大阪・福島の劇場的カウンターフレンチ『Restaurant et Patisserie js(ジェイエス)』

オーストラリアやイギリスのレストランで総料理長を務めた長峯順三さんが営む小さな店でいただけるのは、美麗で繊細なフランス料理。食材ハンターでもあるシェフが太鼓判を押す鳥取のブランド牛や鹿肉の一品は、心に残るおいしさです。

世界で活躍したベテランシェフ

真っ赤な看板が目を引く『Restaurant et Patisserie js』があるのは、JR新福島駅からほど近い裏路地。カウンター8席のみの小さなレストランの厨房に立つのは、64歳のベテランシェフ長峯順三さんです。

長峯シェフがフランス料理の世界に飛び込んだのは18歳のとき。『オテル・ドゥ・ミクニ』(現在は閉店)でフランス料理の巨匠・三國清三シェフの下で修業した後に、20年に渡る海外での経験をスタート。シドニーにある世界的レストラン『Tetuya’s』のイギリス店総料理長などを務めた後に、2017年に同店開業で独立を果たしました。

『js』外観
店名のjsは、順三さんとパティシエールの奥様・幸恵さんお二人の頭文字から取ったそうです。
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鳥取食材が光る多皿コース

完全予約制で昼夜共に日替わりコースのみ。デザートを含めて10皿前後からなる少量多皿の構成。世界中で感性を磨いた長峯シェフならではのボーダーレスな仕立てを、目の前で繰り広げられる見事な調理風景やよどみない解説と共に楽しめます。

「日本の食材や調味料の再発見が大好きで、西京味噌はよく使いますね」と話す長峯シェフは、時間を見つけては世界各地を飛び回る、好奇心旺盛な食材ハンターでもある方。

近年は鳥取食材もお気に入りで、牛肉は鳥取のブランド和牛・鳥取和牛オレイン55を愛用。鳥取・赤崎漁港から届くサワラも、「脂ののりや身質などが抜群のバランスです」と前菜や魚料理のメインにと重宝しています。

『js』の魚料理イメージ
鳥取県赤崎漁港から届いたサワラのソテーは、地中海風のスパイスペースト・ハリッサの辛みをほんのり利かせた万願寺唐辛子と西京味噌のソースで。上に飾っているのは、白菜やカブ、大根の新芽です。
『js』の肉料理イメージ
アートな盛り付けの鳥取和牛オレイン55のランプ肉ステーキ。オレンジ色のアイオリソースやミネラリーなオーストラリアの川塩で。「雑味がなくてキレイな味」と絶賛する鳥取から届く日本鹿をメインに使うことも多いそうです。
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奥様・幸恵さんのデザートも秀逸

忘れてはならないのが、奥様・幸恵さんが作るデザートです。フランスやイギリスでパティシエールとして経験を積んだ幸恵さんは、数々のコンクールでの輝かしい受賞歴を持つ実力派。

日によって内容は異なりますが、ガトーショコラや季節のタルトなど親しみ深いものが中心。繊細な口どけや豊かな風味に、クオリティーの高さをうかがえます。

幸恵さんの作るお菓子は、金・土曜の週2日のみ店頭でも販売。ファンが多いので、事前予約がおすすめです。

『js』のデザートイメージ
この日のガトーショコラは、フランボワーズのソースと共に。幸恵さんのデザートを希望される際は、必ず予約時にご相談ください。
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