『清福堂』の京番茶200ℊ597円、『石野』の白味噌懐石500ℊ864円、ひやしあめ・あめ湯200㎖680円。