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これぞ神戸の町中華!新生『良友酒家』で 冬の名物・牡蠣の焼きそば、火鍋を楽しむ

「ただいま~」とランドセルを背負った小学生が入ってくると「おかえり~」と店の皆が笑顔で迎えます。昭和の時代から神戸の中国料理店でよく見られた光景。客もそんな家族経営の店を、我が家のダイニングのように思って大切にしてきたのです。広東料理『良友酒家(りょうゆうしゅけ)』も、そんなアットホームな一軒です。

父から息子へ受け継ぐ味

潘 国和(ばん くにかず)さんが『良友酒家』をオープンしたのは1989年。近隣に住む華僑が家族や親戚一同で食事するのも、お客様をもてなす宴席も、わがままを言ってメニューにない自分好みの料理を注文するのも、ここではよくあることでした。神戸で手に入る旬の食材や中国野菜を使った、コクがあって軽やかな広東料理を求めて、遠方からわざわざ訪れるファンも多くいます。

『良友酒家』の調理中の国和さんと正良さん
改装されたきれいな厨房で、父子が同時に調理します。あんかけ焼きそばなら父の国和さんがそばを焼き、正良さんがあんを仕上げて、スピーディーに盛り付けていきます。
『良友酒家』の調理中の国和さんと正良さん
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そんな国和さんが病で倒れ、息子の正良さんが営んでいた火鍋の姉妹店を閉めてここ本店に戻ったのは2024年1月。厨房を大改装し、正良さんは父の技を学ぶべく厨房で奮闘中。「すべての料理のベースとなる、毎朝欠かさず取る鶏ガラスープ作りは譲れません」と国和さん。サービスは、変わらず国和さんの奥さまの慧莉(えり)さんと、次女の秀莉(しゅうり)さんが担当。正良さんの奥さまが経理を手伝い、子供達も店に出入りして応援と、ますます家族パワー全開なのです。

『良友酒家』のご家族
左から、母の慧莉さん、父の国和さん、娘の秀莉さん、息子の正良さん。家族一丸のアットホームなもてなしに落ち着きます。
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冬限定の牡蠣メニュー、通年の火鍋が人気

国和さんが厨房を仕切っていた時に100種類以上あったメニューから「僕の代になってもできるよう、20種類ほど減らしました」と正良さん。また、姉妹店で使っていたミンチ肉の機械で、点心師に教わった焼売や餃子、火鍋のイカやエビのすり身の団子、自慢の「豆腐のミンチ蒸し」を作っています。「料理は本当に奥深い。父からもっと学ばなくては」。

『良友酒家』の豆腐のミンチ蒸し
豆腐のミンチ蒸し1800円。醤油と熱した油をジューッと回しかけて仕上げる。元々はまかない料理だったそう。豆腐のフワフワ食感にミンチの旨みたっぷりで、白ご飯との相性も抜群。
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定番の「什錦炒麺(あんかけ五目やきそば)」や「鼓油鶏(醤油鶏)」などは、通年の人気メニュー。しばらくすると不思議とまた食べたくなってくる、ほっこりする美味しさです。
シーズンになると季節限定の牡蠣のメニューを目当てに、何度も来店する客も多いそう。汁そば、焼きそば、丼に天ぷら。毎日でも食べ飽きません。また、プリプリの大粒の牡蠣を食べ尽くす、中国料理ならではのコースも。

『良友酒家』の牡蛎焼きそば
冬の名物、牡蠣焼きそば1600円。広島県産の牡蠣が美味しくなってからの季節限定メニュー(2月末ぐらいまで)。蒸し牡蠣、汁そば、丼もある。予約で牡蠣尽くしコースも。
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名物「鴛鴦火鍋(インヨンホーコー)」は、国和さん自慢の鶏ガラスープ、それに豆板醤や沙茶醤(サーチャージャン)などで調味した赤いスープの2色でいただく鍋です。海鮮の鮮度の良さ、種類の多さ、コスパの良さに圧倒されますが、何より、スープの美味しさに感動。締めは伊府麺(イーフーメン)。1年中食べられて、冬は牡蠣、夏にはハモも入ります。

1人で麺料理一皿も、家族や親族の集まりやおもてなしのご馳走コースも、ファミリーが営むお決まりの店で。いつも変わらぬ笑顔のもてなしと、老若男女の口に合う美味しさを受け継いだ神戸の町中華は、ひと味もふた味も違います。

『良友酒家』の店内
昔ながらの円卓。刺繍作家竹岡かつみさんのかわいい刺繍がシンプルな店内に華を添えています。
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